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労働の解放をめざす労働者党機関紙
海つばめ』

◆隔週日曜日発行/A3版2ページ
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郵政民営化の中で何が起きているのか?
郵政労働者は告発する!

■民営化の嵐の中で最大の御用組合の登場――JPU臨時全国大会議案批判
■郵政民営化――今、職場では/郵政現場からの報告
■恐竜化か、リリパット化か――郵政民営化のジレンマ
■西川善文著『挑戦――日本郵政が目指すもの』/民営化に賭けるトップの本音


憲法改悪と
いかに闘うか?


■改憲に執念燃やす安倍――「国民の自主憲法」幻想を打ち破れ
■労働者は改憲策動といかに闘うか
■国民投票法をどう考えるか
■安倍の「美しい国」幻想――憲法改定にかける野望


本書は何よりも論戦の書であり、その刊行は日和見主義との闘いの一環である。
マルクスが『資本論』で書いていることの本当の意味と内容を知り、その理解を深めるうえでも、さらに『資本論』の解釈をめぐるいくつかの係争問題を解決するうえでも助けとなるだろう。


全国社研社刊、B6判271頁
定価2千円+税・送料290円
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「不破哲三の“唯物史観”と『資本論』曲解』(林 紘義著)」紹介(『海つばめ』第1048号)


全国社研社刊、B6判384頁
定価2千円+税・送料290円
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「天皇制を根底的に論じる『女帝もいらない 天皇制の廃絶を』(林 紘義著)」(『海つばめ』第989号)他

理論誌『プロメテウス』第54号
2010年10月(定価800円)

《特集》菅民主党のイデオロギーと“体質”
・神野直彦の思想と理論――菅直人のブレインは「曲学阿世の徒」
・原則なき寄せ集め政党――顕現するブルジョア的“体質”
反動的な「文化」の擁護に帰着――レヴィ=ストロースの「文化相対主義」批判


 
 
 教育のこれから
   「ゆとり」から「競争」
   そして「愛国教育」で
   いいのか
 林紘義 著 7月1日発売

  (全国社研社刊、定価2千円+税)
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まかり通る「偏向教育」、「つくる会」の策動、教育基本法改悪の動きの中で、“教育”とは何であり、いかに行われるべきかを、問いかける。  


 第一章  
教育基本法改悪案の出発点、
森の「教育改革策動」
 第二章  
破綻する「ゆとり」教育の幻想
 第三章  
“朝令暮改”の文科省、
「ゆとり」から「競争原理」へ
 第四章  
ペテンの検定制度と「つくる会」の教科書
 第五章  
歴史的評価なく詭弁とすりかえ
つくる会教科書(06年)の具体的検証
 第六章  
日の丸・君が代の強制と
石原都政の悪行の数々
 第七章  
憲法改悪の“露払い”、教基法改悪策動

●1341号 2018年12月9日
【一面トップ】参院選闘争は仕切り直し――党議長林氏脳梗塞で緊急入院
【1面サブ】全国で前進する選挙闘争②愛知――応援する会のMさん奮闘
【コラム】飛耳長目
【二面〈主張〉】基礎的財政収支均衡の実現を――安倍は財政再建の公約を果たせ
【二面トップ】入管法改正の攻防――資本の勢力と安倍のさもしい根性
【二面サブ】有用労働による生産手段の――「価値移転」論について(上)

※『海つばめ』PDF版見本

参院選闘争は仕切り直し
党議長林氏脳梗塞で緊急入院く

 11月28日に予定されていた党中央による記者会見は、党議長・林が突然の病気のため出席できなくなり、よんどころなく記者会見はしばらく延期ということになりました。林氏は27日、左足に力が入らず、不調を感じ、近くの総合病院を訪れ、MRIなどの検査を受けた結果、軽い血栓性脳梗塞が見つかり、即時入院ということになったからです。

 出席されていた朝日新聞をはじめとする3社に事情を説明して、記者会見は改めて行うことで了承願いました。我が労働者党は、この記者会見をきっかけに、全国で積極的で、攻勢的な闘いに移って行くことを考えていましたので、大きく出鼻をくじかれた感はありますが、これを機会に、さらにしっかりした体制を組み、どんな形でどんな闘いを組織して行くかをさらに深く、徹底的に再検討するいい機会にして行きたいと思います。

 林氏は、19参院選を「確認団体」として闘おうと呼びかけた主唱者、また闘いのリーダーでもあり、比例区候補者でもあるので、――林氏からは候補者は辞退したいという強い要望が出されています――新しい候補の選出や、場合によっては候補者の組替え、差し替えも必要となるかも知れません。

 『海つばめ』の読者の方々にも、突然のことと思いますが、マスコミに公表したのと同じ今後の展望等について、了解していただく必要があると考え、今回、記者会見で代表委員の田口が行った報告をそのまま転載させていただきます。

・・・・・・・・・・・・

記者会見報告

 記者会見にお集まりくださりありがとうございます。まことに申し訳ないのですが、党の議長である林が来ていません。というのは、昨日、急遽入院することになりました。昨日の夕方、足がマヒして病院でMRIの検査を受けたところ軽い血栓性脳梗塞が見つかり即入院ということになったからです。左下肢筋力の低下で10日位の入院で、手術は必要でなく薬などの治療で退院ということです。しかし、脳の意識障害等は全くありません。

 突然のことで、申し訳ありませんがこのまま参院選に参加するという記者会見にはなりません。

 林は参院選を確認団体として闘うという計画の提唱者であり、またその中心としてこれまで活動してきました。今回も比例区の第2位の候補となっています。 しかし、現状では候補者として立つことが出来るのか判断はできません。そのため、私たちの選挙参加について見直しが必要となっています。

 これまでの計画のように、確認団体として闘うのか、あるいは選挙区のいくつかを闘うのか、さらには選挙を見送るのか等々、来年早々にも党大会を開いて、党全体として再検討する必要があります。私たちはこれまでも、重要なことは、党全体で討論して決めてきました。

 私たちは、今の政治状況に大きな危機感を持っています。今日も入管法の審議打ち切りが強行されたように、安倍政権は専制的傾向をますます強めています。しかし、現在の野党は安倍政権と真剣に闘おうとしていません。共産党は〝野党共闘〟でなくては安倍政権と闘えないといっていますが、16参院選、17衆院選をみてもわかるように、〝野党共闘〟路線は安倍政権を追い詰めるどころか安倍自民党の圧勝を許しています。共産党に至っては16参院選では比例区で160万票も票数を減少させています。

 こうした中で、労働者、働く者の声を結集した闘いが必要であり、私たちは労働者、働く者の怒りを結集して、安倍自民党政権と対決し、闘いの展望を切り開いていく一環として参院選挙に臨もうとしてきました。

 今の選挙制度は、大政党有利の差別的で、非民主的な制度です。供託金だけでも比例区は1人600万円、選挙区では300万円です。私たちの場合、比例区2人、選挙区8人ですから供託金だけでも3600万円もかかります。

 しかし、こうした障害を乗り越えて断固19参院選を闘おうとしてきました。比例区で2%をとれば1人当選です。たとえ一人の議員の誕生であっても労働者、働く者の闘いにとって大きな力になるし、将来の闘いの展望を切り開くことになります。

 今回のような事態になったことは残念です。とにかく今は、選挙をやるとした場合どのようにやるのか等については保留です。皆で検討し、選挙をする場合には改めて記者会見を行いますので、その時にはよろしくお願いいたします。

 まことに申し訳ありませんが、今日の記者会見は中止ということでご了承願います。

・・・・・・・・・・・・

 我々は、昨年春の党再建大会以降、参院選を最初の決戦として闘い抜くということでやって来ましたので、19参院選に議席獲得をめざして、「確認団体」として参加するという大会方針を基本的に変えることはありえないと考えますが、党の中心である林氏が病魔に倒れる事態となり、しかも林氏は候補者(比例区2位)としては辞退するという強い意思を表明していますので、今後、全党で議論・検討して代わりの候補者を選出するとか、場合によっては現在予定されている候補者の組み替えを行うとかの若干の調整もして、再び闘いを継続する等々が不可避となります。

 また、より重要な点では、19参院選をいかなる政策や政治路線で闘うのか、何を中心に訴え、労働者、働く人々の大きな支持を獲得していくのか、さらに議論を深め、党としての意思一致をはかる必要もあると思います。

 そのためには、来年早々にでも党大会を開く計画です。そして、改めて記者会見を開き、我々の公然たる登場を全国の労働者、働く人々にアッピールし、7月参院選に向けての全面的な前進と攻勢に移って行く展望です。

 林氏は12月中旬にも退院予定です。若干のつまずきがありましたが、「雨降って地固まる」「転んでもただでは起きない」という気持ちですので、読者の皆さんも我が党と共に、参院選における大きな勝利をめざして共に闘って頂きたいと希望し、またお願いする次第です。

   

【1面サブ】

全国で前進する選挙闘争②愛知

応援する会のMさん奮闘

 来年の参院選の公示は7月と報じられるなど、事前の準備期間は7か月間を切った。

 愛知選挙区における闘いは、応援する会の中心メンバーの献身的な活動と党支部による定期的な街宣活動を両輪に進めてきた。

 8月に結成した「労働者党と古川ひとしを応援する会」は10月28日に発会式に吉村比例区予定候補を迎えて、10名の参加者で元気に明るく成功裏に開催し、応援する会の活動も本格的にスタートした。

 特に中心メンバーで応援する会の会長を務めるMさんは、8月の結成当初から、

会員獲得(2名拡大)や支持者の拡大、読者拡大(2名)ビラの宅配と、連日連夜の奮闘で居住する名古屋市西部地区の団地を手始めに、名古屋全域の主要団地へのビラ宅配や戸別訪問を計画的に行っている。

 宅配中に、年配の女性から「ビラはゴミになるからいらない」と言われれば「そういわずに安倍は悪い奴でしょう」と切り返すと「そうね、安倍はよくない」と返事を返されるや「だからこのビラを読んでね」とビラを渡す。

 Mさん曰く「労働者党は知名度ゼロ」「したがってやれば知名度は上がる一方」、楽しくて仕方がないと笑顔で話す。

 最近もたまに行く中華料理屋の店主と交渉し、店内での閲覧と販売用に『海つばめ』を置いてくれることになり、行きつけの居酒屋の常連客からカンパとして商品券や一円玉や五円玉のぎっしり入ったビニール袋をもらうなど、幅広い活動をおこなっている。まさに「Mさんの前に道はなくMさんの後に道が出来る」だ。

 Mさんが配布したビラの総枚数は、10月中旬から11月迄で約1・5万枚を超えた。

 これまでビラ配布に重点においていたが、友人知人への働きかけもやっていくことにしている。

 Mさんのビラ配布ペースが驚異的な為に、プリンターの印刷能力が追い付かず、能力の高いビジネスモデルを新たに導入した。

 A3対応でカラー印刷可能な機種で、3号まで発行している応援する会会報や個人パンフも内製可能となり、ビラも黒一色からより目立つビラを作成することが出来る。

 活動のもう一つの柱である街頭宣伝は、名古屋の中心ターミナルと豊橋駅ターミナルで継続的に行っている。

 古川予定候補の演説も当初から比べると改善されてきたが、まだ波がある。

 演説向けに、新聞の切り抜きやネットを活用した資料を参考にA6サイズのリング式のノートに演説の要点をメモし張り付けるなどの準備もしているが、まだ引き出しが足りない。

 演説の都度立ち止まって聞く人もちらほら出てきたが、まだ少ない。

 街宣の欠陥は、平日の朝や夕方の通勤時間帯ではない休日にも関わらず、通行人を立ち止まらせるための工夫が足りないという事、例えば「これから、日韓両国で対立する徴用工の問題について労働者党の見解を述べたいと思います」等、これから弁士は何を話すのかを明らかにしてから演説を開始するなどの工夫が必要。

 克服すべき点は多々あるとはいえ、街宣で我々の訴えを聞いていた労働者が、ビラ配布中の党員に話しかけてきて連絡先を伝えてから数週間後に、連絡があり話し合いを持つことが出来きた。

 本人は40歳代の介護福祉関係の仕事に従事する労働者で、ある宗教団体に関係しているが、我々に対しても関心があり、個人パンフや『海つばめ』を渡し、学習会への参加を約束(当日は仕事が入り欠席、日曜休みではない職場)してくれるなど街宣活動の成果も出てきた。

 他にも、記者会見に向けた事前の準備と海つばめの記者クラブへの発送開始。選挙人名簿閲覧手続きの確認などの実務面での準備を進めている。10月に作成した参院選フェーズ表の詳細版を現在作成中である。


【飛耳長目】

★安倍政権は、同一労働同一賃金法についての基本的観念を明らかにした★一言でいって交通費等々の枝葉の部分では正規、非正規の差別をなくすと大げさに言いはやしながら、給料の本体部分についてはあれこれの理屈を並べ立て、結局はこれまでの賃金差別の温存を狙っている。2年前の秋には、「日本から非正規労働という言葉を一掃する、差別を無くす」と叫んだのに、である★長時間労働やブラック労働に象徴される搾取労働も無くすといいながら、形だけのわずかな改良法でお茶をにごしたのと同様なごまかしであって、資本の勢力と安倍政権は現在の差別労働、搾取労働の根底を守ろうと結束する★我々は昨年秋の総選挙で1選挙区の闘いではあったが、選挙公報の冒頭でも差別労働、搾取労働の一掃を掲げて闘い抜いたが(神奈川闘争報告本17頁参照)、19参院選では今度は全国的な規模で、再び同じスローガンを高く掲げて闘い抜くべきと考える★来年の参院選は、全国の労働者に直接訴える絶好の機会であり、公然と訴えるにどんな障害もない。また、神奈川選挙では直接の相手は真の悪党の安倍ではなく、茶坊主の小泉進次郎だったが、今度は正に安倍こそが正真正銘の敵である。闘う上で何の遠慮も配慮も必要ない。思いっきりやれるし、やるだけである★全国の多くの労働者の大きな怒りを結集し、その先頭に立って闘い抜こう。(鵬)

   

【主張】

基礎的財政収支均衡の実現を
安倍は財政再建の公約を果たせ

 任期中に国民の記憶に残る政治的レガシー(遺産)を求める安倍に恰好の機会が訪れている。1千兆円にも達した、手を付けるのも困難に見える財政崩壊の現状を魔法のように解決する方法である。

 それには二つのことをする必要がある。一つは1千兆円の借金を無くすことである。もう一つはすでに公約している基礎的財政収支の黒字化を断固達成することである。

 先の一つは、かなり容易であるかに見える。というのは、1千兆円にも達する国債は、既にその4割を日銀が買い集めることによって事実上償却しているからだ。

 黒田日銀は、この数年間、年々80兆円もの国債を、日銀券を刷りまくることによって、それと引き換えに、いわばタダで日銀の倉庫に積み上がる紙の堆積に変えてしまった。

 黒田日銀が頑張って、あと数年も国債を買い占め続ければ、遠からず国債は市場から姿を消す。国=政府は、市場――国債を所有する金融機関や富裕層やエリート層――から国債の利子や償還を迫られる恐れは一切なくなる。国家機関の日銀が、国債をどんなに持っていても、利子や償還を政府に迫ることはない。

 国債を買うために日銀が支払った数百兆円のカネや、これから国債を全部買い占めるために支払うかもしれない数百兆円のカネが、経済と国民にどんないたずら――いたずらどころか〝超〟インフレなどの大きな悪事――を働くかは、今は明言しえないとしても、とにかく安倍は国債を黒田と協力して買い占めることによって、事実上、国家の債務をたちまち一掃するという大きな仕事を成し得るのだ。

 やり方は、詐欺と等しいペテン師的やり方という、安倍に相応しいものであるにしても、である。

 あとは安倍が2017年に自ら公約した基礎的財政収支の黒字化を頑張って達成することだけである。安倍がこの公約を果たさなければ、またゾロ国家の借金はどんどん増え続けることになり、元の木阿弥で、国の借金は膨れ上がり始めるだけである。

 日銀はまたせっせと国債を買い続けるしかないが、そんなことになれば、国家破産と経済崩壊と働く人々の生活破綻である、つまり国家の瓦解である。

 安倍は、2017年に20年までに達成すると公約した基礎的収支の黒字化を、たちまち今年、何と27年までに7年も先伸ばししてしまった。

 安倍がもし本気で基礎的財政収支の黒字化を達成するなら、どんな増税も借金の必要性もなく――というのは国家はもはや借金の返済も利子の支払いも迫られないから――、国家経済を運営できるということで、ひょっとして平成の名君と謳われるかもしれない。つまらない意味不明の改憲などに執着しないで、なぜそうしようとしないのか。

 基礎的財政収支の黒字化は、丁度現在のギリシャがそうであるように、一面では厳しい〝緊縮〟財政をやるということである。借金財政は止めるということだから、膨張する社会保障費のためには支出の縮小か、増税が避けられない。

 我々はその負担を主として労働者に転嫁することは許されないと考える、というのは国家財政の赤字を、1965年から始めて1千兆円もの巨額なものに積み上げた責任はあげて、腐敗し頽廃を深めて来た資本の階級と、支配政党である自民党にこそあるからである。

 もし、諸君が負担を労働者に転嫁しようとするなら、彼らが決して黙っていないと、予め警告しておく。


入管法改正の攻防
資本の勢力と安倍のさもしい根性

 国会閉幕を10日に控え、入管法改正が大詰めを迎えている。政府は、来年の地方選や参院選を前にブルジョアの要望に応えるべく、法案をごり押ししてきた。この問題の本質は、現代の「徴用工」制度――「途上国への技術移転」の名目の下に外国人労働者を低賃金・長時間・無権利の状態で酷使してきた「外国人技能実習生」制度――を継続しつつさらに単純労働者を大量に受け入れようとするものである。

 

 「特定技能1号」とは、この「技能実習生」制度の上に接ぎ木される、というか、5年の期間を終えた「技能実習生」をさらに5年間雇用できるようにし、それでも足りない分は数万、数十万人と〝導入〟できるようにしようというのだ。

 「特定技能2号」に移行できれば、家族も帯同でき、無期限で働くことができるというが、安倍は「そのハードルはかなり高い」と国会答弁している。これは、2号への移行は事実上不可能だということだ。安倍は、「移民制度」導入ではないかという党内保守反動派――安倍の支持基盤――の〝懸念〟を打ち消そうと躍起なのだが、これはつまり、「移民」と規定すれば、日本人として同等の権利を与えなければならなくなるからである。安倍は外国人労働者は〝出稼ぎ〟労働者として酷使されることを甘受せよとご託宣をたれるのである。

 ブルジョア連中は、人手不足で、このままではやっていけない、きつい仕事を日本人がやりたがらないから外国人を導入するしかないとわめいているが、きつい仕事なのに低賃金・長時間労働を押しつけているから、日本の若者も敬遠しているのだということを都合良く忘れている。原因と結果を取り違えていることに気づかないか、気づかないふりをしているのだ。

 野党やメディアは今頃になって、「技能実習生」の実態はひどいと金切り声を上げている。最低賃金を下回る事業所が7割弱だ、「失踪」が7000人を超えた、無権利だ等々。

 しかし、こんなことはとっくの昔に分かっていたことではないのか。

 例えば、①岐阜の縫製会社で働いていたカンボジア人実習生の場合――毎日午前8時から午後11時頃まで縫製作業/休日が月1回、土日を含めて連続勤務/賃金は月額1万5000円~2万7000円/健康保険料は毎月天引きされていたのに、会社が納付していないので無保険――この状態で約8ヵ月働いたが、耐えられず「失踪」。

 ②建設会社で働いていたカンボジア人実習生の場合――日本人従業員に叩く、殴る、蹴るの暴行を日常的に加えられ、「国に帰れ」と罵られ、退職。

 これらはほんの一例である(支援にあたっている弁護士の報告から)。まさに、『資本論』に出て来る工場法成立以前のイギリス――無制限の搾取がまかり通った――と同じではないか。2012年に2005人だった失踪者が昨年7089人に達した(今年は1万人に上る勢い)のも、むべなるかなである。

 「実習生」は、特定の事業主に雇用され、仕事や雇用主を――従ってまた居住地を――変えることが出来ない。最大で5年間、特定の雇用主に縛り付けられるのである。

 しかし、職業選択の自由も移動の自由もなく、一日の大半を苦汗労働に縛り付けられている「実習生」は〝本来の〟労働者とすら言えない。労働者は、自分の所有する労働力の所有者であり、その限りは――形式的には――商品所有者として資本家と対等である(もちろん、ひとたび雇用されれば、資本家の賃金奴隷に転じるのであるが)。マルクスは「労働者が労働力をひとまとめにして全部一度に売り払うならば、彼は自分自身を売るのであり、自由人から奴隷に、商品所有者から商品に転じる」(『資本論』)と述べているが、「実習生」はそれに近い状態に置かれているのであり、我々が半奴隷というゆえんである。そして奴隷所有者が奴隷をモノとして酷使したように、雇用主も「実習生」を事実上〟商品〟として買ったのだから、どう使おうと勝手だというわけだ。

 「技能実習生」制度なるものを即時廃止し、事業主には日本人と同じ条件で雇用契約を締結させるべきである。

 入管法改正などはその後の話であろう。安倍政権のやっていることは、世界中で日本(人)嫌いを増やすことだ――介護現場で働くベトナム人女性が「日本に来るまでは日本が大好きだったが、日本に来てからは日本が嫌いになった」と語ったのを想起せよ――、つまりは〝国益〟に反する悪事を働いているのが安倍政権なのだ。

(鈴木研一)

   

【二面サブ】

不毛な論争に終止符を打つべき
有用労働による生産手段の「価値移転」論について(上)

 選挙戦たけなわな折、純粋に理論的問題で2号(もしくは3号)にわたって我が党内で5年、10年にもわたって論争して来た「価値移転論」に、一応の決着をつけるための小論を掲載するのにためらいもありますが、こうした論争にケリをつけること自体の重要性もあり、あえて労働者党のブログから転載させて戴きます。

 選挙闘争前に、この理論問題での対立を理由に、またこの問題で解決すれば党に戻るとも言って党をやめた人もおり、そうした人々の党への復帰を呼びかける意味もあります、もっとも正しくは、こうした理論問題は棚上げして今は選挙闘争を共に全力を挙げることこそが重要だとは思いますが。それはともかく、論文は、商品生産と資本主義的生産の本質的内容を理解する上で、極めて重要であり、それ自体の内容において検討し、評価していただきたいと思います。

 我々の党にとって「価値移転」論はすでに2、30年ほども執拗に続いている、一つの論争問題、今なお最終的に、したがってまた組織的に解決しない係争問題である。この問題で、代表委員会が価値移転論に反対の立場を堅持したことに反発し、大谷派もしくは共産党に接近したり、党から離れたりした人々も少なからずいたほどである。

 論争の根柢は、資本の運動の中で、生産手段の価値が生産過程の中で、生産された商品の価値に移り、再現するという現象に依拠した見解であり、しかもマルクス自身もその「移動」を明言しているということもあって、この理論はスターリン主義の全時代を通してマルクス主義経済学の当然の〝公式〟=ドグマとして承認され、百年にもわたって牢固たる真実として受け入れられ、通用してきた。

「価値移転」論は、そもそもマルクス主義の価値概念に最初から、根底から矛盾している

 いくらかでも真剣に反省してみると、商品価値の「有用労働による価値移転」という観念は、商品とは価値でもあり、使用価値でもあるという商品の概念に抵触する、根本問題を含んでおり、そうした無反省なスターリン主義〝経済学〟に対する反発と批判は、現実的に、そして歴史的に一つの必然でもあった。

 我々はここでは問題の本質的な点について、ごく簡単に論ずるに留めたいと思う。

 私が主張したい論拠の核心は、マルクスの価値論は基本的に「単純商品」の概念として与えられており、その規定が資本主義的に生産された商品(商品資本)に適用されず、労働価値説に矛盾する概念規定が与えられていいのか、ということである。

 もちろん資本主義的商品が、その価値(の実体)が、その商品を生産されるために支出された、現実の生きた(抽象的な)人間労働でなく、生きた労働とともに、「過去の労働」――生産手段=生産財(資本価値)のために支出された「過去の労働」――でもあるというなら、労働価値説は根底から否定され、崩壊するし、するしかない。というのは一定の期間――例えば1年――の総労働時間の結果ではなくて――、使用価値としては、その結果であるとしても――、「価値」としては、つまり抽象的労働としては、つまりその年々に支出された価値形成的労働の結果ではないという背理に行きつくしかないからである。

 この場合、有用労働は二重の働きをすると説明される。つまり新しい使用価値を生産するとともに、新しい「生きた労働」――消費財を生産する労働――に加えて、「過去の労働」も新商品に移転し、かくして全体として新商品の価値を形成するというのである。

 1年間に支出される総労働は、その年の使用価値の全体を生産するが、価値形成的労働としては、つまり「生きた労働」として消費財を生産する労働の価値だけである。原材料や機械などの生産財の価値は使用価値を生産する有用労働のもう一つの機能によって、過去の生産手段(つまり資本価値)から「移転」されてくるからである。

 年間の総商品資本を生み出すべき労働は、使用価値の総体は生み出すが、価値としてはただ消費財だけの「価値」を形成するだけだというのである。というのはその価値は年々の労働の結果ではなく、単に資本価値(「過去の労働」)の「移転」されてきたものだからというからである。

 おそるべきドグマであり、こうした見解が百年にもわたってスターリン主義〝経済学〟として、「科学」としてもてはやされ、そんな空文句が珍重されてきたことは、スターリン主義とは何であったかを示唆して余りある。

冒頭の単純商品と資本論第二編の(総)商品資本

 資本論冒頭の単純商品に規定されている素朴な労働価値説を、資本家的商品に適用するのは間違いなのか。当然に、価値移転論者はみな無理であると口をそろえるだろう。(林紘義)

〔次号に続く〕

   

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