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巻頭言



【2021.9.17】
総裁選で暴露される自民党政治の腐敗
 ──階級的な闘いとして前進することが大事

【2021.9.10】
自民党総裁選の茶番
 ──岸田、高市、河野らの主張は笑止千万

【2021.8.25】
横浜市長選、野党の圧勝
 ──浮かれる野党に期待できず


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総裁選で暴露される自民党政治の腐敗
階級的な闘いとして前進することが大事
2021年9月17日


        
 自民党総裁選は野田幹事長代行も立候補することになり、国会議員票と党員・党友票の合計766票で争われる1回目の投票で河野が過半数を獲得できるかどうか、決選投票になった場合、河野と岸田で国会議員票と47都道府県連1票ずつの合計430票でどんな結果になるか混とんとしています。
        
 自民党は菅の不人気を挽回して、総選挙に勝てる総裁を選出しようというのですが、菅のやってきた政治は自民党政治そのものであり、自民党に対する根本からの批判的総括が必要です。自民党にそんなものは望めませんが(自己否定に繋がる?)、既成野党にしろマスコミにしろ、まったく表面的な論評しかできていません。
        
 コロナ対策で顕著に見られた後手後手対応や経済優先(五輪優先には名誉欲もあったでしょうが)というのは、自民党政治がブルジョアの利益(観光資本といった狭いものでなく、医療資本や産業資本全体の利益)を最優先にするために、目先の利害で政策判断をして来たからです。総裁選での対立の背景には、感染症対策の基本を蔑ろにした菅自公政権へのブルジョアからの批判もあります。
        
 「命を軽視した」という批判をよく聞きますが、「命」を抽象的に語っているだけで、資本家の命と労働者の命の違いを踏まえれば、「資本家の命は重視してきた」とも言えるのです(実際、菅でさえ「命を守るため」の政治が大事と言っています。菅を「うそつき」と非難するのはいいですが、階級的闘いを前進させることが重要です)。
        
 資本家にとって利潤の源泉である労働者の命も欠かせないものであり、そうした利害から労働者の命を重視しているだけであって、資本家は賃金奴隷なしでは生きていけない支配者という存在でしかありません(賃金制度は〝等価交換〟に基づいていますが、本質は剰余価値を搾取する〝不等価交換〟です)。
        
 自民党内の権力闘争に堕した総裁選に、賢明な労働者はうんざりしていますが、総裁選は総選挙に向けた前哨戦でもあります。総裁選候補者の公約は選挙公約に繋がるものとして押し出されており、そうした意味からも総裁選で誰がどのように勝利するかで、今後の闘い方は基本的には変わらないとはいえ、具体的に検討しなくてはなりません。
        
 アベノミクスでさえ、未だに持て囃されており(黒田日銀も存続しており、なにより帝国主義国としての腐朽化という基盤があります)、日本資本主義の行き詰まりをいかに脱却するか展望のないブルジョア的論調ばかりですが、総裁選告示で候補者の論戦が行われ、特徴が鮮明になっていく状況です。押し出されてくる政策に対して、労働者の立場からの鋭い批判を突きつけ、ブルジョアジーの支配が今や歴史的に変革されるべきであることを示していきましょう。
        
 最後に総裁候補に名乗りを上げ、9月10日付け党HP巻頭言や9月17日付け党ブログで論及していない野田は、「小さき者、弱き者、その人たちを奮い立たせるような政策がなかなか見つけ出すことができなかった」、「次の日本を作るためにこれまで主役になれなかった女性、子ども、高齢者、障害者、しっかりとこの社会のなかで生きていける、生きる価値があるんだというそういう保守の政治を自民党の中でつくりあげていきたい」と述べています。
        
 選択的夫婦別姓制度導入について、2002 年に「例外的に夫婦の別姓を実現させる会」を主導し、自民党法務部会に議員提案として「民法の一部改正に関する法律案」を提出したり、不妊治療体験から国会議員として、生殖医療に取り組み、少子化問題にも目を向け、2002 年秋ごろ、少子化対策を「特に力を入れたい政策課題」と表明。小泉政権の少子化対策について、「百点満点で十点」と酷評した (ウィキペディアより)ということです。
        
 反動派から見れば野田は「改革派」なのかも知れませんが、「小さき者、弱き者」が生きづらい社会であることの科学的な認識を深めることなく、弱者を〝拡大再生産〟する資本の体制維持をモットーとする自民党政治で要職を重ねて来ており、「保守の政治を自民党の中でつくりあげていきたい」という意思表明を見るならば、権力政治に芯まで染まったブルジョア政治家であると断ずるしかありません。
        
 総裁各候補のブルジョア性を暴露し、労働者の自公政権との闘いをさらに発展させましょう。   (岩)
        

自民党総裁選の茶番
岸田、高市、河野らの主張は笑止千万
2021年9月10日


        
 自民党総裁選を前に、無為無策の新型コロナ対応への国民の不満、怒りが集中して、総裁選への出馬断念に追い込まれた菅首相の後釜(自民党総裁になれば首相になれると計算している)をめぐって、候補者たちの争いが始まっています。候補者の受付締め切りは17日ですが、すでに立候補を明らかにしているのは岸田、高市、河野の3人です。
        
 岸田は8日の記者会見で、「所得倍増」を謳うと共に、中間層の拡大、子育て世代の支援などをまとめた経済政策を発表しました。
        
 岸田は「格差拡大」が広まっているとして、「小泉構造改革以降の新自由主義政策を転換」し、「中間層の拡大」のために、「所得倍増」を謳っています。
        
 「所得倍増」というと、1960年、岸内閣が60年安保の強行採決で倒れたのちの池田内閣が、「所得倍増」計画を打ち上げ、安保でぐらついた当時の自民党政権がたちなおったことを思い起こさせます。
        
 岸田がこの顰(ひそみ)に倣ったのかどうかはわかりませんが、当時と現在とは決定的に状況は違います。当時は、日本資本主義が敗戦の打撃から回復し、これから経済の「高度成長」の時代を迎える時期でした。
        
 しかし、現在は、1990年代初頭のバブル崩壊以降、30年もの長い間、経済停滞が続いてきたことに示されているように、日本資本主義が退廃、停滞し、その矛盾が深刻となっている時代です。岸田にとっては「夢よ、もう一度」ということかも知りませんが、時代錯誤も甚だしい限りです。
        
 実際、「所得倍増」をどうやって実現するというのでしょうか。岸田は安倍政権による大規模な金融緩和、巨額の財政支出、成長戦略の3本柱を維持し、「新しい日本をつくる」とアベノミクスの継承を謳っています。
        
 「アベノミクスによって企業収益は上がり 、経済は間違いなく上がった」などと言っていますが、アベノミクスの恩恵を受けたのは大企業や金持ち階級であって、労働者の生活は一層困難にこそなれ、よくなったということはありません。
        
 安倍は実質経済成長2%を約束しましたが、2013年1~3月から2020年1~3月(コロナの影響が現れる前)の6年間の国民総生産の成長率は僅か1・8%にとどまりました。そして消費増税などによって、労働者の実質賃金は1・5%も低下しました。
        
 安倍は金融緩和、財政支出の増加によって経済成長を促すと言いましたが、その結果政府支出が国民総生産 の約4割を占めるようになりました。
        
 日本経済は国家の財政支出だのみになり、政府の借金は積もりに積もって、2020年までの基礎的財政収支(国債費を除いた予算の全体)をゼロにするという、国民との約束は反故にされたのです。
        
 破綻したアベノミクスを継承して「所得倍増」とか「新しい日本をつくる」などというのはまったくの空約束、ペテンでしかありません。
        
 岸田は、安倍の国家財政を私物化し、官邸ぐるみの文書改竄を行った森友学園問題について、2日の記者会見では「調査が十分かどうかは国民側が判断する話。国民は足りないと言っている」と発言しましたが、総裁選に出馬を決定した7日の記者会見では、「すでに行政において調査が行われ、報告が出されている。司法において今、裁判が行われている」ことを理由に「再調査は考えていない」と前言を翻しました。
        
 党内の安倍派の支持をとりつけ、総裁選を有利にしようとする魂胆が見え見えです。岸田にとっては総裁の地位を獲得することが第一なのです。
        
 安倍の支援で出馬した高市は、「アベノミクス」まがいの経済政策を掲げ自分の名をつけて「サナエノミクス」と称しています。そして全く意味もなく、すでに破綻が明白な「2%の物価上昇」が達成するまで、「アベノミクス」の3本柱の経済政策を推進していくと言っています。
        
 その一方で、「新たな戦争への対応」が必要だとして、「迅速に敵基地を無力化することができた国が自分の国を守ることが出来る。安倍内閣の時は、敵基地先制攻撃と呼ばれたが、私は敵基地無力化と申し上げたい」と発言、サイバー反撃などを含め、法整備や軍事研究費の増額に取り組んでいきたいなどと、一層軍備増強を推進していくことを訴えています。
        
 公共部門の縮小・民営化、社会保障の縮減など「新自由主義」政策で多くの労働者の職を奪い、労働運動を弾圧した英国のサッチャーを「信念の人」と信奉し、「日本のサッチャー」となることを気どる高市は、集団自衛権の〝合法〟化を認める安保法制の実現など、日本の軍事大国化を推し進めた安倍の反動政治の継承を最も強く打ち出しています。
        
 河野は、これまで「脱原発」を掲げていましたが、「再生可能エネルギーを最優先に取り入れるのが基本だが、足らない所は安全が確認された原発を当面使っていくことはある」と見解を変えました。
        
 また女性天皇についてもこれまでの「ありうる」という、それを認める見解から「男系で続いているというのが日本の天皇の一つのあり方」と軌道修正しました。
        
 これは、総理になるために安倍ら党内に根強い原発存続派や男系天皇制を主張する保守派の票をかき集めるためだとするなら、河野もまた信念のない権力亡者であると評価されるでしょう。
        
 今問われているのはたんに新型コロナ対策だけではありません。安倍・菅政権の下で、国家財政への経済依存が進んだことに見られるように、経済の寄生化は一層深まり、その矛盾は格差拡大、貧困の増加などとして現れています。
        
 そして森友・加計学園問題のような国家財政の私物化、汚職など政治腐敗が広まっています。その責任は安倍・菅にとどまりません。総裁選に出馬する岸田、河野、高市もまた同罪です。彼らは安倍・菅政権の閣僚あるいは役員として、反動政治を推進してきたのです。自民党の総裁選は党の顔をすげ替え、政権の延命を図るための茶番にすぎません。
        
 腐敗し、反動化する自公政権に対する労働者の怒りを結集し、労働者の階級的闘いを発展させていきましょう。  (T)
        

横浜市長選、野党の圧勝
浮かれる野党に期待できず
2021年8月25日


        
 横浜市長選は、野党候補の圧勝に終わった。序盤の焦点はIR(カジノ)で、自民の小此木がやや有利と見られていたが、後半ではコロナが焦点となりコロナの専門家を自称する山中の圧勝となった。山中は横浜市18区のうち17区で勝利したが、小此木は自己の衆院選選挙区3区の一部の鶴見区で勝利したに過ぎなかった。
        
 
★市長選に賭けた菅
        
 菅はまさにこの市長選に賭けていた。これまでの重要選挙でことごとく敗北していた菅にとって、地元横浜の市長選で“義兄弟”でもある小此木を、メンツにかけても野党に勝たせるわけにはいかなかった。
        
 彼は総裁の立場も顧みずに、IR誘致を裏切った小此木(自民党は小此木をどう処分するのか?)を当選させるために、恥も外聞もなく電話をかけまくり、また人気者の河野や小泉を宣伝カーに乗せた。その結果の大敗である。
        
 今の自民党は、”菅で衆院選を闘えるか“と大揺れである。打ち続く選挙の連敗でも、菅は厚顔にも総裁選の出馬をあきらめていないが、必ずしも菅の総裁選勝利は楽観できるわけではない。菅に代わり得る立候補者がいるかと言えば、いずれも菅に劣らぬ無能で最低の人物ばかりなのだ。
        
 ★無力の野党
        
 一方野党は、予想外の大勝で、衆院選もこの調子だと浮かれているが、その見通しはそんなに甘くはない。というのも野党連合も“ガラスの連合”で、例の、連合、国・民と共産党とが水と油なのだ。その仲を取り持つ“最大野党”の立・民も支持率6%と、自民党の40%に遠く及ばないのである。自民敗北後の政権の受け皿には、到底なりえないのだ。
        
 野党の諸君は、菅政権のコロナ対応を批判したが、菅らが経済優先(資本の儲けのため)・五輪優先で、医療・保健体制の整備が出来なかった原因を切開せず、表面的な批判や事業者への支援問題などに切り縮め、菅政権を追い詰めることが出来なかった。労働者に依拠して情勢を打開しようとしなかった野党には、政府・自治体の無能無策を許した責任があるのだ。
        
 ★労働者党に結集して闘おう
        
 与党の大敗も、野党連合の頼りなさも、現在の日本政治の頽廃を映し出している。働く者が信頼できる政党が存在しないのだ。菅政権の悪政を止められず、労働者の立場を見失った野党に現在も未来も託すことはできない。
        
 労働者党は、19年の参議院選挙で10人の候補者を立て確認団体として闘ったが、その後の傷は大きく、残念ながら今度の衆議院選挙は見送らざるを得なくなった。一日も早く働く者が信頼できる労働者の代表を国会に送り出し、労働者の闘いを大きく前進させねばならない。労働者の政党に結集して、ともに闘おう!
        
   (神奈川 k)