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巻頭言



【2025.11.27】
スタートする子育て増税
 ──財政負担を労働者へ転嫁

【2025.11.13】
「格差と分断」の返り討ちに合うトランプ!
 ──ほころびを見せるトランプ専制体制

【2025.10.30】
“働かせ改革”に断固反対する
 ──高市の労働時間延長策動

【2025.9.18】
ネタニヤフのガザ抹殺最終章
 ──イスラエル労働者は「祖国防衛第一主義」を投げ捨てよ!

【2025.8.28】
「スパイ防止法」制定策動を許すな!
 ──国民全体が対象になるのは避けられない


 過去のメッセージへ

スタートする子育て増税
財政負担を労働者へ転嫁
2025年11月27日

        
 高市政権による「積極財政」が動きだした。物価対策というバラ撒き策と共に、軍事費が急増する。「危機管理・成長投資」も軍事と結びついた部類が多い。既に、岸田政権時代に、政府は軍事費に所得増税や建設国債を充てることを決定している(実施時期は見送っているが)。今後、労働者への負担が高まるのは必至だ。来年度から〝子育て増税〟がスタートしようとしている。それを見ていくことにする。

◇子育て増税開始

        
 政府は「若手人口が急減する2030年代」に入るまでが「少子化傾向を反転できるラストチャンス」と位置づけ、「こども未来戦略」を23年に決定し、子供がいる世帯に給付を増やしている。
        
 24 年10月から、児童手当の支給を大幅に拡充し、所得制限を無くし、かつ支給期間も中学生から高校生年代にまでに延長した。さらに、第3子以降についての支給も月額3万円に増やし、妊産婦への10万円支給や育休時賃金の10割相当への支給なども追加した。
        
 この「子供未来戦略」の予算は年3・6兆円であり、この財源には「社会保障の歳出削減の1・1兆円」、「医療保険料の1兆円など」が含まれる。
        
 このうちの「医療保険料の1兆円など」が「子育て支援金」に移転される。「朝日」(25・11・23)によると、この「子育て支援金」用の財源は26年度の6千億円から段階的に引上げられ、28年度に予定の1兆円になる。要するに、来年度から「子育て支援金」制度が実行に移される。
        
 政府のこの目的は、軍事費や物価対策などに多額のカネを回さなければならず、医療被保険者(全ての世代の労働者が中心)に「子育て支援金」の負担を押しつけることである。従って、この負担は実質的な増税であり、〝子育て増税〟となる。

◇水増しした支援金

        
 さらに問題なのは、「子育て支援金」を負担する医療保険加入者数の中に、保険料を負担しない子供なども含めていることである。つまり、それだけ、水増しして保険料額を大きく見せている。このインチキな策定によって、実際には、「子育て支援金」を負担する被保険者1人当りの金額は、当初予定より1・6倍にもなり、1人当りの負担金額(増税額)は年額で平均8400円~11400円になる(負担額は健康保険組合の種別で異なる)。もちろん、1人当りの医療保険料にこれらが上乗せされることになる。
        
 しかも、政府は「子育て支援金」について、社会保障の歳出改革や賃上げによって、負担を抑えると説明しているが、信用できない。むしろ、今後さらなる「歳出削減=医療・介護の窓口負担増など」に繋がるのは必至であろう。

◇無力な「子育て支援」と若者の進むべき道

        
 政府は長年にわたって、少子化対策を採ってきた。だが、一向に少子化は収まらず、24年の「合計特殊出生率」は1・15で、9年連続で低下した。出生数も初めて70万人を割り込み、統計史上過去最低の数値になった。
        
 「たまひよ 将来子どもを望む女性の意識調査」によれば、女性(未婚、既婚、妊娠中)が望む子供の人数は3分類ともに「2人」が最も多くて約6割を占め、「 2人以上」では約8割を占め、「1人」を希望する女性は2割も満たない。
        
 ところが、将来の不安(仕事確保や子育てなどに関する「経済的・金銭的理由」)によって、子供をもつことを断念する傾向が強まっていることが各種調査で明らかになっている。例えば、非正規労働者(男性)が30歳までに女性と「交際」できなかった人が多数であるという調査結果を見るなら、非正規労働者が結婚への希望を見いだせていないことが如実に示されている。
        
 歴代政府は子育て支援と称して、子供がいる世帯に対するカネの支援を拡充してきたが、最低賃金を大幅に引上げるとか、「同一労働時間、同一賃金」を実行するなどの非正規労働者支援はおざなりである。労働者全体の大幅賃上げにも消極的である。それは、労働者の賃金抑制が資本の利潤確保に結びついているからであり、さらに、非正規労働者はいつでも解雇できる雇用調整弁になっているからである。
        
 政府は総資本の利益を代弁する政治機関であり、また、野党も政府の少子化対策に追随していて、若い労働者の将来への不安は決して無くならず、従って、彼女らが欲しい子供数は「2 人」以上が圧倒的であるのに、現実には、「合計特殊出生率」は1・15 なのである。また、誰でも親の介護が必要になる場合があるのに、介護や福祉などの「社会化」が進まず(私的資本の金儲けのえさになっている)、労働者は「自助努力」を強いられている。子育ての不安を具体的に解決する施設も体制もほとんどない。
        
 こうした動き全体から少子化が進んでいるのだ。従って、若い労働者は、労働を搾取することで利潤を増大する資本と闘うことなくして、自らの展望を切り開くことはできない。
        
 軍事増強が進み、また日中の「帝国主義国同士」の対立激化が進めば、労働者は平穏な生活を送ることができず、子育てへの不安も増える。こうした矛盾した政治が闊歩している。帝国主義をもたらすのは資本主義である。とうの昔に資本主義の進歩的な側面は失われ、政治も経済も行き詰まり、退廃を深め、ますます軍事強国化と帝国主義化が進んでいる。この資本主義を変革し、共同労働社会=「共同体」を目指して闘うことが、介護・福祉・教育の「社会化」を実現し、生産的労働者と共に労働の解放をかちとる第一歩になる。そうして始めて、女性が全面的に社会に出て働くことが可能になり、専業主婦から解放され、女性の社会的地位も改善される。既に課題は明らかになっている。 (W)

「格差と分断」の返り討ちに合うトランプ!
ほころびを見せるトランプ専制体制
2025年11月13日


ニューヨーク市長に 34 歳の新人が「番狂わせ」(?)で当選

        
 NY市長選で 34 歳の民主党所属、インド系イスラム教徒の「民主社会主義者」を自認する新人候補者ゾーラン・マムダニ氏が世界経済の‶中心〟ニューヨーク市長に「大番狂わせ」で当選した。トランプはマムダニを「100%共産主義者の狂人」とレッテルを貼ったが、残念ながらマムダニは、 資本主義を信奉し、資本による労働の搾取を当然のこととして受け入れている「民主社会主義者」である。
        
 資本主義を信奉しながらも、強欲のトランプと違うのは、マムダニは資本家や富裕層の税負担を幾ばくか増やし、あまりにも拡がった格差を減らす政策(市長選では「家賃凍結」「バス無料化」「公営スーパー」などを掲げた)を掲げる「民主社会主義者」である。
        
 トランプにとって、反トランプの立場で福祉や多様性の擁護、企業や富裕層に対する税負担増を掲げる者にはすべて、「共産主義」のレッテルを貼って終わりである。共産主義に対する忌避感が強い米国では「共産主義」という一言で批判が完結し、権力嗜好の‶感性〟の政治家トランプが好んで使うレッテルである。
        
 トランプは5日、マムダニの当選を受けてフロリダで、「共産主義は我々が止める」「『共産主義』か『常識』かの選択」だと、来年行われる予備選挙を想定した内容の演説を行った。超格差社会を「常識」と考える専制政治継続への布石である。
 
超格差社会とトランプ専制に対する怒りがマムダニを押し上げた

        
 マムダニ当選は、番狂わせでもNYの有権者の一時の気まぐれでもない。トランプ 2・0 でトランプが法の上に自らを置き専制的に振舞うトランプ政治に米国民は怒りと不満をため込みつつある。
        
 6月には自分の誕生日に合わせた軍事パレードに反対する全米の抗議デモに500万人が参加し、10月20日には全米2700ケ所に800万人が参加して「No kings」(王はいらない)の抗議行動が行われた。
        
 トランプの不支持率は63%に高まり、61%がトランプの経済政策が経済悪化の原因と回答した(CNN)。マムダニが勝利した理由の一つはNYで高騰する家賃(ワンベッドルームで 月額約51万円)であり、収入の半分が家賃の支払いに消える。
        
 NYの相対的貧困率(平均収入の半分以下)は25%と全米で一番高い。一方100万ドル以上の富裕層が一番多く居住する(富裕層は34万9500人、その資産総額は3兆ドル/2024年)超格差社会である。また、NYは多様な人種が共存している。ヒスパニック28%、黒人系20%、アジア系15%で、白人の比重は30%程度である。
        
 トランプの白人優位主義の分断政策に抗う新市長をNYの有権者が選出した同じ日に、ニュージャージー州とバージニア州の知事に民主党知事が選出されたことは、この3選挙区が民主党の地盤とはいえ、トランプに対する反発・怒りが急速に高まりつつあることを教えている。
 
ほころびを露わにする移民政策や輸入関税

        
 トランプ 2・0 の重要政策である、移民政策に対する不支持率は62%と、支持率35%を上回る中で、「美しい一つの法律」が成立し、移民取り締まりの最前線部隊である「アメリカ合衆国移民・関税執行局」(ICE)には、巨額の資金と人員が与えられた。
        
 年間100万人の不法移民の拘束・追放のノルマを達成するために日常的に暴力的な捜査と違法な拘束が行われている。トランプが敵視するNYでは、ICEが拘束した不法移民の多くは「滞在資格に関する義務手続きの為に移民裁判所に出廷したところ」を拘束する‶だまし討ち〟である。
        
 もう一つの重要政策である輸入関税は、いま米最高裁で「『国際緊急経済権限法』(IEEPA)に基づいて関税を課す権限」が大統領にあるか否かの裁判が行われている。
        
 トランプが指名した保守系の判事でさえも輸入関税に疑義を唱え、違法の判決が出る可能性もある。その場合は、納められた税金を還付する必要がある。その金額は100兆円を超えるとも試算されている。
        
 すでに発動された輸入関税による影響は、――米国の消費者は年末までに輸入関税の55%を負担(12月末の消費者物価指数を3%押し上げる)することになるが、企業の負担は22%にとどまる。このまま輸入関税が継続された場合、26年度末には消費者負担は70%に増大すると予測されている(フォーブス・ジャパン)。
        
 トランプは、その影響を最も受けるであろうMAGA(Make America Great Againアメリカを再び偉大な国にする)を無邪気に信じる岩盤支持層を引きつけるために、関税で多額の収入を得ているから全国民(富裕層は除く)に1人当たり最低2千ドルの配当金を支払うと発信した。国民の支持をカネで釣ろうとする最低の露骨な愚民化政策である。そしてそれは、関税権限をめぐる裁判で有利な判決を出させようとする姑息な演出だ。
 
司法省を‶武器〟に政敵を弾圧!トランプ一族は大統領権限で巨万の富を懐に!

        
 トランプ 2・0 で新司法長官に側近中の側近パム・ボンディを起用した。トランプは21年の議事堂襲撃や機密文書持ち出しなどで刑事起訴されたが、これを指揮した当時の司法省特別検察官や職員、元補佐官ボルトンやFBI長官、一族を追及したNY司法長官まで次々に訴追している。司法省を武器にトランプに反対する人々や企業を次々と訴追し圧力を加える報復と、トランプ独裁の恐怖政治を行っている。
        
 トランプは昨年9月、大統領就任を見越していたように自分が代表を務める「ワールド・リバティ・フィナンシャル」を設立した。目的は「デジタル資産の販売」である。今年9月には、デジタルトークン(仮想通貨)を発行した。
        
 トランプは、バイデンの暗号資産の規制を撤廃。「暗号資産の国家戦略備蓄の軸はビットコインとイーサリアムになる」と発信するなど、大統領の権限を駆使した‶錬金術〟で、1年間に100 憶ドルの資産を築いた。自身は「‶法を超越した専制的〟大統領」であるかの夢を見ているが、現実は大統領権限を悪用した「インサイダー」取引や恐喝まがいのディールで和解金をせしめる、カネに執着する俗物である。
 
日米労働者は団結し共に闘いに立ち上がろう!

        
 俗物トランプと米軍空母で飛び跳ねる高市は、不用意に中国にケンカを売るやかましく吠えるスピッツである。日米労働者の生活を破綻に導くトランプ・高市に対する闘いに共に立ち上がろう!
        
 日米の資本家国家は日米同盟を高らかに宣言した。我々は、日米の労働者階級が改良主義の「民主社会主義」を乗り越え、‶労働の解放をめざす根底的な資本との闘い〟に、共に踏み出すことを呼び掛ける!
        
 日米労働者は団結しよう! (古)

“働かせ改革”に断固反対する
高市の労働時間延長策動
2025年10月30日

        
 上野厚労相は22日、就任会見で高市首相から労働時間の規制緩和を検討するよう指示を受けたことを明らかにした。指示書では「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間制の規制緩和の検討」とされ、罰則付きの時間外労働の上限緩和のほか、規制の例外としての裁量労働制や高度の専門性を持つ専門職の拡大を意図したものだとされている。
 
なぜ、規制緩和なのか

        
 現在の残業時間の規制は、2015年、当時電通の新入社員だった高橋まつりさんの「過労死(自殺)」事件など多発する「過労死」を背景に、「働き方改革」の一環として行われた。
        
 2019年(中小企業は20年)に施行された「働き方改革関連法」は、長時間残業による過労死や健康被害を防ぐために、残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な事情がある場合に限って、労使の合意によって年720時間以内、2~6か月平均80時間以内(休日労働を含め月100時間未満など)とする罰則付きの上限規制が定められた。
        
 また、原則である月45時間を超えることができるのは、年間6か月までとなっている。
        
 政府は規制緩和=残業上限を“柔軟化”する理由について、裁量労働の制の拡大を通じて、テレワークや成果主義といった「多様な働き方」を促進するためであるとしている。
        
 だが、これはまったくのごまかしである。
        
 緩和は何よりも人手不足に悩む企業の要求に応じたものであり、一般労働者を対象としたものである。高市の指示に対して、経団連は早速「時宜に適したもの」として歓迎している。
        
 もっと働きたいという労働者がいるといっても、「自分の能力を発揮したい」というより、むしろ低賃金のために日常的な生活もおぼつかないとか、住宅や自動車などのローン返済のために収入を増やさなくてはならないとしてもっと働きたい労働者もいる。高市の言うような規制緩和が労働者の「労働意欲」を反映したものだなどとはとても言えない。労働時間の延長よりも、物価上昇に追いつかない低賃金こそ解決しなくてはならない問題である。
        
 また「労働者の自主的な選択」といっても、規制が緩和されることになれば、管理者の労働時間延長の“要請”を断ることも困難になり、それに従わざるを得なくなることは目に見えている。「自主的な選択」など空約束である。
        
 結局、高市が言う労働時間の規制緩和策は、人手不足に悩む資本の立場を代弁したものにすぎず「働かせるための労働改革」なのである。
 
政府の「労働時間規制緩和」策を粉砕しよう

        
 23日、立憲民主が国会内で開いた会合で、過労死で亡くなった高橋さんの母親の幸美さんは、「過労死ラインまで働かせるのはやめてください」と訴えた。これこそ労働者の真実の声である。
        
 現在の労働時間規制法は、労働組合が認めれば「過労死ライン」である720時間までも働かせることができるものである。労働者にとって、労働時間の短縮こそ切実な要求であって、労働時間の規制緩和は労働者の要求に逆行するものである。実際厚労省の発表(6月)では、24年度の過労死等(死亡ばかりではなく、深刻な心身の疾患を含む)の賠償請求件数は23年度よりも212件増加し4810件と過去最高を更新した。支給決定件数も196件増加し、1304件と過去最多を記録した。これは、訴訟になったケースであり、実際の過労死等の発生件数はもっと多いだろう。
        
 AIなどの活用、生産の自動化など生産力の発展にもかかわらず、労働時間の短縮が進まず、まだ「過労死ライン」といわれる過酷な長時間労働が存在するのは、労働の搾取を原理とする資本による生産だからである。賃金は労働者の労働量全体の対価ではなく、労働者の生活に必要な価値(労働量)であり、残りは利潤として資本の取り分となる。したがって、資本は規定外の労働(残業)に割り増し賃金を支払ったとしても、利潤を増やすことができるのであり、資本の下での生産では、労働者の生命を擦り減らす長時間労働は避けられない。
        
 こうした資本の横暴を制限することのできるのは、国家による強制・規制である。そのためには労働者の闘いが必要である。8時間労働制も世界の労働者がストライキなど資本との激しい闘いを繰り返すことを通じて勝ち取った結果である。労働者は団結して高市の労働時間延長策動を粉砕しよう!
        
 しかし、労働者は資本の下での労働時間の規制にとどまっていることはできない。労働が資本の利益のためではなく、直接社会のために行われるようになれば、現在の生産力水準の下でも現在の生活水準を維持するための労働時間は現在の2分1、3分の1とすることも可能である。労働時間を縮小し、各自が自由に自分の才能を発揮することのできる社会の実現を目指して闘おう。(T)

ネタニヤフのガザ抹殺最終章
イスラエル労働者は「祖国防衛第一主義」を投げ捨てよ!
2025年9月18日


パレスチナ人根絶の最終章を許すな

        
 2023年10月7日のハマスによるイスラエルに対する軍事急襲に対するイスラエルの圧倒的軍事力による反撃は、9月15日にルビオ米国務長官がネタニヤフと会談しイスラエルへの「揺るぎない支持」の表明を受けて、16日ガザ市に対する地上軍の本格的侵攻によるガザ抹殺、パレスチナ人根絶の最終章は幕を開けた。
        
 イスラエル軍は、ガザ市内の高層ビルの破壊を完了しネタニヤフは住民に対して「そこから立ち去れ」と警告。6万人の予備役兵を招集し、戦車を先頭にハマス戦闘員を殺害するために無差別攻撃を仕掛けている。すでに6万5千人の犠牲者が出ているが犠牲者が圧倒的に増えることは確実である。イスラエル軍は報道陣を敵と見なし攻撃する。ガザからの報道は今後間違いなく減少するだろう。
        
 ネタニヤフは住民に退避を呼び掛けているが、ガザ市内にはまだ数十万人のパレスチナ人が残っていると言われるなかで、ガザ市制圧作戦は数か月間継続する見通しであることが17日昼のニュースで報道された。食糧支援物資の空中投下も中止され、飢饉が発生したと国連が認めたガザ状況は一層深刻になることは明らかである。飢饉や不衛生な環境の影響を最も受けるのは、体力のない乳幼児である。爆撃で傷を受けて死ぬ率が高いのも乳幼児である。パレスチナ人がこの後、運よく生き延びたとしても自立した国家として建設するには乗り越えるべき課題は多くあるだろうが、パレスチナ人民は世界の労働者階級と連帯して必ずそれを成し遂げるだろう。
 
ネタニヤフ政権打倒の闘いに連帯を

        
 1948年の英・米・仏など帝国主義列強の都合で、パレスチナ人を追い出し建国されたイスラエルが現在の対立を生み出した原因である。その後4度にわたる中東戦争をへて、イスラエルは.四方を敵に囲まれていると妄想″し、自ら敵を作りだし攻撃する事を自衛権の行使と正当化し、戦争を止める事の出来ない国家になった。イスラエルは、ホロコーストの被害者と言う.歴史的事実″を盾にイスラエルを批判するのは「反ユダヤ主義」と断じて、「ハマスのテロを容認する」などと各国をけん制してきた。
        
 ネタニヤフの狂気じみたガザ・ジェノサイドに対しては、フランス、英国、カナダがパレスチナ国家承認でネタニヤフに抗議の意思を表明し、マクロンは「イスラエルと将来の独立したパレスチナ国家の共存が中東全体の安全になる」と表明した。ネタニヤフは8月17日、「あなたの国家承認の表明は、反ユダヤ主義の火に油を注ぎ、ハマスのテロに報酬を与える」と批判した。
        
 パレスチナの国家承認は140ヶ国を超えているが、イスラエルの傲慢な軍事行動はそんなことなど全く無視している。むしろ直近ではイランに対する大規模な空爆、レバノン、シリア攻撃、カタールのハマス停戦交渉団攻撃、イエメン空爆。傍若無人なイスラエルの軍事行動を可能にしているのは、米国のイスラエル擁護にある。トランプ政権は、岩盤支持層のキリスト教福音派が強固なイスラエル支持であることから、イスラエルに対する支持は揺るがない。
        
 イスラエルの労働者は、イスラエル軍が支配階級の暴力装置であると理解し、「祖国防衛第一主義」の〝紐帯〟から自由にならなければ、支配階級に対する労働者階級の階級闘争の前進はなく、ネタニヤフのパレスチナ人ジェノサイドとも一貫して正しい立場で闘う事は困難になる。日本の労働者は、ネタニヤフ政権を擁護しパレスチナ国家承認を拒否する自公政権を糾弾し、打倒する闘いを推し進めることで、イスラエル労働者のネタニヤフ政権打倒の闘いに連帯する。 (古)

「スパイ防止法」制定策動を許すな!
国民全体が対象になるのは避けられない
2025年8月28日

        
 日本の帝国主義化が進む中で、参政党の神谷代表は、選挙後の記者会見で秋の臨時国会に向けて「スパイ防止法案」の提出を目指すと述べた。「他党との交渉をある程度始めている」とも言う。
        
 「スパイ防止法案」の具体的な内容はまだ明らかにされてはいないが、参院選中の7月14日松山市における街頭演説会で神谷は、公務員を対象に「極端な思想の人たちはやめてもらわないといけない。これを洗い出すのがスパイ防止法です」とし、「極左の考えを持った人たちが浸透工作で社会の中枢にがっぷり入っていると思う」と述べている。
        
 左翼の思想を持った公務員を外国のスパイ視する神谷の発言は、思想信条の自由を認めている憲法19条さえ否定するものであり、共産党やそれに同調した者を「非国民」として摘発、弾圧した戦前の軍部ファシストを思わせる。
        
 神谷は、「スパイ防止法」が取り締まりの対象とするのは国家、自治体に働く公務員だと言う。だがそれにとどまらず、国民全体が対象になるのは避けられない。このことは1985年に、当時の自民党が議員立法として衆院に提出した「国家秘密に係わるスパイ行為等の防止に関する法律案」(最高刑は無期懲役及び死刑)にも表れている。
        
 この法案に対してたちまち世論やマスコミなどの反発を呼んだが、当時の日本弁護士連合会が出した反対声明は次のように述べた。
        
 「この法案は報道機関取材・報道活動、一般国民の日常生活上の行為をも広く処罰の対象としており、憲法が保障する言論・表現の自由をはじめとする国民の基本的人権を侵害し、国民主権主義の存立基盤を崩壊させかねない極めて危険な内容をはらんでいる。
        
 法案の定義する国家秘密の範囲は極めて広範かつ無限定であり、その構成要件の不明確性は明白である。しかも『秘密』の指定は政府等行政当局の専権によるものであり、行政当局の『秘密』に対する恣意的判断の場においてもそのまま押し通されることになる危険性は過去及び現在の実務に照らしても極めておおきく、本来国民に開示されるべき『違法秘密』の公表も、重罰を覚悟のうえでなければできなくなってしまうのである」
        
 何が「秘密」かは一方的に国家が決め、罰則の適用も国家の恣意的判断にゆだねる自民党の「スパイ防止法案」は、強い反発によって廃案に追い込まれた。
        
 「スパイ防止法」に関しては参政党ばかりでなく、自民党の高市などがこの必要をとなえており、野党では国民民主は「自分の国家は自分で守る」「実効的な法律を」と言い、維新も「絶対必要」と積極的な姿勢をとっている。
        
 「外国への国家機密の流失を防ぐ」、「国家の安全保障のため」という名目で、言論を弾圧し、労働者の闘いを抑圧しようとする「スパイ防止法」制定の策動が進められようとしているが、断固粉砕されなくてはならない。 (T)