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「国家情報会議」設置法参院審議始まる
国家主義、愛国主義を煽り国民監視・統制の強化へ
2026年5月14日
政府のインテリジェンス(情報収集・分析)機能強化に向けて、司令塔としての「国家情報会議(NIC)」と、実務を担う「国家情報局」を新設するための法案審議が8日から参議院で始まった。
この法案の目的は「重要情報活動」=「安全保障の確保、テロリズムの発生の防止、緊急の事態への対処、その他の我が国の国政の運営」にかかわる情報の収集調査とされている。これまで警視庁や外務省、防衛省などに分かれていた情報部門を「国家情報会議」として統合し、集中的に担うのだという。高市は「複雑で厳しい国際環境において的確な意思決定を行うため、国家としての情報力を高めなければならない」と強調している。これに関連して島田和久元防衛次官は、「安全保障の領域が経済や技術まで広がり、関係者が適切に情報を共有する大切さがました」「情報の収集段階から首相らと組織が相互に連携し、首相官邸と一体して問題意識をもって働くことが必要だ」(日経、3・14)と、情報収集・分析の総合的な処理の重要性を語っている。
高市は、テロ、スパイ活動から日本を守るためと言う。しかし、対象となるのは外国のスパイ活動とかテロ活動に関することだけではない。市民もまた対象である。
これまでにも、2013年からのイラク戦争時には自衛隊派遣に反対する市民運動を監視した事件や2013~14年には、岐阜県大垣市の風力発電施設建設をめぐり、県警が反対住民の個人情報を集め、電力会社に提供していた事件があったが、裁判になりいずれもプライバシーや集会・結社の自由の侵害に当たるとの判決が出され確定した。しかし、その後、違法に集めた情報を削除したりした様子は見られない。
「国家情報会議設置」法の次には、「スパイ防止」関連法が控えている。日本市民が外国の人々と政治活動することだけではなく、経済や文化活動を協働する行為に対してスパイ予備軍との疑いの目をもって、国家情報局への登録を義務づけたり(外国代理人規制法案)する可能性も出て来る。
さらには対外情報庁法案も提案される予定になっている。これは米国のCIAや英国のM16に当たる機関であり、日本のスパイを養成し、彼らを世界各国に派遣し、スパイ活動をさせようとする策動である。
高市は、外国によるスパイ活動、テロを防止し、「国家、国民の安全」を守るということを口実として、市民の自主的な行動、知る権利や発言の権利を規制し、また反政府的な言論、行動、表現を監視、規制し、軍国主義的な国家の下に統合を強めようとしているのである。
高市は衆院選で「国論を二分する」政策について、国民の賛否を問うと述べたが、その一つが「インテリジェンス機能強化」である。
国際社会が国家的な対立が深まる中で、高市政権は軍備拡大、改憲(9条改悪)など軍事強国化への道を突き進もうとしているが、「インテリジェンス機能強化」策も、こうした政策の一環である。
一方、国内においては、富める者と貧しい者との貧富の格差が拡大、低賃金や物価上昇のもとで労働者・働く者の生活苦が深まり、将来への不安も広がっている。排外主義・愛国主義を煽る「インテリジェンス機能強化」政策は、資本の支配がもたらす矛盾から目をそらさせ労働者・働く者の不満が国家に向けられることを抑え、国家による支配を強めようとするものである。
「国家情報法会議設置」法案は、与党(自民、維新)、野党の中道改革連合、国民民主党、参政、みらいの賛成多数で衆院本会議で可決された(4月23日)。
可決に際しては、野党はプライバシー保護や特定党派の利害にかかわらないとする政治的中立性の確保、収集した情報の目的外利用を慎むとする3つの付帯決議をつけることを条件に賛成した。だが、こんな付帯条件を付けたからといって法案の反動的性格はいささかも変わるものではない。付帯条件付き賛成派は政府追随の言い訳をしているだけでしかない。
もともと国民民主、参政党、みらいは親自民だから問題外である。だが旧立憲民主党を含む中道改革が賛成したことは、立憲民主の一層の堕落、退廃を暴露している。 (T)
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暴虐な帝国主義者による
イラン攻撃を許すな!
2026年4月27日
◇暴虐なトランプ打倒はテロではなく労働者の闘いにある!
4月25日トランプは、ホワイトハウス記者協会主催の夕食会に出席中、銃撃事件が発生したが無事で〝犯人〟は拘束された。その直後の記者会見でトランプは、「我々の憲法に対する攻撃だ」と発言した。支持率が低下するトランプは事件を逆手に、憲法の〝守護者〟を装うことも考えられるが、「憲法を攻撃」するのはトランプである。銃撃事件の状況は不明であるが、トランプに向けられたものであれば、我々はテロリズムに反対する。
それは行き詰まり展望を失った者の絶望的な怒りの表現でしかなく、労働者にとっては有害なものである。イラン攻撃を行うトランプを打倒する闘いは、テロリズムではなく労働者階級の団結した大衆行動である。
◇日本は米軍のイラン攻撃の最前線だ! 沈黙する高市首相は共犯者だ!
トランプに媚びを売る高市首相は、トランプが「日本を北朝鮮から守るために5万人の米軍を駐留させているのに」「日本は助けてくれない」と不満を表明したのに対して沈黙、犯罪的なイラン攻撃に対しては一言も発していない。
イラン攻撃に対しては、欧州各国はこの戦争は「我々の戦争ではない」と批判し、トランプの貿易を「打ち切る」という脅しに対しても、スペインは国内の米軍基地をイラン攻撃に使用することを拒否した。欧州における右翼政権といわれてきたイタリアのメローニも「我々と意見が違う」と批判した。イラン攻撃に対して欧州各国、世界中が反発し冷淡な反応を示し、国内世論も不支持が82%、自衛隊派遣も74%が反対しているにもかかわらず、高市は日本の米軍基地からイラン攻撃に出撃し軍事攻撃を行っていることに対して、抗議どころか、日本の基地から出撃した米軍がイラン攻撃に参加した事実も認めてはいない。
しかし、20日には佐世保基地から出撃した強襲揚陸艦「トリポリ」を出発した沖縄県駐留の海兵隊員が、イランの貨物船に乗り込み「拿捕」した。
3月時点で日本の基地からは、「トリポリ」(30機のF35Bを搭載できる)と、沖縄キャンプ・ハンセンから第31海兵遠征隊(最前線部隊)二千五百名が派遣されている。第31海兵遠征隊は、派遣直前に自衛隊水陸機動団と南西有事を想定した強襲上陸演習を行い、横須賀からはミサイル駆逐艦「ジョン・フィン」、「ミリウス」がイランに向かってトマホークを発射する映像が公開されているように、日本にある米軍基地はイラン攻撃の最前線基地になっている。
米軍の中核部隊としてイラン攻撃に参戦する米軍に何一つ抗議せず、その事実さえ明らかにしない高市を我々は、トランプの共犯者として断固弾劾する。
◇掃海艇派遣に前のめりの高市自民党を糾弾する!
高市はトランプの不満、横暴を〝沈黙は金〟とばかりに〝沈黙〟してやり過ごすことで、日米軍事同盟に揺るぎがないことを示すことが〝国益〟と考え、トランプの進める軍事力を背景とした「力づくの外交」に何一つ異論を唱えることなく沈黙によって支持してきた。4月24日自民党は、〝停戦後〟ホルムズ海峡に自衛隊掃海部隊の派遣を提言。もとより高市の望むところである。EU各国が、停戦後も米国への軍事支援を明確にしていない中での米国への軍事支援表明は、中国と覇権を争うインド洋から南シナ海、太平洋地域で、米軍との同盟に利することになると、資本の勢力は判断するからである。
軍事力が〝大好きな〟高市自民党に警告する!まずやるべきは掃海艇の派遣ではなく、世界最強の軍事力を振り回すことに〝目覚めた〟トランプに沈黙することではなく、トランプのイラン攻撃に反対し中止を求めることである。それができないなら〝口を開いて踊る〟世界から笑い者の日本の首相で終わると覚悟せよ!
自国本位で国家間の対立を深める、暴虐な帝国主義に反対する労働者の闘いを労働者党と押し進めよう! 帝国主義を生み出す資本の体制を変革しよう!
◎掃海艇派遣に反対しよう!
◎軍拡・改憲の高市自維政権を打倒しよう!
◎「労働の解放」をめざし労働者党と共に闘おう!
万国の労働者団結せよ!
(憲法記念日に憲法改悪と闘う集会に配布した『海つばめ』2026憲法集会号外のウラ面に掲載)
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改憲・強権の高市政権打倒!
労働者は団結し、立ち上がろう!
2026年4月26日
4月の自民党大会で高市首相は、「時はきた。『改憲のめどがたった』状態で来年の党大会を迎えたい」と改憲を訴えました。高市政権は衆院選の〝大勝〟をチャンスとばかりに、国会での数を頼みに憲法改悪を強行しています。戦後「平和国家」を看板にしてきた日本は、今名実ともに「戦争する国家」へと、重大な局面に立っています。
◇憲法9条の改悪を企む反動政治糾弾!
政府・自民党が狙っているのは、「戦争放棄」、「戦力の不保持」を謳った9条の改悪です。9条規定は、強力な軍事力保持を狙う自民党にとって障害となってきました。
改憲案の主な内容は二つです。一つは9条に「国防軍」を明記することです。自民党は憲法で「戦力の不保持」を謳っているにもかかわらず自衛隊をつくりました。そして自衛隊は「必要最低限の実力組織」であり、憲法の言う「戦力」には当たらないので「合憲」と、ごまかしてきました。憲法に「国防軍」を明記することによって、どこまでが「必要最低限の実力か」という議論の余地をなくし、大っぴらに強力な軍隊の保持を可能にしようと言うのです。
二つ目の案は、大災害や戦争などの場合、議員の任期の延長や基本的人権の停止など超法規的権限を政府に与える「緊急事態条項」を入れることです。これは現在の9条を実質的に否定するということで9条改憲案と同じです。(これがいかに危険であるかは、第1次大戦後ドイツのワイマール憲法48条のいわゆる「緊急事態」条項を根拠にナチスが〝平和〟的に独裁権力を握った経験で明らかです)。
また高市政権の下で、政府に反対するデモ参加者の調査、特定政党の利益となる情報の収集を目的とする「国家情報会議」設置や「スパイ防止法」など国民を監視・統制する立法、表現の自由を規制し、愛国主義・国家主義を煽る「国旗棄損法」など反動法制が目白押しです。反動政治の高市政権を打倒しましょう。
◇戦争する軍隊に向けて軍事力の大拡張反対!
9条改憲と並んで、軍事力の大増強が進められています。26年度当初予算の軍事費は、前年度比9・4%増の9兆円余。当初の期限である2027年よりも2年も早く、軍事費GDP比2%の基準を突破しました。
その内容で最大のものは、自軍が直接の反撃を受けることなく、射程距離を1000キロもの遠距離の目標を攻撃できるスタンドオフミサイルに9700億円です。1770億円は射程1000キロの国産地対艦ミサイル開発に充てられます。さらにドローンによる沿岸防衛システムに1000億円、日・英・伊3か国による次世代型戦闘機共同開発1600億円などです。
スタンドオフミサイルにみられるように、自衛隊は「専守防衛」どころか、遠方の敵基地を攻撃する軍事力を保有するまでに至っています。そして高市の日本への「核持ち込みもありうる」とか、首相官邸幹部の「日本の核保有」発言さえを飛び出すまでなっています。
そして高市政権は、戦争する軍隊に向けて軍事費をこれまでのGDP比2%からさらに引き上げることを口にしています。
現在ですら巨額の軍事費のための財源が不足し、増税(たばこ税、所得税、法人税)や国債発行(借金)をしているのに、軍事費を増やせば更なる増税や国債発行は必至あり、そのツケは労働者、働く者に押し付けられるのです。
さらに許せないのは、軍事力強化のための技術開発は経済発展をもたらすという「軍事力と経済発展の好循環」論を持ち出して、軍備増強や武器輸出の規制の撤廃を正当化していることです。破壊と殺し合いの戦争のための軍需産業が浪費であり、経済を疲弊させ、負担は労働者、働く者にしわ寄せされるのであり、軍需産業が経済発展を助け、生活向上に役立つというのは全くのデタラメです。
◇「平和憲法擁護」運動を乗り越え、資本の支配に反対しよう!
平和主義者や共産党は、憲法を絶対視して、「平和憲法を守れ」と叫んでいます。しかし、「平和憲法」の下で自衛隊(事実上の軍隊)が組織され、今や日本は最新の兵器で武装された強力な軍隊を持ち、世界中に資本を輸出し、権益を持ち、数百万の労働者を搾取する世界有数の帝国主義国家となりました。
高市政権は、大資本の権益や国家権益を守り、拡大するために更なる軍拡を目指しています。このことは「平和憲法を守れ」という運動の限界を示しています。
真の国際的な平和、各国労働者が協力する世界の実現には、「平和を守れ」「平和憲法を守れ」という運動ではなく、帝国主義に反対する世界の労働者との連帯した闘い、労働者を搾取し、私的利益追求を原理とする資本の支配を克服していく闘いこそが追求されるべきです。労働の解放をめざす労働者党と共に闘いましょう!
(憲法記念日に憲法改悪と闘う集会に配布した『海つばめ』2026憲法集会号外のオモテ面に掲載)
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暴虐な帝国主義者による
イラン攻撃を許すな!
2026年4月22日
ガザジェノサイドの張本人イスラエルのネタニヤフ首相の口車に乗ってイランに対する大規模軍事攻撃を仕掛けたトランプ大統領は、米軍の圧倒的な空軍力でイランを圧倒している。しかし、イランから〝無条件降伏〟どころか、戦争終結の見通しも確実ではない状況に追い込まれている。
◇トランプやネタニヤフにイランやパレスチナ人民の殺傷与奪権はない!
ネタニヤフは、24年10月のパレスチナのハマスによるイスラエルへの軍事急襲に対して、挙国一致の〝戦時内閣〟を組織。自身に対する汚職裁判を棚に上げ、国民の支持を狙って、ガザに対する徹底的なジェノサイド攻撃でハマスを一掃(ガザの犠牲者は3月時点で死者が7万2千人)。そして、最大の脅威のイランを無力化する好機と考え、トランプを引き込んでイランに激しい軍事攻撃を開始した。
トランプはイスラエル軍と連携して徹底的な攻撃を加えて一か月以上経過、200億ドル以上の莫大な国家財政(資本の搾取労働の下で、労働者が生産した剰余価値が源泉)を殺害と破壊のために〝浪費〟して使った。
トランプは〝イランを相応しい時代、石器時代に戻す〟と脅迫し、圧倒的軍事力をバックに虚勢を張っているが、株価・原油・為替・金利に一喜一憂する臆病者だ。
イランのホルムズ海峡封鎖に対抗してトランプは、〝逆ホルムズ海峡封鎖〟を発表しイランの港を軍艦で封鎖。イランの「海峡通行料」徴収や原油輸出を不可能にすることで経済的な締め付けを行いイランとのディールに利用しようと、米国本位で世界経済への影響などは二の次に考えている。
ネタニヤフは、イランの軍事力や核施設を徹底的に粉砕するだけでなく、イランの産業基盤である製鉄所、化学プラントも破壊した(イスラエルへの攻撃で使われる原料や材料を供給しているからだと情け容赦なく)。ネタニヤフは停戦期間終了後、軍事作戦を再開し、イランの体制転換をもくろんでいる。
◇トランプからの「不満」に沈黙しつつ、軍備増強進める高市首相
トランプに媚びる高市首相は、トランプの「日本を北朝鮮から守るために五万人の米軍を駐留させているのに」「日本は助けてくれない」という不満に対して沈黙、イラン攻撃におけるトランプの犯罪性については一言も発していない。トランプに寄り添うことが〝国益〟だと言うのだ。
イラン攻撃に欧州各国、世界中が反発し冷淡な反応を示し、国内世論も不支持が82%、自衛隊派遣も74%が反対している状況下で、トランプの横暴を〝沈黙〟してやり過ごし、日米軍事同盟に揺るぎがないことを示すことが〝国益〟ということなのだ。それは、安保3文書改訂に基づく大軍備拡大計画を、抵抗なく進めることが、世界に進出している資本の利益であり、中国との覇権争いに利すると無定見に考えているからである。軍事力に依拠する「力づくの外交」を労働者は支持しない。
自国本位で国家対立を深める帝国主義に反対する労働者の闘いを労働者党と共に押し進めよう!
労働者党スロ-ガン
◎軍拡・改憲の高市自維政権を打倒しよう!
◎物価高・生活危機から労働者の生活を守る闘いを押し進めよう!
◎低賃金・過重労働の非正規労働・差別労働を徹底的に一掃しよう!
◎『台湾有事』で戦争する軍隊・自衛隊の軍事力増強断固反対!
◎トランプやネタニヤフによるイランやパレスチナ人民の虐殺糾弾!
◎「労働の解放」をめざし労働者党と共に闘おう! 万国の労働者団結せよ!
(2026メーデーで配布した『海つばめ』2026メーデー号外のウラ面に掲載)
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軍拡・強権の高市政権糾弾!
労働者の階級的闘いで反撃しよう!
2026年4月21日
「国論を二分する」選挙と謳って行われた2月の衆院選で高市自民党が勝利してから2か月余が過ぎました。
高市政権は、選挙民の意思を正確に反映しない小選挙区制でたまたま手に入れた国会での多数を頼みに、戦後史を塗り替えるような反動的な方向へと、日本の政治を推し進めようとしています。
◇まやかしの「軍事力と経済発展の好循環」論
高市政権は軍事力を強化することは同時に経済力を高め、発展に導くと言う「軍事力と経済成長の好循環」論を押し出し、「防衛投資化」などと言って、軍需産業の育成・拡大を強調しています。
軍事産業の振興と経済安全保障は一体のものだとして、デュアルユース(軍事と民間の両用)論でごまかしを正当化し、AIや半導体は軍民双方で欠かせないと、軍需産業育成に巨額の国家投資を行うことを企んでいます。
しかし、生活をより豊かにするための利用と破壊と殺し合いの戦争への利用との違いを区別せず、先端技術の軍事利用が有益であると言うことは偽りです。戦争のための軍事産業の拡大・増強は社会的浪費であり、経済を疲弊させ、労働者に犠牲と負担を押し付ける以外のなにものでもありません。
高市首相は国際情勢の緊張が強まっていることを持ち出し安全保障を強調していますが、軍事力の強化がさらに緊張を高めることから目をそらしています。各国の労働者、働く者との連帯こそ強調されなければなりません。
高市政権は武器輸出をすれば産業が発展し、雇用が拡大し、労働者の生活もよくなると強弁し、これまで「五類型」に制限されてきた武器輸出を撤廃し、戦闘機や護衛艦などの殺傷能力の高い武器輸出を解禁すると言います。これは利益獲得のため輸出先の国に負担を転嫁することであり、戦争で金儲けする「死の商人」となることであり、断固許せません。
◇戦争する軍隊に脱皮する軍備増強反対!
次に問題となっているのは安保3文書改訂による大軍備拡張です。
26年度当初予算では、軍事費は9兆円余と過去最大となりました。安保3文書策定前の22年度の軍事費5・4兆円と比べ3・6兆円もの増加です。敵基地攻撃用兵器の購入費や基地整備費は単年度で払いきれず複数年度での分割支払いです。この「後年度負担」は26年度予算では総額17兆9524億円にも上り、巨額の支払いを将来に回すことになっています。巨額の「後年度負担」は無責任です。
自民党政府は巨額の軍事費を賄う財源として、「軍事国債」を拡大してきましたが、26年度では5973億円を予算に盛り込み、国債発行残高は総額で約3兆円に達しています。いったいどんな「責任ある財政」でしょうか。
現在の計画でも財源の不足分は「歳出改革」や増税(法人税、たばこ税、所得税)で賄うとしていますが、確固たる財源のめどはたっておらず、軍事費が増加するなら更なる増税、国債の増発は必至です。そしてそのツケは労働者、働く者に押し付けられるのです。
◇改憲を企む、数を頼りの強権政治を弾劾する!
経済の軍事化、軍備増強は、政治の強権化と一体のものとして進められています。
高市首相は、自ら解散を強行し、予算案の審議開始を遅らせておきながら、「年度内成立」に固執し、このため予算案の審議時間は僅か59時間と最低を更新。分野別に詳細な討議を行う「分科会」は一度も開かれませんでした。国会での審議を無視、数を頼みに採決を強行したことは、高市政治が異論に耳を貸さない、力ずくの強権政治であることを暴露しています。「国家情報局」設置の企みも国民監視のスパイ防止法制定への地ならしです。
高市は総裁として、自民党大会で「時は来た、『改憲の発議のめどが立った』状態で来年の党大会を迎えたい」と9条改憲の野心を露わにしました。これは「平和国家」の装いを捨て、名実ともに強力な帝国主義国家として進むという反動的な宣言です。
反動的な高市政権を生み出したのは、労働の搾取を原理として私的利益を追求する資本主義の体制であり、大資本の支配が腐朽してきたからです。現在では日本は国内のみならず海外に多くの企業、権益を持ち、数百万の海外労働者を搾取する帝国主義国家です。
共産党や市民主義者のような、資本の支配を前提に民主主義や「平和憲法を守れ」という運動は無力です。なぜなら民主主義や「平和憲法」の下で、現在のような反動的政権が生まれてきたからです。共産党や市民主義の無力な運動を乗り越え、資本の支配に反対し、搾取や差別のない労働者が共に協働する社会を目指して共に闘っていきましょう!
(2026メーデーで配布した『海つばめ』2026メーデー号外のオモテ面に掲載)
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横暴きわまりないイラン攻撃
恥知らずなトランプと高市
2026年3月26日
追い詰められるトランプ
〝被害者〟を演じるネタニヤフと〝全能〟の大統領と思い込むトランプが引き起こしたイラン軍事攻撃から3週間が経過した。トランプが夢想したシナリオは早々に破綻した。
イランによるホルムズ海峡封鎖が現実化する中で原油価格は急騰し、トランプは21日にイランが封鎖を解かなければ「48時間以内にイラン最大の発電所を攻撃し破壊すると」恫喝。イランは「発電所が破壊されれば発電所が再建されるまで海峡の封鎖は続く」と反発し、「イスラエルの発電所を粉砕する」「湾岸諸国の発電所も破壊する」と警告した。23日にはTACOトランプに相応しく、イラン側からの申し出で「協議が好調に進んでいる」「建設的な話し合いが行われ」、5日間の攻撃停止を国防省に命じたと〝一人田舎芝居〟を演じた。しかし当事者のイランは「米国とは一切交渉は行われていない」。フェイクニュースだと否定するなど、情報は錯そうしている。
24日トランプは、イランとの停戦交渉を巡り、具体的な人物を明かすことなく「適切な相手と取引している」「当初とは全く異なる人物が指導者になっているのだから、これは体制転換だ」と主張し15項目の停戦案をイランに提示し交渉を呼びかけたが、〝戦争終結はイランが決める〟とイランは拒否した。トランプは交渉を呼びかけながら、米本土や日本などから数千人の海兵隊が派遣されている。交渉はアリバイ作りと時間稼ぎで、地上軍の投入を含む新たな攻撃が準備されているのは確実である。
これまでも繰り返されてきたトランプの、現実と願望が入り混じった問題を先送りする無責任な立場であるが、〝一人芝居〟を演じなければならないほどトランプの政治な立場は揺らいでいる。自分を全能な大統領と自負するトランプは、愚かな裸の王様である。トランプの支持率は低迷を続け(36%2期最低24日ロイター)、政権内のMAGA派も徐々に離反しつつある。
イランに対する軍事攻撃に抗議して「米国家テロ対策センター」ジョー・ケント所長は17日、「良心に従えば、イランで続く戦争は支持できない」と辞任した。彼は、「イランの差し迫った脅威は存在しなかった」、ネタニヤフの入れ知恵でそそのかされイラン攻撃を行ったとトランプを批判し、政権を去った。この人物は、トランプ1・0からの熱心なトランプ支持のMAGA派の活動家。トランプはいつもの通り「そのような人間は要らない」と悪態をついている。
トランプ2・0の「移民政策」は、〝粗製乱造〟で急増したICE職員の暴力的な取り締まりに対する反発が高まり、世界各国にかけた「相互関税」は違憲判決が出された。バイデンの物価高を批判して、トランプ政権が誕生し1年以上が経過したが物価は少しも安くならず、イランに対する軍事攻撃で大統領の支持率に直結するといわれるガソリン価格は3月に入ってから高騰(1ガロン2ドルから3ドル台に50%上昇)している。〝一人芝居〟であれ何であれ、トランプは追い詰められている。
法的制約を持ち出し、自衛隊派遣を煙に巻いた高市
19日に訪米した高市は、ホワイトハウスでトランプの歓待を受けた。昨年2月にゼレンスキー大統領がつるし上げられたホワイトハウス執務室で首脳会談冒頭、高市は「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ。私は諸外国に働きかけて、しっかりと応援したい」と歯の浮くようなお世辞で媚びる発言を行った。イランについては「核兵器の開発は許されない、我が国は周辺国に対する攻撃、ホルムズ海峡閉鎖についても非難し、イランの外務大臣に対してやめるように申し入れてきた」。
政府関係者が危惧した公開の場での自衛隊の派遣や軍事攻撃に対する支持を求められることもなく、「日本はNATOよりもよくやっている」と評価されたことに安堵したが、トランプは「日本の石油の95%はホルムズ海峡を経由して日本に送られている」「彼らは何をすればいいかを理解している」と発言。「我々は日本で役割を果たし、兵を置き、多額を投じてきた」と主張し、「正直、誰の助けも要らないが、日本が役割を果たすのは適切なことだと思う」と、日本自ら軍事的な貢献の提案をしてくるだろうとトランプは述べた。
労働者はネタニヤフ・トランプによるイラン軍事攻撃を断固糾弾する。一方的な軍事攻撃で犠牲を受けるイラン人民の苦しみに深く同情し、イラン攻撃と闘い、イスラム体制と闘う人々に連帯の挨拶を送る。トランプに媚びイラン人民に塗炭の苦しみを強いる高市政権を打倒する闘いを推し進めよう!
高市は帰国後の国会審議の中で、トランプとの首脳会談で自衛隊派遣については、「法的制約の中で出来ること出来ないこと」を説明したと答弁し、具体的内容については明らかにすることをかたくなに拒んだ。トランプの怒りを買わないために「法的制約」を持ち出し、自衛隊派遣についてあいまいな態度に終始したが、米国国連大使が22日に「日本の首相が海上自衛隊による支援を約束したばかりだ」と米CBSの番組が言及したように、トランプとの間で何らかの合意がなされているのだろう。
日本の護憲勢力は、高市がトランプに自衛隊の派遣を約束しなかったのは「憲法9条」があるからだと「憲法9条」を持ち上げたが、高市が「法的制約」を持ち出して自衛隊の派遣について曖昧にしたのは、自衛隊派遣を国民の80%以上が反対する状況の中で、国内の反発をそらすためでしかない。欧米各国はトランプの派遣要請に反対したが、高市にとっては、中国と帝国主義的な対立を深める中で米国との同盟関係を維持することは重要であると判断し、トランプに嫌われないために見え透いたお世辞と媚びる醜態をさらしている。
労働者は、「憲法9条」幻想に反対し、トランプの軍事攻撃を支持する高市を暴露し、高市政権打倒の闘いを進めよう!(古)
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GDP上昇は「経済成長」を意味しない
イラン攻撃で生活悪化は必至
2026年3月12日
トランプとネタニヤフによるイラン攻撃で、まず石油関連物資の価格が上昇し始めた。
物価上昇が「経済成長」にとってプラスであるという観念に染まるブルジョア(高市ら)にとって、元来、善であるはずの物価上昇に危機感を丸出しにしている。高市らは物価上昇を手放しで喜ぶことができない事態に突入したと感じているようだ。そこで、この間の物価上昇が何を意味するのかを、各種統計資料から検討してみた。
物価上昇をGDPやGDIなどから見る
22年から名目GDPが大幅に増えている。それを見て、高市政権は「経済成長」が始まった、これをさらに確実なものにするためにと「経済成長戦略」を立ち上げている。
確かに、25年10~12月期(年換算)の名目GDPは671・6兆円であり、21年同期の579・5兆円と比較すると92兆円(増加率は16%、年増加率は4%)も急速に増えている。17年から21年の名目増加額はわずかに9・8兆円(増加率は1・7%、年増加率は0・4%)に過ぎなかったのだから、21年以降の増加は相当なものだ。
それでは、上記の数値を実質GDPで見るとどうなるか。21年10~12月期では、それは580・0兆円であり、25年同期では591・9兆円となっている。
この間の増加額は11・9兆円(増加率は2・1%、年増加率は0・5%)であり、17年から21年までのそれと大差がないばかりか、上記に示した名目GDPの増加率とほとんど一緒である。つまり、21年~25年の実質的なGDP拡大はほとんど無かったことを意味している。
他方、GDIはGDPに対して輸出入金額の変動を加えた統計であり、円安による生活への影響が反映された数値になっている。17年度の実質GDIは576・0兆円であり、21年度のそれは566・6兆円、24年度のそれは577・5兆円となっている。
これを見ると、17年度と21年度の比較では9・4兆円も減り、17年と24年の比較ではわずかに1・5兆円増額しているに過ぎない。このように、実質GDIの最近の変化を見れば分かるように、円安の増進によって物価が上昇し、「実質の総所得」(企業の利潤と労働者の賃金など)はほとんど増えていないことが分かる。
それはなぜか?企業は実質的に利潤を増大させたが、労働者の実質賃金低下によって実質GDIが大して増えないことが起きているのだ。例えば、20年の実質賃金を100とした場合、24年のそれは99と1%も大きく下落している――政府の「毎月勤労統計調査」より。
次に、GNI(国民総所得)という海外から入ってくる、企業の「利益」や労働者の「所得」を加えた数値を見ていこう。
これによると、17年度の実質GNIは596・6兆円であり、21年度のそれは595・1兆円、24年度は613・2兆円であった。17年度と21年度の比較では、1・5兆円も減少したが、21年度と24年度の比較では、実に18・1兆円も増加している。それは、国際収支のうち、海外との取引の結果を示す経常収支が近年大幅に増額していることと大いに関係している。
経常収支の一項目である「第一次所得収支」(対外直接投資によって設立した海外子会社が得た利潤を親会社の会計に還流させるなど)は、21年には20・4兆円の黒字を計上し、24年には40・2兆円、25年には41・6兆円もの大幅な黒字を弾き出し、貿易収支の赤字やサービス収支の赤字を補い、国内経済の低迷をカバーしているからだ。
実質GNIや経常収支の「第一次所得収支」を見れば明らかなように、日本資本主義は国内の資本の過剰を尻目に、さらに「資本輸出」を強めており、ますます「帝国主義化」した資本主義に、また軍事強国化を目指した国家なっていくのは必至である。
以上、各統計を見ながら、名目GDPを持ち上げて自慢する高市政権の論拠を掘り崩してみた。どの経済統計を見ても、物価が高騰し始めた22年以降にいくらかの名目的な上昇があるだけで、実質的な「経済成長」は見られない。
要するに、物価が上がりそれにつれてGDPも上昇する、その結果、「経済成長」につながり労働者の生活も良くなるというのは詭弁である。むしろ、物価上昇が起きれば、労働者の実質賃金が低下するのは明らかであり、各種統計もそれを証明している。
労働者は高市政権が繰り出す「経済成長論」に与せず、理論的に武装し、組織的にも団結し、「資本と賃労働」の関係を打破するために反撃しなければならない。そうした質と量によって広範囲に組織された労働者の闘いが無ければ、今後の生活も未来もおぼつかない!
労働者は急きょ始まったイラン攻撃に抗議すると共に、高市政権のGDP上昇が経済成長に繋がり、財政不安も打ち消すことが可能であるかに言う欺まんと矛盾を暴露し、断固として高市政権の打倒を目指して闘わなければならない。 (W)
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