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●1522号 2026年5月10日 【一面トップ】 進む核軍拡と核による脅威 ――無力化する核不拡散条約 【一面サブ】 資本の下での原発の危険性 ――資本の利益優先・安全軽視の再稼働 【コラム】 飛耳長目 【二面トップ】 最も効率良い搾取方法 ――「出来高賃金制」が横行 【二面サブ】 2026メーデーでアピール ――軍拡・強権の高市政権糾弾を訴える 【お知らせ】 5月の海つばめ発行日 ※『海つばめ』PDF版見本 【1面トップ】進む核軍拡と核による脅威無力化する核不拡散条約4月27日から国連で、核不拡散条約(NPT)再検討会議が4週間の日程で始まった。過去二回の会議で合意文書が確認されず、存続の危機にある。NPT成立の背景と危機の理由、労働者の立場を考える。 ◇NPTは米ソ主導核独占体制で発足1970年に発効(発効後25年で延長を議論)したNPTは、米ソ英仏中の5カ国を「核兵器国」と定めて核保有を認め、一方、他の加盟国には製造、取得を禁じる。加盟国には核軍縮に向けて「誠実に交渉」する義務を課す。再検討会議は今回で11回目で191か国が加盟。 NPT発足に至るまでの国際情勢を核兵器の拡散から見ると、45年に広島、長崎で米国は原爆を使用。47年から米・ソは冷戦に突入。ソ連は原爆開発を急ぎ49年に原爆実験。米ソ両国は核開発を競う中、52年に英が原爆を米は原爆より強力な水爆の開発に成功。60年に仏が原爆実験を行い2年後には、核戦争一歩前のキューバ危機が世界を震撼させたのを横目に中国は、64年の東京オリンピックに合わせるかに原爆実験を行った。 核軍拡競争が米ソ間で拡大し他国にも核保有の動きが広がる中で、59年の国連総会にアイルランドから核拡散への問題提起がなされた。62年のキューバ危機を受けて、63年部分核実験禁止条約、65年NPT草案を米が提出、ソ連と調整が行われ、67年米ソ、英から共同条約案が国連に提出され68年に採択、70年に発効。 核拡散が進み際限なき核軍拡を制限し、相互監視と均衡した核抑止力を保有することで米ソは合意しNPTは発足した。NPTは事実上、米・ソなど核保有国によって核兵器を独占し、非保有国の核所有を禁止し、軍事的優位を維持することで、自らの帝国主義的権益を獲得するための体制に他ならない。 ◇米ロ核大国の横暴NPTは、米ロなどを「核保有国」(67年1月1日までに核実験を行った国)として特権的な立場を認める不平等な条約である。非保有国に対しては、保有も製造も禁止し、IAEAによる査察が義務づけられている。 トランプがイランに対する軍事攻撃の根拠に挙げたのが、査察を受け入れずに濃縮ウランを製造し、原爆の開発を行っているという理由であった。米国・イスラエルのイラン軍事攻撃は、イランが中東において、米国・イスラエルに対抗し敵対する国家として経済的、軍事的に発展することを打ち砕き、米国の中東における権益を維持する為に必要と考えたからである。それは、トランプ政権の支持基盤であるイスラエル支持のキリスト教福音派に応えることでもある。 イランは米国・イスラエルの攻撃から〝自衛〟のために、「核兵器」に必要な濃縮ウランの準備をしていたのであろう。もちろん、強力な破壊力を有し放射能の影響が長期間にわたって残る核兵器の使用は許されるものではない。しかし、非核保有国から核兵器に対する渇望感が出てくるのは、トランプが「世界の基本的な政治単位は国家であり・・・自国の利益を最優先し、主権を守ることは自然かつ正当」と言うように、各国は軍事力を保有するし、軍事力である核兵器は核保有国に特権的に認められるからである。核保有国から恫喝される非核保有国が、核兵器の保有を求めるのは必然ではないのか? イランに攻撃を仕掛けているイスラエルは、「核保有を肯定も否定もしない曖昧な態度」に終始しているが、80~100発の核兵器保有国であり、イスラエルの極右政党が「ガザに原爆を投下することも選択肢の一つだ」との発言は、プーチンが核でウクライナを威圧するのと同じである。 95年NPT会議はNPTの無期限延長が議題になり、アラブ諸国はイスラエルがNPTに加入しなければ延長に賛成しないと主張したが、中東に「非大量破壊兵器地帯」の創設を明記した「中東決議」(提出国は米英ロ)と引き換えに、アラブ諸国も無期限延長に賛成し採択された。しかし今に至るも国際的義務と明記された「非大量破壊兵器地帯」は実現していない。 NPT第6条は核保有国に「核軍縮交渉を誠実に行う義務」を課しているが、特権的立場にある核保有国米国は、強大な核兵器・軍事力で帝国主義的な権益を拡大し維持している。核でしか米に対抗できないロシアは核兵器の削減などできない。 核弾頭数は91年ソ連崩壊時に世界で7万発程度存在。10年代に1万2千発まで減ったが、米は「国家防衛戦略」(NDS)で「核戦略の近代化」を掲げ、戦術核配備や次世代型ICBMへの更新など核兵器の開発を加速。世界の弾頭数は25年段階で1万2241発と言われる。核保有国は核兵器を増強し、軍事大国・中国も本格参戦した新たな段階の核軍拡競争が進む。 ◇NPTをめぐる日中対立と共産党NPT会議で中国は、「日本の高官が核兵器を保有すべきと発言し、憲法と非核三原則を改正し、長距離攻撃能力、同盟国の核兵器を配備しようとしている」と主張。「強く警戒し、日本の監視と検証を強化」と訴えた。自らの核戦力増強を棚上げした噴飯ものの主張であるが、日本政府代表部の市川大使の反論は、「非核三原則を堅持している」など建前を繰り返したに過ぎなかった。 中ロ朝の核保有国が日本を取り囲む中で高市自民党は、抑止力として核共有化や核保有を見据えているからこそ、方便で言いつくろうのである。 共産党は80年のNPTから継続して国連で要請行動を行っている。共産党にとってNPTは「5大国の核独占体制を保障した条約」であるが、不拡散・核軍縮・平和利用について支持している。00年の会議では〝核兵器の完全廃絶〟が約束され、10年の会議では、核軍縮・不拡散・平和利用で「64項目の行動計画」が採択された。それで護憲・反戦・反核の共産党は、NPTに幻想を持ち、国連で要請行動を繰り返す。 しかし、米ロの核大国が賛成した、核軍縮・不拡散・「非核兵器地帯」は実現していない。NPT・国連決議には、米ロなど大国の横暴を可能にする抜け道が用意されているのだ。NPTに幻想を持つことなく、帝国主義国家打倒の闘いに立ち上がることこそ。呼びかけられるべきだ。 (古) 【1面サブ】資本の下での原発の危険性資本の利益優先・安全軽視の再稼働福島原発事故を起こした東電は4月16日、事故後運転を停止していた柏崎原発6号機を本格的な営業運転に移行した。東電、政府および安全委員会らは、事故の原因とその責任を明らかにすることなく、不問にしたままである。「原発回帰」を掲げる高市政権は、安全軽視の原発再稼働を進めている。 ◇高市政権の電力資本迎合の原発回帰高市は、2月の施政方針演説で「原子力規制委員会により安全性が確認された原子炉の再稼働加速に向け、官民を挙げて取り組みます」とした。10月の自維連立政権合意書のエネルギー政策である「電力需要の増大を踏まえ、安全性確保を大前提に原子力発電所の再稼働を進める」ことを、高市はさらに「加速」する方針を示した。 2011年の福島原発事故の後、EUは脱原発が進み、日本でも21年策定の「エネルギー基本計画」では「再エネ最優先の原則」を掲げた。しかし22年のロシアによるウクライナ侵攻後のエネルギー価格高騰、今年2月のアメリカ・イスラエルによるイラン侵攻によって石油危機が勃発、原発回帰の動きが進んでいる。 EUのフォンデアライエン委員長も、原発を縮小してきた欧州の取り組みについて「戦略的誤りだった」と発言(3月10日)、再生可能エネルギーとともに原子力を推進する姿勢を鮮明にした。 日本では、再稼働に進んだ柏崎原発6号機、そして25年3月に新規制基準に適合すると承認され、12月には地元の同意を得て再稼働に進む泊原発3号機などは、安全性の問題点が多い。規制委の審査承認はこれを無視し、電力資本に迎合したものであり、資本の下での原発推進の問題を浮き彫りにしている。 ◇資本の利益優先の柏崎原発柏崎原発6号機は、11年3月に福島原発の過酷事故を引き起こした東電が、それ以降初めて営業運転に移行するものだ。司法は東電・国の事故の責任を認めず、事故を起こし業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の旧経営陣2人の無罪が、25年3月確定した。しかし、事故を引き起こした10mを超える津波を「予見」し、その対策を取ることができたにもかかわらず、それを怠ったのは東電経営と国、安全委員会ら「原子力村」だった。 東電は、事故の原因を「予見」不可能な未曾有の自然災害だったと偽り、事故を引き起こした彼らの責任はないのだとした。事故の原因と問題点を徹底的に究明する科学技術的良心のかけらもない、会社の利益を優先させる東電に柏崎の原発再稼働を認めることはできない。 柏崎原発再稼働の問題の一つが、地元同意の判断だ。県や道などの広域自治体や市町村などの基礎自治体の同意は、再稼働の法律上の要件ではないが、国は「再稼働にあたっては、地元の理解を得ることが大事」とし、これまで再稼働した原発は、規制委の審査を通過し、そののちに原発が立地する自治体の同意を得て再稼働してきた。 東電にとって、柏崎原発再稼働は経営改善の頼みの綱だ。原発が一基動けば年1千億円の収支改善効果があると言われる。東電は去年10月に、1千億円規模の資金を拠出する方針を出したが、これなどは地元同意をカネで得ようとするものだ。 そして新潟県知事は、避難道路整備などの方針を早期に決めるといった項目について「国がしっかり対応していただけるという確認が取れ」て、再稼働を了承した(12月23日)と言うが、24年の能登半島地震の経験にあるように、原発事故に豪雪や地震が重なれば避難計画の実効性が問題となることが無視されている。知事はその判断を、国に丸投げしたのだ。 避難計画の困難性は、地震や豪雪などの自然災害を被る地域における、原発立地の困難性を物語るものだ。東電は経営改善のために、原発の危険性への対応を軽視するのだ。 柏崎原発では、新規制基準で義務付けられたテロ対策が未完成のまま、再稼働に移っている。また秘密文書管理の不備などの問題が発生し、東電の管理体制が問われている。2007年マグニチュード6・8の中越沖地震では、原発地内では震度7相当の揺れが観測され、火災や放射能漏れがなど重大な事態に陥り、原発立地の安全上の多くの問題が現れた。再稼働はこれらに対して、十分な安全対策が取られているとは言えない。 ◇明るみに出た浜岡原発の不正そして中部電力では、原発の耐震設計の基礎データとなる「基準地震動」(想定される地震の最大の揺れ)について、データを意図的に過小評価した不正が露見。 これを受けた規制委・山中委員長は「安全にかかわる審査データの捏造案件」と述べ、浜岡原発審査の停止を指示した。規制委は中電にデータ不正の報告書を3月31日までの提出を命令。中電は規制委と経産省に提出。 浜岡原発は、南海トラフ巨大地震域の直上部に位置し、厳しい地質条件の下にある。13年新規制基準以降、14、15年の審査では、敷地近くの活断層の考慮、想定する地震のパターン、震源の深さ、活断層が連動した場合などの検討を規制委に求められた。 これらに対する検討過程で、中電のデータ捏造が行なわれた。浜岡原発の耐震基準を地震動1200ガルで設計しているからである。 基準地震動の想定が大きくなると、当然、津波想定も大きくなり、防波壁はさらに大きなものが必要となるなど、大規模な耐震補強や稼働停止の可能性もあるのだ。これを超えないようにデータが捏造され、基準地震動は1200ガルそのままとなった。 会社が選出した弁護士3人の第三者委員会による調査結果を待つまでもなく中電は意図的に基準地震動が大きくならないように操作したのだ。浜岡原発は、今後発生する確率の高い南海トラフ巨大地震域に位置し、その危険性は限りなく高い。 浜岡原発は、立地場所がない中電と政府が一体となって建設した「世界一危険な原発」である。利益を優先しデータを捏造した中電は浜岡を直ちに廃炉すべきだ、政府も責任追及されるべきだ。 ◇資本の下での原発の危険性再稼働を進める北電泊原発3号機は、原発敷地内を通る活断層の評価が問題であるのを始め、地殻変動帯に位置する日本では、活断層の危険性のないところは少ないのだから、福島第1原発事故の教訓からも、原発は安全だと言えないのだ。 原発はその他、原発から出る高レベル放射能廃棄物の最終処分場、使用済核燃料の保管場所、再処理計画など、未解決のままの課題が多い。資本は「後は野となれ、山となれ」と問題を先送りし、目先の利益を出すことに夢中になって走っている。 資本の下での原発の危険性は明らかだ。労働者は利潤本位の資本の支配を打倒し、科学技術を発展させ、安全性に十分配慮した、クリーンなエネルギーの開発の前進を勝ち取ろう。 (佐) 【飛耳長目】 ★大型連休中の4月30日、外国為替市場で円は1ドル=160円台に下落。政府・日銀は、これ以上の円安は物価上昇を招き容認できないと事前に「断固たる措置をとる」と警告した通り、5~6兆円規模の「円買い為替介入」によって155円台半ばまで押し戻した★こうした介入の成果は一時的なものに留まり、円安の主要な原因は解消されずに残ったままだ。それはまず、政府・日銀の低金利政策によって、利回りの高い海外へ資金が流出し続けること。次にエネルギー価格高騰やデジタル関連の輸入増などで日本の貿易赤字は慢性的で、「円売り・ドル買い」の圧力は高止まりしているからだ★加えて、日本の対外直接投資が2000年代以降約5・8倍にも増加し、24年の年間投資額は前年比6・5%増の2081億ドル(約32兆円)、直接投資残高は2兆2282億ドル(約300兆円超)にもなったことだ。こうした投資は、すべてが「円売り・外貨買い」で行われるのではない(外貨借入での投資もある)が、一定程度円を売ることになるので円安要因となる★日米関税交渉で日本が約束した5500億ドル(約86兆円)もの対米投資も控えている。資本輸出と為替下落は密接に関連し、資本主義の死に至る病としてインフレを招き寄せるのだ。 (Y) 【2面トップ】最も効率良い搾取方法「出来高賃金制」が横行近年、企業の中にAI導入が進むと同時に、AI導入の評価などを行う単発・短期の労働者(例えば、AIと期間限定で会話をする)やAIアプリを持たされてAIの指示で働く個人請負者(フリーランス)が急増している。 ◇AIに管理されるアマゾン配達員今年(26年)3月、通販大手アマゾンは荷物を配達する個人請負者に対して、「近く報酬単価を変更する」という通知を送付した。この通知の内容は、従来の一律な報酬単価を止め、「地域ごとの運営コスト、人口密度、労働市場を加味」するというものであった。しかも、1週間あたりの稼働日数を「4日以上にする」ことも記されていた。 アマゾンの狙いは明白である。個人請負者に支払う報酬単価について、1律単価から運行条件で差を付けて平均単価を切り下げ、その上で、1日の配達数と労働日数を増やして利潤増大を策したものである。 アマゾンの個人請負者となるためには、系列の下請け配送会社と業務委託契約を結ぶ。アマゾンの指示を無事に終えて得た成果報酬は、下請け配送会社に入金され、業務仲介料を天引きされた後に手に入る仕組みになっている。 個人請負者は業務契約をした配送会社から作業指示と管理を受けるのではなく、アマゾンから直に受ける。アマゾンのAIアプリがインストールされたスマホ(位置情報付)を通じて、配達先と最適な配達順が指示され、進捗も管理され、遅滞なく配達させられる。 そのため、このアプリが導入された5年前と比べて、配達荷物の数量が急増している。それだけ、労働の強度は上がり、従って、1日当りに配達する個数も格段に増えている。個人請負者は次の様に吐露する。「AIに支配されている感覚。休みの週2日は疲れ果てて寝るだけ。人間らしい生き方をしたいよね」(『朝日新聞』26・4・20)。 このように、AIを使って個人請負者に労働強化を強い、効率よく利潤を上げる動きが急ピッチに進む。彼らは請負契約を結ぶ配送会社から報酬を得るが、それは形だけであり、配送会社の実態は人材仲介会社、または労働者派遣会社なのである。配送会社が人材仲介会社であるなら、彼らはアマゾンの労働者であり、派遣会社であるなら、彼らは配送会社の労働者である。 ところが、個人請負者は労働者でないとされ、従って雇用保険に入れず、労災や労働保護法の適用を受けず、自前の軽トラックやバイクなどを用意し、ガソリン代も負担し、夜遅くまで働く。 アマゾンら資本にとって、彼らは安上がりで便利で使い捨て可能な搾取材料なのである。 ◇報酬は出来高制賃金に等しい彼らは業務請負という形態で働くが、これは古くからある出来高労働制から発した形態である。彼らの報酬(賃金)は配達数という出来高で計られている。 かつてイギリス産業革命期に、出来高賃金が盛んに採用された。この賃金制についてマルクスは次の様に説明している。 「(出来高賃金の場合には)1個の価値をそれに具体化されている労働時間で計ることではなく、逆に、労働者の支出した労働を彼の生産した個数で計ることである。時間賃金の場合には労働がその直接的継続時間で計られ、出来高賃金の場合には、一定の持続時間中に労働が凝固する生産物量で労働が計られるのである」(『資本論』1巻19章「出来高賃金」原書576頁)。 ただ、出来高賃金の場合には、労働者の「労働の質」が製品そのものによって左右されるのであって、「各個の価格が完全に支払われるためには製品は平均的な品質を持っていなければならない。出来高賃金は、この面から見れば、賃金の削減や資本家的なごまかしの最も豊かな源泉になる」(同上)。 それは、丁度、アマゾンが「地域ごとの運営コスト、人口密度、労働市場を加味」して、〝個々の配達条件を厳しく標準化〟し、この標準を下回らないように労働者の労働を加速させ、もし、標準値を下回るなら解雇(契約解除)を正当化する材料にする。 つまり、資本家は労働者に一層のノルマを課し、1時間当りの生産個数(配達個数)を増やし、それだけ「労働の強度」を高め、さらに、ノルマ実現のために長時間労働を強いるのだ。その後に、今度はアマゾンが策したように「報酬単価」=標準単価を引き下げる。 と同時に、「出来高賃金は一方では資本家と賃金労働者の間に寄生者(下請け会社、人材仲介会社らのこと――筆者)が介入すること、すなわち仕事の下請けを容易にする。仲介人たちの利得は、ただ、資本家が支払う労働の価格と、この価格のうちから仲介人たちが実際に労働者に渡す部分との差額だけから生ずる。この制度はイギリスではその特色を生かして苦汗制度と呼ばれている」(同原書577頁)。 ◇搾取強化が進む出来高払いという資本に便利な賃金形態は、世界の資本主義国で採用されてきた。近年は、AI導入と共に増える傾向にあり、中国でも出来高賃金制の採用や時間賃金との併用が進む。資本主義であるゆえんだ。 日本では、スポットワーカーと呼ばれ登録されている単発・短期で働く出来高賃金労働者は、24年には2千2百万人にのぼり、時間賃金はパート労働者より安い(財務省『ファイナンス』24年12月号)。 また、フリーランスという請負契約で働く労働者は、全国で約5百万人いる。業種は多岐にわたり、業種間で出来高賃金に差があるが、平均賃金を比較すると、雇用労働者のそれよりずっと安い。 このような労働法制に抵触しない出来高賃金の労働形態を創り出し、定着させるのは資本主義的生産が飽くなき剰余価値生産だからであり、しかも、出来高制の労働形態は資本主義初期にも横行した、古くて新しい資本の搾取形態なのである(『資本論』1巻19章「出来高賃金」参照)。 これを後押ししているのが高市政権である。彼らを労働者と認定するか否かを判定する労働基準監督署に対して、認定を拒むように圧力をかけている。もはや、資本や政府に対する人道的批判は不要だ。資本と高市政権の本性を暴露し、労働者が共同して闘うことが最も問われている。 (W) 【2面サブ】2026メーデーでアピール軍拡・強権の高市政権糾弾を訴える連合の取り組むメーデーの形骸化が進み、参加する労働者も労働者の力を示そうという気概が感じられないこれまでのメーデーに比較して、今年はこれまでの個々的に三々五々集まってくる感じより、駅なりで組合として集合しての集団で結集する労働者が多かった。会場集結前に結集して隊列を作って行進してきた部隊も、これまでより多くなっていると感じた。 実質賃金低下による生活悪化だけでなく、きな臭い動きに対しても、労働者の団結を強めて闘おうという気持ちが強まってきているのではないか。 しかるに、連合中央会場には4年連続での首相参加だ。高市は「政府として賃上げ環境の整備に万全を期す。物価上昇を上回る継続的な賃上げ実現のために協力をお願いしたい」と、賃上げは自分の手柄、支持率向上の材料にしたい感ありあり。そして保身のために政労使協議に改善を託すダラ幹は、いつまでのさばっていられるであろうか。 連合会長の芳野は裁量労働制の拡充について「長時間労働になるだけで、改めて不要であると申し上げたい」など反論し不満たらたらだが、「政府や経済界には、労働時間の長時間化による生産性向上という精神論的手法ではなく、これまで積み上げてきた労働の価値に十分に応えることを実行に移していただきたい」と、ブルジョア依存丸出し。労働の搾取との闘いを一切理解しない指導部は資本の犬に堕落するしかない。労働者の階級意識を高め、闘いを前進させねばなるまい。 我々はメーデーとなれば、のぼりを立て『海つばめ』号外配布だ。そして労働者に話しかける。 ビラを配布していて「解放派の系列か」と聞いてきた労働者に、労働者党の出自を話しながら、新左翼急進派との違いなど話し、林さんの遺稿集を勧めたり、他の若者には『海つばめ』の購読を呼びかけ、社会主義についての質問が出され、我々の「労働の解放をめざす」という党名の意味とか、ソ連を社会主義と理解することの間違いなど話して購入してもらった。 全国各地でビラ配布の宣伝が取り組まれたが、愛知では「ビラをください」と話しかけてきて、「仲間に配るから5、6枚ほしい」というので渡したが、連合メーデーにビラ入れを行って初めての反応で感動したとのことであった。諸般の事情でメーデー会場で配布しきれなかったビラは宅配したが、愛媛では集合ポストで住人と出くわし、「軍備拡張の高市政権を倒そうと呼びかけている政党の号外ビラです」と話し手渡したとのことであった。全国で1万五千枚強のビラが配布された。労働者党ブログにメーデービラが掲載されているので参考にされたい。 全労連中央メーデーは荒天で、ビラが濡れてしまうので宣伝中止となり残念であった。 (岩) 《お知らせ》5月の『海つばめ』は 10日と24日発行です。 | |||||||||||