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労働の解放をめざす労働者党機関紙『海つばめ』

◆隔週日曜日発行/A3版2ページ
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郵政民営化の中で何が起きているのか?
郵政労働者は告発する!

■民営化の嵐の中で最大の御用組合の登場――JPU臨時全国大会議案批判
■郵政民営化――今、職場では/郵政現場からの報告
■恐竜化か、リリパット化か――郵政民営化のジレンマ
■西川善文著『挑戦――日本郵政が目指すもの』/民営化に賭けるトップの本音


憲法改悪と
いかに闘うか?


■改憲に執念燃やす安倍――「国民の自主憲法」幻想を打ち破れ
■労働者は改憲策動といかに闘うか
■国民投票法をどう考えるか
■安倍の「美しい国」幻想――憲法改定にかける野望


本書は何よりも論戦の書であり、その刊行は日和見主義との闘いの一環である。
マルクスが『資本論』で書いていることの本当の意味と内容を知り、その理解を深めるうえでも、さらに『資本論』の解釈をめぐるいくつかの係争問題を解決するうえでも助けとなるだろう。


全国社研社刊、B6判271頁
定価2千円+税・送料290円
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「不破哲三の“唯物史観”と『資本論』曲解』(林 紘義著)」紹介(『海つばめ』第1048号)


全国社研社刊、B6判384頁
定価2千円+税・送料290円
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「天皇制を根底的に論じる『女帝もいらない 天皇制の廃絶を』(林 紘義著)」(『海つばめ』第989号)他

理論誌『プロメテウス』第54号
2010年10月(定価800円)

《特集》菅民主党のイデオロギーと“体質”
・神野直彦の思想と理論――菅直人のブレインは「曲学阿世の徒」
・原則なき寄せ集め政党――顕現するブルジョア的“体質”
反動的な「文化」の擁護に帰着――レヴィ=ストロースの「文化相対主義」批判


 
 
 教育のこれから
   「ゆとり」から「競争」
   そして「愛国教育」で
   いいのか
 林紘義 著 7月1日発売

  (全国社研社刊、定価2千円+税)
  お申し込みは、全国社研社
  または各支部・会員まで。
  メールでの申し込みも可能です。

まかり通る「偏向教育」、「つくる会」の策動、教育基本法改悪の動きの中で、“教育”とは何であり、いかに行われるべきかを、問いかける。  


 第一章  
教育基本法改悪案の出発点、
森の「教育改革策動」
 第二章  
破綻する「ゆとり」教育の幻想
 第三章  
“朝令暮改”の文科省、
「ゆとり」から「競争原理」へ
 第四章  
ペテンの検定制度と「つくる会」の教科書
 第五章  
歴史的評価なく詭弁とすりかえ
つくる会教科書(06年)の具体的検証
 第六章  
日の丸・君が代の強制と
石原都政の悪行の数々
 第七章  
憲法改悪の“露払い”、教基法改悪策動

●1352号 2019年5月19日
【一面トップ】世界は危機の時代に――経済的合理性からファシズム的狂騒へ
【コラム】飛耳長目
【二面〈主張〉】沖縄と日本の全体――沖縄の働く皆さんへのアピール
【二面トップ】実態は旧態依然――新たな装い凝らす新野党共闘
【二面囲み】同級生からうれしい葉書

(注)今号の【主張】と【コラム】の原稿は、紙面の都合で一部削除されています。全文は労働者党のホームページの巻頭言やブログに掲載されています。参照して下さい。(編集担当者)

※『海つばめ』PDF版見本

【1面トップ】

世界は危機の時代に
経済的合理性からファシズム的狂騒へ

 安倍政権が誕生した2012年の暮れ頃から始まった、「景気回復」が、今年の3月には、内閣府の景気判断によれば「悪化」に転じたとブルジョアや政府は大騒ぎをし始めた。政府はもし深刻な経済状況を認めたら、〝景気マインド〟が一転し、景気の悪化に拍車がかかると、景気の悪化を極めて軽微なもの、実際にはすぐに反転するもので何の心配もないかの印象を口にするが、しかし実際には、米中の〝経済戦争〟はますます激しくなるばかり、そして世界中の信用は膨張しきり、財政も借金の重荷で日本を先頭に崩壊寸前の国家もいくらでもあり、今や世界は、経済を劇的な破綻や、泥沼の方向に押しやるような契機に満ち満ちている。

破綻暴露し始めたアベノミクス

 安倍政権や日銀は、今年の後半からは世界景気も回復に向かい始めると根拠のない楽観論を振りまきながらも警戒心を強め、菅は「状況に応じて、経済政策について様々な判断をするのは当然のことだ」等々語り始めている。

 安倍政権は成立した瞬間から「デフレ(マインド)からの脱却」を掲げ、金融の〝異次元の〟大緩和を謳い、日銀を通して国債を買いまくり、膨大なカネを経済と流通に注入し続け、あるいはゼロ金利政策に没入し、2%の物価上昇実現に狂奔してきたが、安倍政権の発足とともに「景気回復」が始まり、長く継続し、そして今悪化に転じたというなら、この6年、7年のアベノミスクとは一体何であり、何のために行われてきたというのか。

 ただ株価を維持し、引き上げるためという点を除いて、それ以外には、何の意味も意義もない――むしろ悪影響や反作用ばかりが積もり、累積してくるような――、ただカネをバラまき、安倍政権を維持し、継続することだけが自己目的でしかないような空虚で、愚劣な政策だったということか。

 お気の毒なことに、代替わりしてからは株価は低迷するばかり、日本経済の衰退や低迷や寄生性――そして与野党含めた政治の底知れない頽廃と悪臭芬々たる腐敗――ばかりが目立つような報道ばかりが続いている。

 そもそも「景気は回復基調にある」とか「すでにデフレではない」とか言い続けながら、制限のない金融緩和・財政借金膨張政策=バラまき政策を6年も7年も続け、水膨れ金融や財政や経済をもたらし、過剰生産や過剰信用によってのみ辛うじて存続し得るような頽廃し、ゆがんだ社会を作ってきたのだから、いったん逆行が始まったら、その落ち込んでいく底はより深く、そこから脱却手段もすでになく、危機がより深刻で、慢性的なものになるのは一つの必然である。

 日本を先頭に、世界中のブルジョア国家はすでにそんな危険な水域に入り込んでいないのか。 

世界経済は危険な水域に

 しかも世界中の国家は超大国の米中を先頭に、政権の維持と自国ファーストの政治に明け暮れ、世界経済も世界政治も、国際協調ならぬ保護主義や対立、混とんと分裂の中に漂流するだけで、1930年代と同様に、どこに行きつくかも定かではない。まさに危機の時代そのものである。

 30年代、アメリカとイギリスを中心に主要国が――アジアの一角に新興の帝国主義国家として台頭した日本も含めて――お互いに高関税をかけあい、為替ダンピング競争にふけったのと同様な、危険な時代が再現しつつある。

 世界の労働者はそんな時代が、第二次世界大戦にまでなだれ込んでいった経験を思い出すべき時である。

 トランプのアメリカも習の中国も関税引き上げ競争に走って、お互いに自国の困難を他国に転嫁しようとしても無意味なこと、双方にとって損失となること、関税引き上げの打撃は報復措置として自国に返ってくること、など知らないはずはないのだが、彼らはそれを止めることができないのである。

 というのはトランプや習らの目的が自分の利益であり、自分の政権の、権力支配の延命や継続であって、労働者・働く者の利益や生活ではないからである。

 米中の高関税によって米中はそれぞれの輸出を減らすだけでなく、お互いに相手国の商品を買わなくなるだろうから、米中間の貿易額は減り、その分米中以外の国の貿易は増えるだろう。 しかし米中の経済はその分損失をこうむり、衰退するだろう。

 トランプは中国の報復関税で損失を被っている農家などに巨額の支援策を行い、その費用は高関税による収入を充てるというが、アメリカの国民は、高関税による上昇した価格によって損失を受けるのである。

 トランプは「貿易赤字」は悪であると理解し、その増大は外国がアメリカを搾取していることだと思いこむのだから、まるでばかげていることに気が付かないのである。貿易自体は、本質的に国際的な場面での等価交換であって、片方が商品を手放し、他方が貨幣を手放すだけであって、そこに損得が生じないのは、通常の国内の商品交換の場合と同じである。

 それにもしアメリカの貿易収支が赤字でも、経常収支の全体が黒字なら――つまりこれはアメリカが〝所得収支〟で大いに稼ぎ、貿易収支の赤字をカバーして余りあるということである――、別に貿易収支の赤字は単なる「悪」ではなく、アメリカの豊かさの証拠であり、膨大な資本を外国に投資して大いに儲けているということでしかない。

 さらにまた、仮に米国が恒常的な貿易赤字を出しながら、何とか国家として持ちこたえることができるとするなら――第二次世界大戦後、かなり恒常的に、アメリカはそうすることができ、またそうしてきたのだが――、それはアメリカの通貨のドルが〝国際通貨〟として通用したからであって、アメリカはドルを垂れ流して世界から商品を買いあさり、他方ではドルの〝価値〟を継続的に低下させることによって、事実上世界を収奪して来れたからであって、アメリカの貿易赤字はトランプの理解とは反対に、アメリカが世界から収奪された証(あかし)ではなく、反対にアメリカがドル特権の上に立って、世界を収奪し、豊かなアメリカを享受してきた証なのである。

 ずうずうしいトランプは米国の世界収奪の証である、膨大なアメリカの貿易赤字を外国のアメリカに対する収奪であり、アメリカの労働者の職を奪ったとデマるのだが、実際にはそれはアメリカの商品の価値が他国の商品より高価になり、資本の国際競争戦で敗北したからに過ぎず、資本主義の国際競争の貫徹の、つまりグローバリズムの結果であり、経済的、ブルジョア的合理性の貫徹の結果に過ぎない。

 トランプも安倍も習もみな保護主義によってブルジョア的な経済合理性に反して、自国産業や企業や労働者の職を防衛し、守ろうとするのだが、それはただ政治経済を混とんとした、非合理的な体制に、軍国主義強国に、ファシズム体制に転換することによってのみ可能となるのである。

 今や主要国の政治は――否、むしろ全世界的な規模で――専制主義と軍国主義にますます傾き、ファシズムの時代の再来さえ予感させる、不気味で野蛮で、非合理主義の保守反動の雰囲気がただよい、そんな方向に向けての策動が強まっている。

 もちろんこうした対立は、中国やロシアや北朝鮮の〝国家資本主義〟体制と、米英や日本などの〝自由〟資本主義体制の対峙と抗争といった、紋切り型の図式で理解されるべきものではなくて、資本の支配に内在的な矛盾と、その帝国主義的膨張への指向として、したがってまた両体制に共通する矛盾として理解され、受け取られるべきである。  

 労働者の国際主義的立場に立脚した、世界共通の階級的な闘いによって止揚され、克服されるべき矛盾として、困難として本質的にとらえ返されなくてはならない。

危機対応能力も既に蕩尽し

 日本に典型的であるが、今や世界中のブルジョア国家は、迫り来る経済危機と破綻に対して、それと有効に闘い得る手段をすでに使い尽くしていて、まともに対処し、対応する力も方法も持ち合わせていないかである。

 金融政策は本格的な危機がくる前に、デフレ脱却だとか、2%の物価上昇の実現だとかいった、訳の分からない目的のために、すでに使い古されてしまっていて、国債の大量買いあさりによる〝金融緩和〟など行う余地は全くない。日銀は今や年々株を6兆円も買い占めるという、邪道の経済政策の中でも最も邪道な道にはまり込み、深入りしている。

 財政の出動だといっても、1千兆円をこえる借金を抱え込み、金融以上に危機的で、機能マヒの状況にあり、わずかな経済危機にも無能、無力をかこつ以外ないような――それ以上に、むしろ近づきつつある危機暴発の震源地となり、経済崩壊と労働者・働く者の生活破綻の原因となりかねない――危険で、要注意の存在でしかない。

 今や世界の経済が、日本の経済が「景気回復」の長い時期を終え、その裏返しの、「景気後退」の時期――資本にとっては不可避の時代――に移り、突入しようとしている。

 これまですべてがプラスの方向に、いい方向に作用した、一時の政治経済的な政策や試みが、今や正反対に回り始めるのであり、始めたのである。金融緩和や財政膨張の政策は、これまで経済や生活の好転や向上のためになっただけ、今後はそれらは経済や生活のますます悪化していく原因として現れるのであり、現れざるを得ないのである。

 例えば労働者・働く者の生活のために膨張させられる財政は、ただ激しいインフレを加速させるしかなく、労働者・働く者の生活を追い詰め、破滅させるものとして現れる、等々である。

 安倍政権は景気回復時に、政権の安定と維持のために、デフレ脱却などという仮想の危機や困難の克服を謳い、カネをバラまくだけの政治にふけり、実際には日本国家の信用と経済と生産を頽廃させ、腐らせ、崩壊させてきた張本人として告発され、アベノミスクという虚偽の政治が、その破綻が全面的に明らかになり、暴露される時がついてやってきたのである。

   

【飛耳長目】

★大阪府の「百舌鳥(もず)・古市古墳群」が、ユネスコの世界文化遺産に登録される「見通し」になった。安倍政権が必死で工作してきたことであって、安倍政権の浮上にとって大きな点稼ぎの一つである。世界的な文化遺産として評価されることに異議があるわけではないが、しかしあれこれの違和感があることは確かである。エジプトのピラミットや中国始皇帝の兵馬俑坑の大きさに匹敵する巨大な遺産で、日本の歴史のすばらしさや偉大さを証明するものであるかに称揚されているが、世界の多くの古代王朝の歴史的意義や特性を離れて偉大であるとか、〝日本民族〟の優秀性、優越性の証拠であるかに言いやしても無意味である★古代天皇陵はせいぜい千数百年前のものだが、始皇帝陵はそれから700年ほども遡り、ピラミッドは天皇陵よりも3千年も昔のものであって、何のために建造されたかもまだ結論が出ていない★主要な天皇陵は、今も基本的に天皇家の私有物扱いであり、学者が研究しようとしても触れることのできないタブーである。とするなら、そんなものがなぜ〝文化遺産〟か、文化的な遺産として評価されるのか。される前に、せめて国有化され、真実の〝文化遺産〟として大切に保存され、日本の真実の古代史を明らかにするために、慎重な研究のために利用され、そのためにあらゆる便宜が与えられてこそ文化遺産の名に値する(鵬)

   

【主張】

沖縄と日本の全体
沖縄の働く皆さんへのアピール

 朝日新聞は社説で、「沖縄復帰47年」という見出しの小論文を掲げ、次のような主張を展開しています。

 「沖縄が日本に復帰して、今日で45年になる。だが、本当に『復帰した』といえるのか。沖縄の現実はそんな問いを突き付ける。憲法のかかげる平和主義、基本的人権の尊重、地方自治の保障、そうした理念や原則から、今なお取り残されているのが実態ではないのか」

 朝日新聞は一体何を言いたいのでしょうか。沖縄には今や憲法の掲げる良き理念や、平和主義や基本的人権がないと嘆くが、しかしそれは安倍政権下の日本全体に言えることであって、別に沖縄に限ってのことではありません。憲法ボケ、平和主義ボケのマスコミは、日本の歴史的現段階を何も理解していません。

 彼らは沖縄と日本全体の苦痛や苦悩を別物扱いするが、それは全く正しくなく、大資本の支配と搾取体制、そして安倍政権下の平和主義の消失や専制主義の台頭は沖縄のものであると共に、既に日本の労働者・働く者全体にとっての現実です。

 米国の基地が問題だと共産党等が金切り声をあげていますが、今や自衛隊の新基地が「離島防衛」などの口実の下に、沖縄の多くの島々に次々と建設されています。

 現実を憲法の条文によって解釈し、理解する観念論者の共産党や、共産党と同様の観念的リベラルは、そんな転倒した立場から、今や沖縄の現実はますます日本全体の現実であり、日本全体の現実はますます沖縄の現実になっているのを見ないのであり、従ってまた沖縄問題の解決の本当の道を指し示すことができないのだが、それも、日本全体の解決の道を指し示すことができないのと同様です。

 安倍政権の下、資本のグローバルの展開と、それによる労働者・働く者に対する搾取と収奪や、軍国主義的圧政のもとへの包摂は、沖縄のものであると共に、またすでに日本全体の現実になって来ています。

 そして今日、ますます同質のものとなる沖縄と日本全体の労働者・働く者の闘いとは、外国の資本主義の浸透や、外国の帝国主義的攻撃――その多くは現実のものというより、北朝鮮の〝恐怖〟といったものなどを思い出せば了解できるように、空想的なものなのですが――に反撃する闘い等々ではなく、ますます外国の労働者・働く者を搾取し、抑圧する資本に転化し、自国ファーストに傾斜していく自国の大資本とその権力に反対する、一貫した階級的な闘いです。

 アメリカだけでなく、新しく中国などの超大国の帝国主義の危険な台頭もあり、世界の労働者がそれに大きな、正しい警戒心と認識を持つことは重要であり、必要ですが、ただいたずらに恐怖心を持ったり、振りまくことは禁物であり、有害です。

 朝日は、「沖縄への無関心、不作為は、この国に何をもたらすのか」と問うています。

 彼らは、ただ沖縄に「関心を持ち、何事かをなせ、行動せよ」というのですが、結局は具体的なことは何も言うことができず、無力な願望や、もっともらしい冗語をつぶやくだけで終わりです。

 しかし我々労働者党は違うのです。 

 我々は日本の労働者・働く者の全体に、従ってまた沖縄の労働者・働く者に力強く、大資本とその政府に、従ってまた安倍政権に反対する闘いに、軍国主義と専制政治を企む、安倍政権を打倒する闘いに、共に立ち上がろうと力強く呼びかけます。

 全国の労働者・働く者の皆さん、沖縄の労働者・働く者のみなさん、共に立ち上がり、参院選闘争に勝利しようではありませんか。

 10名の労働者党の候補者を国会へ!


【2面トップ】

実態は旧態依然
   

新たな装い凝らす新野党共闘

 行き詰っていた野党共闘への策動が活発になり、動き始めた。安倍政権の側から衆参同時選挙という揺さぶりがあり、あり得ないことではないという恐怖が野党を襲ったからである。難航していた国・民と小沢自由党の合流がたちまち実現し、立・民の枝野も、支持率3%といった恐怖の新聞記事が出たこともあって、たちまち「数合わせには組しない」という自分の持論もしくは大層な〝信念〟もあっさり捨て去り、野党共闘路線に舵を切り、2、3議席の積み増しという矮小路線に転換してしまった。

展望無き野党共闘

 もちろん愚物の志位に異論があろうはずもない。

 しかしだからといって、野党共闘が手っ取り早く成立し、参院選や同時選挙で威力を発揮し、安倍政権を力強く圧倒できるかというと、そんな保証は全くない。

 というのは、野党共闘に結集するメンバーを見ると、2017年の総選挙であんなにも見事に完敗劇を演じてくれたときと全く同じ役者連中――当時の民進党の右派の連中(現、国・民)とえせリベラル派(現、立・民)、共産党、それに社民党といったお馴染みの顔――が並んでいるだけだからである。

 野党共闘に同席する現在の国・民は、17総選挙では民主党を割ってまでして保守の小池新党に走り、結果として野党共闘を崩壊に追いやり、追い詰められていた安倍に勝利の高笑いをプレゼントし、後に共産党の志位や小池らによって「裏切者」と激しく断罪された連中、最近の国会でも安倍政権となれあい、じゃれあってきたような連中である。

 そんな連中が4月22日、仲良く集まって、何と2015年秋に成立した集団自衛権の行使を容認した「安全保障関連法」(共産党などの言う、いわゆる「戦争法」)を廃案にする2法案を参院に共同提案して、参院選に向けて野党共闘のデモンストレーションに打って出た。

 党内に、戦争法に賛成する党員をいくらでも抱える国・民がそんなことをして大丈夫か、共産党は17年の「裏切り」の再現の心配しなくていいのかと気になるのだが、志位はいそいそと26日、枝野との二者会談に臨み、野党連携を謳い、赤旗によれば、「4つの提案」をしたということである。

志位の4提案

 その4つの提案とは、①野党共闘においては、「お互いに譲るべきは譲り、一方的な対応はしない」、②一本化したら、3年前の香川の例のように共産党の闘いに対してサボタージュするのではなく、「みんなで応援する」、③「共通政策を作ること」、そして最後に④「政権問題での前向きの合意」を目指すこと、云々といったものであった。

 志位がこうした提案に、どれくらいの成算があって持ち出したかは知らないが、ほとんど合意に至りそうもない――もちろん内容にもよるが――というしかない。

 ①の「譲るべきは譲る」ということについていえば、17総選挙で、共産党が全面的に立・民に「一方的に譲った」のは立・民のせいではなく、ただ共産党の都合でそうしなくてはならなくなったからにすぎない。

 志位が予定した共産党と民進党との全面的な野党共闘が何の実現の展望のないままきて、ギリギリの段階で、民進党代表の前原は選挙直前に民進党を分裂させて共産党とではなく、保守新党の小池と結び、小池と「共闘」して安倍政権にとって代わるという野望に走ったが、そのために野党共闘はもろくも崩壊してしまった。

 かくして志位は、自らが提起し、実践してきた方針が余りに見事に破綻し、その失敗が明らかになって、その破産を何とがごまかし、大あわてで取り繕う必要が生じたのだが、そのために、ひたすら立・民に「一方的に譲り」、一方的に取り入って(共産党の候補をみな降ろして)、共産党と社民党と立憲民主党と3党による、えせ縮小野党共闘をでっちあげようとしたに過ぎない。

 だから、今回共産党が譲るといっても立・民が譲るといったことになるはずもない。枝野は、先の総選挙で一方的に譲ってもらったのを少しも感謝しないし、する必要を感じておらず、そのためにこれから譲歩しなくてはならないなどと思っていないのである。

 むしろあわよくばうまく立ち回って、再び共産党の「一方的な譲歩を」期待しているのである。

 16参院選では30余の一人区のうち、大いに譲って共産党はたった一つの選挙区の香川でのみ、自党の候補者で闘うことができたが、しかし香川の民進党支持基盤の連合は共産党候補に不満で、応援活動をサボタージュしたが、志位は今後はそんなことが決してあってはならないというのであるが、香川の労働者が自分たちが支持も信頼もしていない――できない――共産党のために、何で活動しなくてはならないのかと思ったとしてもやむを得ず、そうした労働者たちに、いかにして共産党候補のために活動せよと強要できるであろうか。

 仮に労働組合幹部が、共産党支持を指令したとしても、個々の労働者の意思までも縛り得ないとしたら、共産党はどんな文句も言い得ないのである。

 自らの政策と努力で労働者の支持を得るのではなく、取引で票を増やし、議席を勝ち取ろうと考えるとしたら、それはただ共産党の政治的、実践的な頽廃がどんなに深いかを暴露するだけである。

政策協定や政府構想は鬼門

 「共通政策」を作るにしても、それはただ一番遅れた、一番日和見主義的部分や党派の「政策」や路線を採用するしかなく――というのは、そうでなかったら一番遅れた党は、たちまち共闘から脱落してしまうからである――、かくして野党共闘といったものはもっとも日和見主義的的部分の立場や見解を代表する政治ということになり、たちまちブルジョア協調主義や安倍政権との妥協主義の政治に堕して行くのであり、行くしかないのである。

 3年前の参院選では、野党共闘では「政策協定」は32の小選挙区でバラバラに行われたが、今回は党と党との約束事として「共通政策」を取り結ぶのであろうか、それとも党の中枢は今回も徹底的なご都合主義と無責任ぶりを発揮して、またまた小選挙を闘う県に一任するのであろうか、それとも全国単一の「政策協定」で闘うのであろうか。

 「政権問題での前向きの合意」に至っては、さらに絶望的であり、そんなことを言いだした途端に、どんな「本気の」野党共闘も絶望的に不可能になるが、志位は勇んで、語っている。

 「総選挙での協力ということに踏み出すと、いよいよ政権問題での野党間の合意が必要になってくる。共産党は3年前に国民連合政府を提唱し、これを発展させた野党連合政権の構想を出しています。前向きの合意が必要になってくる」。

 例えば、そんなテーマの一つが3年前の15年に成立した、集団自衛権行使を容認した「安全保障体制関連法」(共産党が「戦争法」と呼ぶ法)の破棄とか廃止する立場での一致という問題である。

 しかしこんな問題で一致する野党共闘政府を勝ち取ろうなどと志位がまじめくさって言い出せば言い出すほど、野党共闘などたちまちどこかに吹っ飛んでしまうだろう。

 なぜなら国・民の中には、15年秋に成立した「戦争法」に賛成していたような連中が山といるからである。

 野党は安倍政権と参院選をいかに闘うかで、まともな共通の立場や政策を明確に打ち出せなくなればなるほど、野党共闘による議席の数合わせに熱中する。「本気の」闘いにはますます無関心、無頓着になり、それはどうでもよくなるのである。

 しかし2年前には野党共闘を「裏切って」敵陣に走った連中まで含んで、またまた呉越同舟よろしく乗り合わせたような野党共闘とは一体何ものであろうか、彼らは一方では、再度裏切るためにのみ、他方では、裏切られることをもう一度経験するためにのみ、野党共闘に結集するというのであろうか。

 ご苦労なことだというしかない。まさに茶番である、これ以上ないような茶番劇である。

   

【2面サブ】

同級生からうれしい葉書

 「労働者党と林紘義を応援する会」の入会書を含めた数種の文書を有力なシンパ等々へ9日(木曜)に送付し、「会」の本格的な活動と組織化を開始しましたが、さっそくうれしい反応が、今日一つありましたので紹介します。

 「ご当選を期待しています。

 拝啓。元気になられ、参議院選出馬されるとの報に接し、伊那北高C組のクラスメートとして、応援したいと思います。いまだ六本木会は継続、T、Hほか7、8名参加しておりますので、気軽に顔を出してくださるようお願いします。」

 伊那北高で3年間、同じクラスで学び、過ごした同級生ですが、伊那市出身のブルジョア的な名士としての存在の人で、応援を頼んでみようとは思っていなかったので、同じクラスの人や同学年の人たち(250人です)に働きかける手がかりが出来たと喜んでいます。伊那北高の同級生2人(クラスは別だか、高校生時代は結構仲の良かった友達、しかし人生は大企業や大銀行という典型的なエリートコースを歩んだ連中)にも働きかけ、有望と思って我が家に招待して応援を頼みたいと思っていた2人に――1人は安倍は大嫌いで、あいつは許せないと大言壮語し、もう1人は地元の千葉でボランティア的な活動に従事し、自分の活動に「ごまめの歯ぎしり」だと限界を感じると常日頃語っていたのに、いざ話してみると、友人として励ますくらいはしてくれるかと思ったら、エリート意識丸出しにして、ただ「林がやっても無駄だ」という態度で説得しようとするだけ、さすがに私も白け、腹を立てて喧嘩別れになったこともあり、がっかりしていたところだったので、さすがに同じクラスの友人と大変心強く感じ、励まされました。  (林紘義)

   

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