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労働者党理論誌

『プロメテウス』第61号
特集・激化する帝国主義的対立

(2022年8月25日発行)



 2022年2月24日に始まったロシア軍のウクライナ侵攻は、全世界を震撼させた。〝自由主義〟陣営のブルジョア勢力やマスメディアは、声を揃えてプーチンとロシア軍を非難している。

 労働者もまた、ロシア軍のウクライナ侵攻を帝国主義的蛮行として糾弾し、ロシア軍の即時撤退を要求するし、してきた(時局論集トップ記事参照)。

 だが、戦後に限ってもベトナム、イラク、アフガニスタンなどに派兵して多数の民衆を殺戮してきた米欧のブルジョア勢力にロシアを非難する資格などあろうか。

 ロシアのウクライナ侵攻が明るみにしたのは、現代が帝国主義の支配する時代であること、米中ロなどの大国が勢力圏と覇権をめぐって争う帝国主義対立の激化の時代だということであろう。資本主義が存在する限り、資本主義的大国の帝国主義国家への転化、勢力圏獲得のための衝突、そして戦争は避けられないという真実を我々は目の当たりにしているのだ。

 それ故、現代の帝国主義について、我々は――レーニンが『帝国主義論』においてやったように――徹底的に分析し、その経済的基盤、政治的反動化、軍拡と覇権主義を暴露しなければならない。我々が今号において挑んだのはまさにこの課題である。国家資本主義大国として急速に成長し、米国と世界制覇をめぐって争うに到った中国と米国の対立、国家資本主義のもう一つの国家として米欧と激突するロシア、資本輸出を急増させ、世界の労働者人民を搾取する帝国主義国家として成り上がった日本を我々は分析し、帝国主義的対立から抜け出し真の平和と搾取からの解放を勝ち取る道を提示した。

 帝国主義的対立の激化の時代には、国家主義、愛国主義がはびこり、すべての日和見主義者は帝国主義勢力に取り込まれ、労働者を裏切っていくことは、第二インターの歴史が示している。共産党を含む日本の野党が日和見主義を深め、民族主義に傾斜し、自民党の立場に接近することによって参院選においても自滅した現実(時局論集参照)は、「歴史はくり返す」ことを想起させる。自覚した労働者は、あらゆる帝国主義に反対し国際主義の旗を高く掲げ、日和見主義に抗して自国の支配階級に対する闘いを推し進めていかなければならない。

 労働者の皆さんが本誌を検討し、新しい労働者政党に結集されることを、そして断固たる階級闘争を推し進めることによって労働者の新しい未来を切り開いていくよう呼びかける。

 定価880円(本体800円+税) 
申し込み先:全国社研社でも労働者党でも結構です。(送料が掛かります。)

(プロメテウス第61号≪巻頭言≫より)