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労働の解放をめざす労働者党機関紙
『海つばめ』

◆隔週日曜日発行/A3版2ページ
一部50円(税込み54円)

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郵政民営化の中で何が起きているのか?
郵政労働者は告発する!

■民営化の嵐の中で最大の御用組合の登場――JPU臨時全国大会議案批判
■郵政民営化――今、職場では/郵政現場からの報告
■恐竜化か、リリパット化か――郵政民営化のジレンマ
■西川善文著『挑戦――日本郵政が目指すもの』/民営化に賭けるトップの本音


憲法改悪と
いかに闘うか?


■改憲に執念燃やす安倍――「国民の自主憲法」幻想を打ち破れ
■労働者は改憲策動といかに闘うか
■国民投票法をどう考えるか
■安倍の「美しい国」幻想――憲法改定にかける野望


本書は何よりも論戦の書であり、その刊行は日和見主義との闘いの一環である。
マルクスが『資本論』で書いていることの本当の意味と内容を知り、その理解を深めるうえでも、さらに『資本論』の解釈をめぐるいくつかの係争問題を解決するうえでも助けとなるだろう。


全国社研社刊、B6判271頁
定価2千円+税・送料290円
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「不破哲三の“唯物史観”と『資本論』曲解』(林 紘義著)」紹介(『海つばめ』第1048号)


全国社研社刊、B6判384頁
定価2千円+税・送料290円
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「天皇制を根底的に論じる『女帝もいらない 天皇制の廃絶を』(林 紘義著)」(『海つばめ』第989号)他

理論誌『プロメテウス』第54号
2010年10月(定価800円)

《特集》菅民主党のイデオロギーと“体質”
・神野直彦の思想と理論――菅直人のブレインは「曲学阿世の徒」
・原則なき寄せ集め政党――顕現するブルジョア的“体質”
反動的な「文化」の擁護に帰着――レヴィ=ストロースの「文化相対主義」批判


 
 
 教育のこれから
   「ゆとり」から「競争」
   そして「愛国教育」で
   いいのか
 林紘義 著 7月1日発売

  (全国社研社刊、定価2千円+税)
  お申し込みは、全国社研社
  または各支部・会員まで。
  メールでの申し込みも可能です。

まかり通る「偏向教育」、「つくる会」の策動、教育基本法改悪の動きの中で、“教育”とは何であり、いかに行われるべきかを、問いかける。  


 第一章  
教育基本法改悪案の出発点、
森の「教育改革策動」
 第二章  
破綻する「ゆとり」教育の幻想
 第三章  
“朝令暮改”の文科省、
「ゆとり」から「競争原理」へ
 第四章  
ペテンの検定制度と「つくる会」の教科書
 第五章  
歴史的評価なく詭弁とすりかえ
つくる会教科書(06年)の具体的検証
 第六章  
日の丸・君が代の強制と
石原都政の悪行の数々
 第七章  
憲法改悪の“露払い”、教基法改悪策動

●1320号 2018年2月11日
【一面トップ】共産やリベラルの幻想――トランプの〝新核戦略構想〟
【コラム】飛耳長目
【二面〈主張〉】リフレ派一俗学者の退陣――岩田喜久男の臭い〝最後っぺ〟
【二面トップ】安倍の不真面目な改憲策動――国民投票否決でも自衛隊合憲?
【二面 新刊紹介】「我々はいかに闘ったか」――安倍と小泉の政治に反対して

※『海つばめ』PDF版見本

共産やリベラルの幻想
トランプの〝新核戦略構想〟

 トランプが2月始め、アメリカの〝新核戦略構想〟を発表した。NPR(「核態勢見直し」)と命名されている。中ソの核軍拡が進んでおり、また北朝鮮の核武装と核挑発が解消されないことを口実に、アメリカもまた核軍拡の新戦略で対抗しなければならないと叫び、新型の核兵器の開発導入を謳い、世界一の軍事大国の地位を維持することによって、ロシアや中国という大国や、北朝鮮のような危険な国家に対抗し、対峙するというのである。 

大国による(そしてミニ帝国主義国も参加しての)核開発と核増強競争の再発

 トランプはこの「見直し」の中で、アメリカがオバマの下、核兵器の保有数を後退させてきたが、その陰で中国やロシアや北朝鮮までも、着々と軍備強化に、特に核兵器の増強に努めてきた、ロシアは中東への介入にも見られるように、核の脅しなどによって自国に有利なように紛争を抑えようと策動し、ウクライナなどに勢力拡大を策し、中国は核能力を拡大しつつ、西太平洋でアメリカの利益に挑戦し、北朝鮮は知っての通り、傍若無人に振る舞っている、と非難して自らの新核戦略を正当化している。

 他方、中国もロシアも北朝鮮も、アメリカの核の覇権を非難し、自己の核を含めた軍事力の増強を正当化する、あらゆる理屈に事欠かない。

 要するに、トランプや安倍が、中国やロシアや北朝鮮はアメリカや日本の「国益」を脅かすとわめけば、習近平やプーチンや金正恩も負けず劣らず、日米は中国等々の「国益」を損ない、あるいはその伸長を制約し、押さえ込もうと躍起になっているとやり返している。

 世界の労働者・働く者から見れば「どっちもどっち」であって、両方とも帝国主義国家として、自らの「国益」や「自国ファースト」を、つまり国家エゴイズムをあらわに競い合い、張り合って対立し、人類を破滅の縁に追いやり、あるいは破滅までかけて「戦争遊戯」にふけっているにすぎない。その限り、共におぞましく、醜悪な国家である。

トランプは核増強競争を挑発する

 今回の「核態勢の見直し」によって、トランプは核兵器使用について、従来とは異なって、アメリカの利益への重大な攻撃や侵害があれば、仮に通常兵器によるものであっても、核兵器で反撃すると語って、世界中を脅迫している。

 また具体的に、潜水艦発射弾道ミサイルについて、「爆発力を抑えた」小型の核弾頭を開発、配備する、海洋発射の可能な核弾道ミサイルも開発すると宣言、より具体的で、機動的な、したがって実践的な核戦略を謳うのだが、これは、アメリカの核兵器は単に脅しのための飾りでも、強大な核兵器によって、中国やロシアなどの膨大な、あるいは巨大高性能の核兵器による〝核均衡〟によって世界の平和を守るといった、牧歌的な願望のためのものでないと強調するのであり、核兵器使用も──仮にそれが〝局地的な〟もの、敵基地や施設や軍事力の粉砕を目的とするようなものであれ、何であれ──辞さず、どんな軍事的衝突や紛争にも核兵器を使用するという、露骨な〝好戦的な〟立場の表明ではないのか。

 トランプは核兵器の実際的な利用を想定して、その小型化や新鋭化を図り、そんな新型の核兵器によって世界で最強国の地位を確保し、世界に対する覇権を確かなものにしようとするのだが、それもただ〝アメリカファースト〟を、つまりアメリカの大資本の利益を貫徹するためである。

 小型だからいいとか、爆発力、破壊力が小さくてすむといった問題ではない。小型化は核兵器の進化として位置づけられ、ただ核兵器の利用を拡大し、世界中で、一層安易に、積極的に、あらゆる紛争や戦闘の場所で、あらゆる機会に使用するという意思の表明である。

 トランプはロシアや中国や北朝鮮が核兵器の増強を進めているから、アメリカもうかうかしていられないというのだが、そもそもアメリカこそが世界で最強、最大の核兵器大国であって、そうした核大国として世界に君臨し、覇を唱えてきたことを忘れている。

 他国の核の増強を非難し、その廃棄や削減をやかましく要求するなら、まず自らが手にし、ロシアと共にほとんど独占している膨大な核兵器の廃棄や決定的な削減を進めてからにすべきであろう。自ら全身を核で武装しながら、他国に核を持つなといっても、それは正義でも公正でも何でもなく、世界に通用する話ではない。

 他方、ロシアも射程の短い戦術核の利用を想定しているなどとトランプを非難し、自らの核兵器の増強を正当化するのだが、しかし自らも、たちまち核兵器の進化や新鋭化や増強に一層の拍車をかけるのである。

再編される帝国主義の新体制

 第二次世界大戦は日本やドイツなどの帝国主義を打倒し、世界の帝国主義勢力に大打撃を与えたが、しかし他方では、アメリカやソ連の帝国主義には一層強大化するチャンスを与え、両国は太平洋戦争後の世界を二分して対立した。

 1990年前後の〝ソ連帝国〟は内的崩壊により消滅したが、ソ連体制の中核だったロシアは依然として国家資本主義的大国として生き残り、プーチンのもと、再び帝国主義大国として頭角を現し、中国も21世紀にかけて、新興のブルジョア大国として、そしてたちまちアメリカと世界支配の覇を争うような巨大帝国主義国家として、急速に台頭した。

 かくして21世紀初頭の世界は、アメリカではトランプ一派が、ロシアではプーチン一派が、中国では習近平一派が、日本では安倍一派が、そして加えて北朝鮮では金一派が幅を利かせ、はびこる──人類の破滅さえ予感させるような──、危険な時代となってしまった。

 プーチンや習近平のようなファシズム権力にも似た独裁権力がはびこり、さらにトランプや安倍のような軍国主義に凝り固まった専制的な「一強の」権力がはびこるなら、世界が人類にとって危険なものになるのは避けられない。平和を守り、核兵器を避け得る唯一の道は、世界の労働者・働く者の国際主義に基づく反戦闘争だけであるが、それには、まずロシアや中国や北朝鮮の危険な専制権力は打倒され、一掃されることが不可欠である。

 もちろんアメリカや日本やイスラエルのような、事実上、反動派、国家主義派の専制政府もまた粉砕され、一掃されなくてはならないが、それもまさに最初の一歩である。

 オバマのアメリカはたちまちトランプのアメリカに大きく転換したが、もちろんその根底にある大資本の支配と世界覇権という事実はそのままであったからで、だからこそ、オバマのアメリカからトランプのアメリカへの転化もまた、その限り単なる偶然ではないのは、民主党政権から安倍政権への反転が偶然でないのと同様である。

 大資本による世界覇権と世界的強国への野望がある限り、アメリカであろうと、中国であろうとロシアであろうと、安倍政権であろうと、帝国主義や軍国主義が発展することも、それらが核兵器で武装することも避けられない。

破綻した共産党や市民派、リベラル派の幻想

 こうしたアメリカやロシアや中国などの核大国の〝危険な〟言動に対しては、オバマの「核のない世界」という宣言も、広島訪問というパフォーマンスも、昨年7月、122ヶ国が賛成して採択された核兵器禁止条約も、ICAN(国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」)のノーベル平和賞受賞も、何の意味も力も持ちえないのである。

 共産党は国連の決議やノーベル賞の受賞やオバマの非核宣言や努力を、まるで核兵器廃絶に大きな道を切り開いたかの幻想を振りまいたが、そうした幻想はトランプの「核態勢見直し」によって、簡単に粉砕されてしまった。

 志位は昨年の国連会議で、核兵器禁止条約が採択されたことを評価して、ありとあらゆる幻想を振りまいたが、こうした決議は何の強制力もない、単なる言葉だけの宣言でしかないことを隠している。

 志位はこの決議を、狂喜乱舞して「核兵器禁止から廃絶へ──禁止条約にサインする政府を作ろう」などと呼びかけ、日本やアメリカやロシアや中国に、そんな政府ができれば、そして世界の強国がみな核兵器廃絶条約に賛成すれば、人類は永遠に核兵器と決別できるかの幻想──資本の支配の下で、ブルジョア大国が軒並みに帝国主義国家として登場している世界で──を振りまいたが、そんな幻想はトランプの今回の「核態勢見直し」によって、たちまちどこかに吹っ飛んでしまった。

 志位は122国の賛成で国連決議が可決されたこによって、「核兵器は『使用の威嚇』も含めて全面的に禁止され、非合法化された」とか、「国際政治の『主役交代』──『小さい国』が『大きな役割』」を発揮したとか、「核兵器にしがみつく逆流、追随する日本政府は追い詰められた」とかの、ありとあらゆるプチブル的幻想を振りまいたが、トランプのたった一つの政策が、志位の「歴史的壮挙」への大喜びをたちまち一掃してしまったのである。

 志位はこのとき、3月の第一回会議で、日本共産党の要求として、「まず核禁止条約を一致できるところから始めて、核兵器廃絶へ一歩を踏み出そう」と提案したが、今やそれが実現したと誇ったが、そんなものはオバマのやろうとしたことであり、トランプの今回の核兵器新方針がたちまち一掃してしまった事実をどう総括し、反省するのか。

 空虚な、言葉だけの決議や署名、無力なおしゃべりや幻想、当てのない無力な願望や形式的な数合わせでなく、労働者・働く者の闘いだけが、帝国主義者や国家主義者たち、つまり安倍一派のような勢力、したがってまた安倍政権やトランプ政権のような反動政権に反対し、それを粉砕して行く、世界の労働者、勤労者の連帯した、共同の闘いだけが人類の未来──この小論の文脈ではこう表現してもいいが、未来永劫に平和な未来──を切り開くことがきるのである。

 日本の労働者・働く者の課題は、まず安倍政権と安倍一派、反動派──つまり自国の国家主義派、帝国主義派の勢力──を権力の座から追放することである。すべてはそこから始まる。

   

【飛耳長目】

★仮想通貨がその全体の時価総額を一気に3分の1にまで縮小させ、激震が走ったと思ったら、世界各国の株価も一斉に数%も崩落する事態が続いた。何やら、カネをバラまくことで繁栄の仮象を作り出してきた、虚飾と水ぶくれの世界が再び瓦解していく予感が漂う★通貨とは、ただすべての人々がそれを受け取るという「合意」によって通貨だといった無概念を振りまく連中は、仮想通貨の「価値」喪失に驚愕し、うろたえるが、しかし中央銀行券等の代用貨幣も、実物貨幣との交換性を持つ限りでその「価値」を保障され、通貨として流通し得るのである★歴史上の大インフレのことはさておいても、アフリカのジンバブエでは、08年、年率5桁の超インフレを経験し、100兆ジンバブエドルというお札を発行したし、昨年も南米ベネズエラでは、10万ボリバルのお札を出す話もあったが、実勢レートで2、300円の「価値」で、年率4割という現在のインフレが続くと、1年ほどでその「価値」は10円ほどになる★代用貨幣がその「価値」を失い、0にさえなり得るというなら、最終的に、そんな通貨によって「価値」が保障されている仮想通貨が一気に「価値」を失うのも当然である★現代資本主義の世界はますます安定した支点を持たない、〝仮想的な〟存在に転落しつつあるかだが、それを象徴するものこそ仮想通貨という幻影だろうか。(鵬)

   

【主張】

リフレ派一俗学者の退陣
岩田喜久男の臭い〝最後っぺ〟

 リフレ派学者の出世頭でもある岩田規久男が日銀副総裁、黒田の懐刀としての役を解かれるにあたり、〝最後の講演〟を行った。

 彼は未練たっぷり「私は再任されないと確信している」と切り出したが、話は弁解と責任逃れ、ごまかしと責任転嫁に終始し、実践的破綻を暴露したのである。

 そもそも岩田らは経済政策の核心は金融緩和であり、しかもその手段は日銀によるカネのバラまき、大規模な量的緩和であると強調し、2%のインフレを2年で実現することで、バブル破綻以降の日本経済の宿痾である〝デフレ〟を退治し、「経済成長」も「景気回復」も「財政再建」も一気に達成すると豪語してきた。

 彼は5年前、安倍の信頼も厚い、新任の日銀副総裁として、2年2%の物価上昇が、つまりデフレ克服が達成されなければ、「最高の責任の取り方は辞任」と語り、さらにそれが実現されなくても、「自分たちのせいではない」「他の要因によるものだ」といった言い訳はしないと、きっぱり約束したのである。

 しかし彼は3年後の2%の物価上昇を達成できなかったとき、早くも、辞任を約束したことはないと言い始め、その後も居座っただけではない、今や自分の間違いを認める代わりに、責任を他に転化し、開き直って自己正当化を図るのだ。

 彼は今物価上昇2%が実現せず、デフレ脱却が空語に終わったのは、岩田や黒田のせいでもなく、2014年の消費増税のせいであり、あるいは原油価格の予想外の下落のせいだと言いたいかであり、また政府の、つまり安倍の財政膨張等の取り組みがなかったせいであるかに言いはやしている。

 岩田は、「実体経済を無視して財政健全化を加速させると、かえって成長率を鈍化させ、財政健全化を遅らせる」とも語ったが、一体安倍政権5年間のいつ、「財政健全化加速」の政策、つまり緊縮財政政策をとったという事実があったのか。

 しかも安倍はもちろん、岩田もまた、最近、リフレ派流の金融緩和重視の政策から、比重を財政膨張政策に移しているのである。

 イタチの最後っぺならぬ、岩田の最後っぺは、まさに臭い臭いものになったし、リフレ派の本性からして、そうなるしかなかった。

 我々はすでに、岩田がいっぱしのリフレ派の理論家として登場した最初の頃から、彼とその理論の愚劣さや反動性を暴露して、03年の春、『海つばめ』で公然と批判した(『崩れ行く資本主義…』林著259頁以下)。

「小泉内閣の最も軽薄な御用学者である岩田は、日銀が長期国債を無制限に買い上げよと強調してやまない」

 この論文には、岩田の典型的な見解も紹介され、暴露されている。

 「銀行や機関投資家は手元がマネーばかりになるなら、そのうち株や投資信託、不動産、外債を買おうということになる。資産価値が上がれば、企業もバランスシートの純資産が増え、設備投資をしたり、生産を増やしたりする、やがてインフレ予想が生まれる。将来、物価上がると、実質的金利が軽くなるだろうというので、投資や物価が増える」。

 岩田は当時、日銀を攻撃して止まなかったが、安倍政権の出現と共に、日銀副総裁の地位を射止めて「位(くらい)人臣を極め」、リフレ派の空論を実践して見せてくれたが、それはただ日本経済や企業活動の、財政や金融の頽廃や衰退、寄生化や解体にさえ拍車をかける以外のどんな意義や役割も持つことができず、今や〝敗残の将〟よろしく、落ちぶれて日銀の地位を去らざるを得ないのだが、それはまた黒田や安倍の近い将来の姿でもある。

   

安倍の不真面目な改憲策動
国民投票否決でも自衛隊合憲?

 安倍の憲法改定論議がますます混乱し、実際的にも論理的にも支離滅裂なものとなってきている。彼は国会の議論の中で、9条に「自衛隊の存在を明記する」という改定案を弁護して発言、もし国民投票で否定されても「自衛隊存在の合憲性」は変わらないと強弁した。国民投票で敗北したときの予防線であり、用意である。彼は他方、〝平和主義勢力〟に媚を売って(安倍改憲の味方に引き込もうと考えてか)、憲法に自衛隊を明記しつつも、もとの9条の条文を残すからこそ、一昨年成立させた安保法における「フルスペック(制約のない形)での集団的自衛権の行使は認められない」という〝縛り〟が効くのだといった、手前味噌で、厚かましい発言を口にしている。

 そもそも9条の改定もしくは改廃という問題は、その平和主義的な概念や規定が自分たちの支配に適合していないという、ブルジョアたちの強い、そして不可避的な不満や批判から生じてきたのだが、しかし安倍のやろうとしている改定は「改定のための改定」いう邪道な動機から出発しているがゆえに、徹頭徹尾、ご都合主義的で、9条に内在する矛盾や混沌──ブルジョア国家にとっての──を解消しないばかりか、むしろかえって拡大し、先鋭化するのである。

 安倍は改定の実際的な内容よりも、改定自体を自らの課題とも、最大の歴史的責務とも心得るがゆえに、つじつまが合おうが合うまいが突き進む以外ないのだが、そんな安倍の矛盾と混沌に満ちたポピュリズム政治は、野党や市民派など〝護憲派〟のピント外れの闘いを勢いづけるだけでなく、自民党内、保守陣営内の反発も膨れあがらせ、安倍の改憲策動の挫折や失敗さえもたらしかねないのである。

 「自衛隊の存在」を9条に付け足すという改定案──首尾一貫しない、意味不鮮明の、余りにお粗末な憲法改定案──がもし国民投票で否決されるとするなら、安倍がどんな屁理屈を並べたとしても、それが「自衛隊の存在」が憲法違反であることの国民的意思による確定ということになりかねない、というのは、安倍が9条に「自衛隊の存在」を書き記すことは、自衛隊の存在は合憲であることを確認し、合意することであると実際に、あるいは事実上言い続け、強調しているからである。

 それなのに、国民投票の結果の如何にかかわらず、自衛隊の存在が合憲だというなら、一体何のために国民投票をする必要があるのか。安倍の珍奇矮小な、見え透いた策動は、安倍の憲法改定が安倍の個人的な必要性以外に、どんな必然性もないことを暴露している。 また仮に1昨年の安保法に、「集団的自衛権行使」への縛りがあるとしても、そのことは憲法に「自衛隊の存在を明記する」こととは何の関係もなく、安保法自体の問題としてあるにすぎない。

 そもそも安倍自身、集団的自衛権行使の権利だけではなく、その行使自体も合憲である──もし国家防衛が認められるなら、個別的自衛権だけでなく、集団的自衛権(あれこれの同盟国等々と協力して国家防衛する「権利」)も認められる──と主張し、個別的自衛権ならいいが、集団的自衛権はダメだという〝野党〟と対立したのだが──こんな共産党などの立場は、安倍政権を利する、無意味な対立でしかなかった──、そうした主張は、憲法に「自衛隊の存在を明記する」とした、憲法改定があろうとなかろうと何の関係もない(安倍自身、何か関係があるなどと、全く主張してこなかった)。

 安倍自身が、憲法に「自衛隊の存在を明記する」という憲法改定によっては、憲法上の自衛隊の位置づけは何も変わらないというのだから、安倍の主張はますます無意味な空論の度合いを強めていくし、行かざるを得ない。

 一体安倍は、集団的自衛権に対する「縛り」という表現で何をいいたいのか。集団的自衛権の行使といっても、事実上、個別的自衛権の行使と大して違わないようなものだというのなら、一体安倍は何のために、安保法を強行成立させたのか。

 安倍は「憲法改定のための憲法改定」を、その内容や国家的意義は二の次に、自分の名誉や〝実績作り〟や権力主義のために、どんな原則もなく成立させなくてはならないのである。

 そんな憲法をもてあそぶような、不真面目な安倍の憲法をめぐる策動は実現しないし、またさせてはならないのである、また実現したとしても、現行憲法の持つ矛盾や空虚さやナンセンスや反動性さえも──実際、現行憲法の破綻は、9条の破綻として、すでに余りに明らかである──決してなくならないで、ますます尖鋭に現れてくるだけである。

   

【新刊紹介】

「我々はいかに闘ったか」
――安倍と小泉の政治に反対して

 「労働者の代表を国会へ!」というスロガーガンのもと昨年4月、労働の解放をめざす労働者党(略称・労働者党)が結成された。

 今度こそ労働者・勤労者を代表する国会議員を誕生させなければという強い思いを抱き、捲土重来を期して結党されたものである。

 その最初の選挙闘争が、昨年10月10日に告示され22日投票日となった衆議院選挙であった。本書はその衆院選闘争が行われた神奈川11区(横須賀市・三浦市、有権者約39万人)での闘いと、その意義の記録である。

 神奈川11区は〝小泉王国〟と言われている選挙区で、進次郎は政治家としては4代目で、戦前の又二郎(曾祖父、逓信大臣)、戦後になって又二郎の娘婿の純也(祖父)が「安保男」の異名もあり、第一次佐藤内閣の防衛大臣になっている。父親で首相を務めた純一郎が引退し、そのあとを継いだ進次郎は、2009年の自民党に代わって民主党が圧勝した衆院選で57%の得票率で初陣を当選で果たし、今回で4選目であった。前回は進次郎と共産党の瀬戸の二人だけが立候補し進次郎の圧勝で終わっている。今回はそれに関西からの落下傘候補である希望の党の真白リョウと労働者党の圷で、圷はこの地で生まれ育ったということでこの地からの立候補となった。

 期せずして、本書の副題にあるように、我々は「安倍と小泉の政治に反対して」闘うことになったのである。安倍が突如解散することを決定し、いたずらに北朝鮮のミサイル実験を脅威だと煽り、「人づくり革命」だと言って高等教育無償化や幼児教育無償化を謳い、その原資を2019年10月に実施する消費増税分から捻出するということの是非を問うピント外れの選挙であり、森友・加計学園問題から国民の目をそらせる狙いもあった。

 我々はこの選挙で腐敗し悪臭芬々の安倍内閣を退陣に追い込むチャンスであることを訴えるとともに、そのためにも自民党のプリンスとの言われている進次郎を当選させてはならないこと、進次郎が落選すれば安倍内閣に大きな打撃を与えることになると訴えて闘ったのである。

 進次郎は安倍との違いを際だたせようとしてか、「子ども保険」を提唱し、原資を現役の労働者の社会保険料の引き上げから捻出すると謳い、労働者に敵対する本性を明らかにした。

 また我々は、長時間労動に象徴される搾取労働の廃絶と非正規労動に代表される差別労働の一掃を掲げ、その実行を安倍に迫っていった。

 共産党の瀬戸などは全くと言っていいくらい進次郎批判をしていないのである、彼も3回目の挑戦であるにもかかわらず安倍政権の批判に終始し、「子ども保険」については何も触れずに、批判もできないのである。

 本書の構成は序章と四章からなっている。序章は「我々の神奈川11区の闘いの報告――労働者党の国会議員を生み出す闘いのスタートそして道案内」で、総括的にこの選挙闘争の意義について語っており、すべてを読み終えた後にもう一度読んで頂きたいところである。

 第一章「選挙闘争の公的手段」では、我々の選挙公報、選挙ビラ、ポスター、選挙ハガキ、新聞広告などが掲載されている。選挙ビラ第2種では庶民派「まじ太」(あくつ)を国会へ!“超エリート〟の「きざ夫」はもう沢山だ!と題して、「まじ太」と「きざ夫」がボクシングをしている一コマ漫画などで象徴的にアピールして、学生などにうけが良かった。

 第二章「我々の選挙闘争の位置づけとその意義――『海つばめ』を中心にその経過をたどる」では、昨年4月の結党大会から展開されているが、ここでは労働者党と共産党との違いを鮮明にすべく、『海つばめ』での共産党批判をし、いかにして共産党がブルジョア化し退廃しつつあるかを展開し、解党をも勧めている。

 第三章は「選挙を闘った仲間たちからの報告」で、生き生きとした「闘争日誌」や闘争委員会を中心に具体的な行動がなされ、全員が一体となって取り組み、シンパの人も我々と一緒に継続して闘ってくれたのも印象的であった。

 そして第四章の「我々の訴え」には、候補者やその応援演説が収録されている。

 選挙結果は、得票率1・6%(3133票)で、目標には届かなかったが、第三章で、「テストに合格した希望の数字」として述べられているように、この初戦は我々の「総稽古」として、次回の選挙戦に発展的に生かし、さらに力強く臨んでいかなければならないだろう。

 資本主義の下で多くの労働者・勤労者が搾取強化に耐え忍んでいるなか、その声を国会で反映し、労働者の解放をめざすことができるのは我々労働者党だけである。

 何としても労働者党議員を生み出していかなければ、労働者・勤労者の夜明けは訪れないだろう。多くの労働者・勤労者などにこの我々の神奈川11区の闘いの記録本を読んで頂き、物心両面において我が党に大きなご支援をお願いする次第である。   T・A

(労働の解放をめざす労働者党編 全国社研社発行 定価 本体1300円。全国社研社に申し込みの場合は送料180円)

   

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