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労働の解放をめざす労働者党機関紙『海つばめ』

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アベノミクス」を撃つ
カネをバラまくことで国も経済も救えない。


著者・林 紘義
全国社研社刊
定価=2000円(+税)
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「アベノミクス」を徹底批判

崩れゆく資本主義、「賃金奴隷制」の廃絶を
資本の無政府主義の横行闊歩そして蔓延する国家の無政府主義


著者・林 紘義
全国社研社刊
定価=3000円(+税)
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序 章=世界恐慌の勃発とその必然性 第一章=“株式”資本主義の横行とその「論理」 第二章=“株式”資本主義の“暴走”と堀江、村上“現象” 第三章=日本版“新”自由主義とその結末 第四章=“金融重視”政策のとどのつまり 第五章=銀行救済と「公的資金の投入」 第六章=歯止めなき財政膨張と近づく国家破産 第七章=“グローバリズム”と労働者階級 第八章=階級的闘いを貫徹し資本の支配の一掃を 

『「資本」の基礎としての「商品」とは何か』


著者・林 紘義
全国社研社刊
定価=1600円(+税)
●お申し込みは全国社研社または各支部・党員まで。

《全九回の報告及び講義のテーマ》
第一回 「資本」とは何か?
第二回 「冒頭の商品」の性格について
第三回 「労働価値説」の論証
第四回 「交換価値」の“質的”側面と貨幣の必然性
第五回 商品の「物神的性格」(“呪物的”性格)
第六回 貨幣の諸機能と“価格”(貨幣の「価値尺度」機能)
第七回 紙幣(もしくは“紙幣化”した――して行く――銀行券)とインフレーション
第八回 特殊な商品――労働力、資本、土地等
第九回 『資本論』(「商品」)と社会主義

林 紘義著作集 全六巻


著者・林 紘義
全国社研社刊
定価=各巻2000円(+税)
●お申し込みは全国社研社または各支部・党員まで。

第一巻=「労働価値説」擁護のために
第二巻=幻想の社会主義(国家資本主義の理論)
第三巻=腐りゆく資本主義
第四巻=観念的、宗教的迷妄との闘い
第五巻=女性解放と教育改革
第六巻=民族主義、国家主義に抗して


●1524号 2026年6月14日
【一面トップ】 国家主義政治を継承する高市
        ――パンドラの箱から飛び出す反動の数々
【一面サブ】  軍国主義強化を宣言・小泉防衛相
        ――米中の覇権争いの縮図・アジア安全保障会議
【コラム】   飛耳長目
【二面トップ】 AIは労働者に敵対的か?
        ――敵対するのは資本主義そのものだ
【二面サブ】  戦争前提に戦力強化
        ――自民の安保3文書改定提言案
       ※『海つばめ』PDF版見本

【1面トップ】

国家主義政治を継承する高市

パンドラの箱から飛び出す反動の数々

 2006年12月、第一次安倍政権(06年9月~07年8月)は、〝戦後レジームからの脱却〟を掲げ、国家主義的傾向の強い新教育基本法を成立させた。安倍は、国家主義思想を共有する高市を初入閣させ、高市は〝後継者〟として安倍に付き従った。

◇政治活動と認定し〝辺野古処分〟

 5月22日文科省は、3月6日の〝辺野古沖事故〟の「調査報告書」を発表した。研修旅行中の高校生徒を乗せた小型船が転覆、高校生ら2名が死亡した事故についてである。

 自民と維新は文科省に対して「政治教育の実態調査」を要求、それに応え調査報告書は、船舶事故と辺野古学習を一体のものとして論じる。

 同志社高の〝平和教育〟として行なった辺野古基地の埋め立て工事見学の研修を、「辺野古基地反対の立場から反対派の船長の船舶に乗船して埋め立て工事を見学した研修」とし、「政治的活動を禁じる教育基本法に違反」するとして、〝辺野古処分〟を文科省は発表した。文科省の断定を受けて京都府も私学助成金減額を検討すると発表した。

 〝船長が抗議活動を行っていた〟〝転覆した船は抗議船〟〝10年前の「研修旅行のしおり」に辺野古テント村の紹介が転載されていた〟などと「印象操作」の事象を並べたて、「特定の見方・考え方に偏った取り扱い」と、辻褄合わせの〝証拠集め〟を行ったのである。

 問題は安全対策が十分に取られていたかである。高市・文科省は、事故を〝特定政党を支持する政治活動〟にすり替えることで、政府の悪政に批判的な研修・修学旅行や自主学習を抑圧し、教育現場を自粛させる策動であり、すり替えは断固糾弾されなければならない。

◇国家主義に彩られる新教育基本法

 高市は自分のHPの基本理念の中で、「国家の基本である『教育』を充実させます!」と謳い、「第一次安倍内閣で『教育基本法』改正を断行したことは、当時の答弁担当閣僚の1人だった高市早苗にとっても大きな喜びでした」と書いている。そこには「道徳心」「公共の精神」「国家の発展に寄与する」「伝統や文化」「愛国心」など、安倍・高市の国家主義が「教育の目標」として掲げられている。

 「個人の尊厳」「真理と平和を希求する人間」を教育の目的と謳う47年制定の「教育基本法」は、軍国主義教育を否定し、民主主義教育に対する希望が描かれていた。しかし、日本が資本主義的発展を遂げる中で、資本と賃労働の対立や矛盾は拡大した。

 資本の海外進出が深まる中、日本資本主義は腐朽化と権益確保の軍事化が進んだ。これこそが、「教育基本法」改正の政治的経済的背景である。

 高市は「『教育基本法』の改正を受けて、関連法の改正や学習指導要領の改訂も実施されましたが、教科書記述内容や教育現場での取組への反映は不十分だと感じます」と不満を吐露しているように、辺野古学習のような〝政府批判〟が行われていることに我慢がならなかったのだ。

 衆院選の大勝でフリーハンドの信任を受けたと自負する高市の〝辺野古処分〟は、解き放たれた反動政治の現れである。「高市早苗は、『改正教育基本法』の崇高な理念が完全に活かされる日まで、教育改革への挑戦を続けます」と言明。〝辺野古処分〟は始まりである。教育労働者を先頭に労働者は、高市政権の悪だくみを暴露し警戒し隊列を整えなければならない。

◇安倍批判に対し放送停止命令の脅し

 15年4月17日自民党は、党本部にテレ朝の副会長を呼び出し「報道ステーション」で、安倍政権に批判的な発言を繰り返してきたキャスターの「菅官房長官から圧力を受けている」という発言にたいして〝事情聴取〟を行い、キャスターは番組を降ろされた。政権政党による報道機関に対する強権的抑圧であり、言論統制と同じだ。

 これは、14年に高市が大臣を務める総務省と安倍首相補佐官の磯崎が「放送法4条の政治的公平」についての解釈の見直し――「単一番組でも政治的公平の判断は可能」と解釈変更を求めた――に着手している中での言論統制であった。

 放送法は、「戦前のマスメディアが軍部に協力し正確な情報を伝えていなかったという反省から、放送局の不偏不党・自主自律を原則に、放送局の編集の自由を最大限尊重して制定された」(NHK文研)と、47年に制定した「放送法」の出発点は論じられるが、「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍と立場を共有する高市は、「政治的公平」を盾に、報道機関を「国家」のプロパガンダ機関に変えようとしているのである。

 高市は16年2月の国会答弁で、「単一番組でも放送法4条の政治的公平に反する放送が続けば電波法76条を適用」、「電波停止命令を出す」と強権的・専制的な答弁を行い、この答弁は政府の公式見解となった。この理屈は「教育基本法14条2項」を持ち出して〝辺野古処分〟を行ったのと同じである。

◇中国と対峙する最前線の沖縄

 昨年の衆院選挙で、沖縄の社民党と中道が分裂するなど〝オール沖縄〟が支援した候補が全滅し、沖縄において「反戦・反基地」を結集軸とする運動、急進派などの市民運動や〝オール沖縄〟の運動の破綻が顕在化したのは偶然ではない。

 彼らの運動は「反戦・平和」に対する小ブル的立場の運動では共通である。岸田、石破、さらにステージを上げた高市政権の誕生によって日中の帝国主義的権益と覇権をめぐる対立が激化し、自国の帝国主義的政治、自国政府と闘う階級的立場が鋭く問われる段階となり、小ブル的な改良主義は破綻を迎えた。

 日米中が対峙する最前線の沖縄で、慎重な安全対策を怠り犠牲者を出した辺野古学習は、高市に介入の絶好の口実を与えた。〝辺野古処分〟で高市は、埋め立て反対の県民世論を動揺させ軍事行動に対する理解促進に利用しようとしている。

 労働者党は日中両国の帝国主義的な対立に対してどちらか一方に与しない。習近平の覇権主義を暴露すると同時に高市自民党政権を徹底的に暴露し、その打倒のために闘う! (古)


【1面サブ】

軍国主義強化を宣言・小泉防衛相

米中の覇権争いの縮図・アジア安全保障会議

 5月29日から31日にシンガポールで開催されたアジア安全保障会議で、日本の小泉防衛相は演説し、中国が日本を「新型軍国主義」と批判していることに対して反論したが、小泉は「防衛力を着実に整備する」などと発言し、むしろ日本の軍国主義強化を宣言した。

◇理念に終わる信頼醸成のアジア安全保障会議

 アジア安全保障会議は、英国国際戦略研究所主催のアジア太平洋地域の安全保障課題を議論する国際会議で、会場となるシンガポールのホテルの名前から「シャングリラ・ダイヤローグ」と呼ばれる。今年で23回目で、日本、アメリカ、中国、ASEAN加盟国をはじめとするアジア太平洋地域のほか、ヨーロッパやカナダなど約40カ国から国防大臣や軍幹部、記者などが参加した。

 「何かを決める会議ではない。一番の狙いは、アジア太平洋地域に焦点を当てた対話を通じて、各国・地域の間で信頼醸成をはかること」(朝日5月29日)と言われるが、米中間の貿易をめぐる抗争、南シナ海での中国とベトナム、フィリピンとの領土問題、台湾をめぐる米中及び日中対立など、各国が国家的利益を維持・拡張を図ろうとして現れる軍事的対立は、ブルジョア国家の問題・危険性を現わしている。

 ベトナム最高指導者トー・ラム共産党書記長兼国家主席は、29日の基調講演で「国際秩序は威圧や武力による脅迫ではなく、対話や自制によって形成していくべきだ」としたが一方で「この地域が求めているのは大国の存在や不在ではなく、責任ある関与だ」等と訴えた。

 ベトナムは中国や米国、日本を含む十数カ国と包括的戦略的パートナーシップを結ぶ全方位外交を展開し、特定の大国への依存を避け、経済成長につなげる方針を取っているが、南シナ海の岩礁を巡り、中国などと領有権の争いがあり、「いかなる国も利益を得ることはない」と中国を牽制し、自国の主権を守ると強調した。

◇小泉は軍事強大化を表明し挑発

 先の5月14日15日の米中首脳会談では、両国は衝突を避け、適度な競争のもとで協力し、相違点を管理して安定を保つ「建設的な戦略的安定という新たな関係」をつくることに合意した。

 中国は米国へのレアアース輸出制限を武器に、米中間の関税による貿易制限を一旦元に戻させ、米国は中国への半導体輸出制限を緩和するなど、米中はお互いに自分の利益のために緊張を一時的に緩和したものだ。習はトランプとの会談でも、台湾問題に関して「処理を誤れば両国は衝突しうる」とトランプを威嚇した。

 今回の会議でヘグセス米国防長官は、「中国を含むいかなる国も覇権を強要し、米国や同盟国の安全保障や繁栄を脅かすことはできない」、「持続可能な力の均衡」を追求するとして(5月30日)、同盟国の対中防衛力強化の必要性を訴えた。

 しかし米中会談で合意した「建設的な戦略的安定関係」は、米中が互いに軍事力を強化することに他ならない。

 そしてヘグセスは、対中抑止を図るためには「依存ではなく責任分担の同盟関係を追求する」と、同盟国に軍事費増を求めたのであった。

 この会議で小泉防衛相は31日演説し、中国が日本を「新型軍国主義」と批判していることに対し、「虚偽の主張」だと反論した。しかし去年11月の国会での、台湾有事は集団的自衛権を行使することができる「存立危機事態になりうる」との高市の発言が、中国を挑発し、対立を深めたのだ。

 小泉は、殺傷能力のある武器の輸出を全面的に解禁した4月の防衛装備移転三原則の運用指針の見直しに言及、「地域全体の装備協力において新たな役割を担う」などと述べた。これは殺傷能力のある武器輸出を「ツール」にして、中国と軋轢を深めているフィリピンなど周辺諸国と対中国の軍事力強化を図ろうとする、高市政権の強権的な帝国主義的政治の表明だ。

 中国も、米中首脳会談の後20日、訪中したプーチンと習が首脳会談を行い、経済的協力関係を確認。14日、15日にはブラジル、ロシア、インド、中国、南アメリカなど10ヵ国によるBRICS外相会議が行なわれるなど、中国は新興国への影響を強め囲い込み、米国を中心とする勢力に対抗する帝国主義的政治を進展。

◇労働者の闘いの方向性

 世界はますます相互依存を深め、実質的に一つのサプライチェーンが成り立っているのに、私有財産制を基礎とし、私的利益追求を動機とする資本主義的生産社会は、自国ファーストの政治が横行し、米中対立のような覇権争いを生んでいる。

 世界の労働者の課題は、各国で労働者政党を組織し、社会的生産を担う労働者階級によって社会主義共同体を勝ち取る、資本と闘う階級闘争を発展させることだ。 (佐)


    

【飛耳長目】

★〝ナフサショック〟が列島を震撼させている。政府は「日本全体として必要量は確保されているが、流通の目詰まりが生じている」と、流通の責任にして無策を決め込んでいる★原油から最初に精製されるLPガスは中東依存度が約4%と低く、北米などから安定的に供給されている。次に精製されるのがガソリンとナフサだが、高く売れるのは補助金も出るガソリン。石油元売り会社は、当然のように利益の出るガソリンを優先して生産する★川上で生産順位に劣るナフサだが、これを分解することでエチレンやプロピレンといった基礎化学品が製造され、さらにプラスチックやゴム、電子部品、塗料などの製品へと加工され、日用品から最先端の半導体に至るまで、日本の多様なサプライチェーンの根幹として重要な原材料となっている★庶民にとってポテチの袋がモノクロになるくらいは、後の昔話になるくらいのことだが、日本で最も多く食べられている果物のバナナを黄色く甘く熟成させるにはエチレンガスは欠かせない。毎朝1本のバナナは、エネルギー源やビタミン・食物繊維を手軽に補給できる健康的な食習慣なのだから、波及は御免こうむりたい★元を正せば、トランプとネタニヤフが始めたイランへの軍事攻撃が招いたものだ。「悪の枢軸」を糾弾する! (Y)


【2面トップ】

AIは労働者に敵対的か?

敵対するのは資本主義そのものだ

 AI(人口知能)のニュースが毎日のように飛び込んでくる。生成AIを始め、自動運転車、人型ロボット、医療ロボットなど、実に多彩な応用が実現されようとしている。共同労働社会(高次共同体)なら、AI導入によって危険な作業への人型ロボットの代替や労働時間の大幅短縮に結びつくが、資本主義の下では、AI導入で効率をあげ、労働者を削減しようとする。

◇AI導入と労働者の削減

 AIについて「人口知能」だと騒がれているが、AIは「関数を見つけて処理する装置」と呼ばれるシステムである。AIが言語や映像を理解するのは、適正な関数を見つけ、数学的に〝推論〟をするからだ。

 この推論では、統計や確率、またベクトルや行列式などを駆使し、積分も行う。この推論の精度を高めることによって問いの答えを導きだす。だから、AIを十分に利用するためには、AI特有の推論を高速で処理するコンピューターと膨大なデータ蓄積用のデータセンターが必要になるというわけである。

 AIの利用は、事務や経理ばかりか、生産現場への応用も図られている。AIを使って多品種多目的の製品を自動制御しながら大量生産を行うとか、各生産ラインの品質チェックや工場全体の生産管理に応用するなどである。

 また、AIロボットが医療の場で高度手術の協業〝者〟として活躍し、あるいは、真夏の過酷な土木建設作業を労働者に代わって作業するなら、労働者と社会全体にとって、AI導入は大いにプラスになるだろう。

 他方、政府の肝いりで、高度AIを導入しようとしているのがウイルス対策だ。しかし、企業間のネットの脆弱性を見つけて攻撃するウイルス対策として導入するだけなら、「労働の生産力」は上がらない。むしろ、余計な設備投資になるだけである。

 このように、便利なツールとなりうるAIは、同時に、国家や資本間の対立を反映し、ウイルス対策に多額の費用を投じなければならないという矛盾した存在になっている。しかも、AIは何よりも、資本の利潤のための生産に利用される存在だ。

 だから、AIは資本にとって、機械と同様に安くなくてはならない。だが、AIを導入する個別企業は、AI開発企業に莫大な使用料を払うことになり、結構な負担になる。従って、AIが製造業や全産業の中に浸透できるかは、AI開発企業と他の企業との闘争しだいだ。

 さらにAIを導入するなら、資本の本性として、AI費用の代わりに労働者を削減しようとする。

 しかし、労働者を労働現場から追い出すなら、剰余価値は生まれない。資本は残った労働者に対して、加重労働や長時間労働を強い、より労働量を増やして利潤を生産しようとする。さらにまた、賃金を削減して利潤増大を図るのが常である。

 それでは、AI導入に励み利潤を増やそうとする資本の本性と資本の動向について、資本の利潤率を見ながら以下紹介する。

◇一般的利潤率増大の理由

 70年以降、傾向的に下落の一途にあった一般的利潤率(以下、利潤率)が08年から18年にかけて上昇し、有機的構成(不変資本/可変資本)は下がった(中央大、前原ひとみ)。

 これ以降の動向を調べた学者先生の論文は見当たらないが、「総資本営業利益率」(ROA)で近似的に確認できる。ROAを見ると、製造業は20年度の約3・1%から24年度の約4・2%に上昇している。

 製造業の中でも、ROAが高い化学工業(医薬品・高機能素材)は、20年度の約3・4%から24年度の約4・9%へ、汎用・生産用機械器具製造業(半導体製造装置・ロボットなど)は、20年度の約3・2%から24年度の約5・1%へ、また、電気機器具製造業はEV向け電子部品や生成AIブームに伴うデータセンター向け機器の需要増大で、20年度の約3・0%から24年度には約4・7%へ増えている。

 製造業は設備投資が進めば、固定資本(不変資本)が増えてROAは減るが、営業利益(労働者から搾取した剰余価値だ)の増加率が大なら、ROAは増える。だが、18年比では横ばいだ。

 しかも、大企業の大半は物価高騰を価格転嫁しており、ROAの分子である営業利益が膨らみ、見かけ上ROAを大きくしているに過ぎない。

 このように、製造業の利潤率が増えているのは、コロナ不況をきっかけに、不良設備の廃棄・ネットの採用・AI導入と共に労働者の削減が行われ(19年比で24年の製造業・雇用者は11万人減少)、不変資本と可変資本の節約が進んだからである。

 と同時に、政府による半導体やIT業界などへの投資やAIブームによるデータセンター増築の動きがあり、製造業の利潤(営業利益)増えたことによる。

◇安くて便利な労働材料増大を策動

 政府と経団連は、AI化によって現場から労働者が減ってもいいように、定年退職者や女性の進出を促すなど、様々な手を考えている――生産年齢人口(15~64歳)は減っているが、働く意思のある労働力人口は25年平均で7004万人と過去最多になった。

 例えば、非正規雇用の増大、労働者のフリーランス化、1日8時間働いた後に別の企業で「副業」することの容認(労働時間を増やす)、一定のノルマを越えて働いても同じ労働時間・同じ賃金と見なす裁量労働制の拡充、変形労働時間制の見直し、そして、中高年労働者の賃上げ率抑制(ゼロ%に近づける)等々だ。

 労働過程に入る労働力が減るなら、利潤の源泉は減るのであり、それをカバーするために、労働力人口を増やして競争させ、労働の強度と労働時間延長を策し、そして、賃金支払い総額を下げる。

 資本家は本能的にそれらを知っており、政府に圧力をかけるのである。

 AI導入によって、危険な作業の代替や福祉や医療への利用が進み、また、生産力増大や生産の効率化が進み労働時間の抜本的な短縮が進む可能性がある。

 しかし、これらに立ち塞がるのは、利潤のための生産という労働者にも自然にも敵対する資本主義的生産様式であり、その矛盾の深化である。

 従って、未来を託した根本的解決は、労働者が思想的・実際的に真の労働者政党に団結して資本を打倒し、生産と生産手段の社会的共同占有によって成立する共同労働社会(高次の共同体)の実現によってである。          (W)


【2面サブ】

戦争前提に戦力強化

自民の安保3文書改定提言案

 自民党安全保障調査会は、5月25日、政府による国家安全保障戦略など安全保障3文書改定に向けた提言案をまとめた。提言は、ロシアとウクライナとの戦争など最近の経験を取り入れ、日本が戦争する国となることを前提に軍備拡大・強化を訴えている。

◇無人機の大量導入

 提言は、ウクライナの戦場では、多様な無人機を多量に導入して、従来の武器とも組み合わせつつ目的や戦況に応じて、いかに臨機応変に運用するかがカギとなっているとして、「前線部隊や無人機、人工衛星などをネットワークで連接して情報をリアルタイムで共有し、収集したデータをAIで処理・分析し、意思決定を迅速化する」ことを「新しい戦い方」として挙げている。

 そして水上や水中を含めた無人機導入を「大胆かつ迅速に推し進める」と述べた。水中無人機ならば相手に見つからず情報を集めやすいし、攻撃もしやすい。また無人機は艦船に比べ一般的に低コストだというのがその理由である。ウクライナでは水中無人機を多用し、ロシアに対峙してきた。

 提言では、空域でも無人機を推進するとし、長距離型の運用拡大を謳っている。自衛隊は現在の偵察用からの用途拡大を見据え、今年度予算に沿岸警備に利用する無人機の予算を計上した。

 また提言は敵基地攻撃能力を強化するため「(相手の攻撃範囲外から拠点を破壊できる)スタンド・オフ・ミサイルの量の確保や射程など質の向上を進め、着実に配備することが不可欠」と言う。

 既に岸田政権の下で「防衛力の強化」という名目で「専守防衛」の看板を投げ捨て「敵基地攻撃」を認めたが、その攻撃能力の「向上」を訴えているのだ。長距離ミサイルを発射できる「次世代能力を活用」した潜水艦(原子力潜水艦のこと)の導入検討もその一環である。

◇本格的戦争に備えた兵器生産と備蓄

 さらに見逃せないのは、「年単位での継戦」を維持するために「弾薬・部品・燃料などの十分な備蓄の積み増しや保管体制の整備」、「防衛産業の規模と能力の確保」とそのための生産設備は国有で経営は民間の「国有民間操業」や国営軍事会社(かつての工廠)創設を提案していることである。また軍民両用(デュアルユース)論を唱え、破壊と人間殺傷のための兵器の生産を行う軍需産業の技術は、戦争のみならず経済発展にも役立つかに言い、軍需産業への国家による支援、育成を正当化している。

 これらは本格的な戦争を想定したものである。戦争に備え武器、弾薬などを備蓄したり、そのための軍需産業を育成することは、米国と同じように軍需産業肥大化をもたらすことを意味する。米国では、第二次大戦後、巨大な軍需産業が政府、議会、軍・研究機関と癒着し、軍備拡大や外交等政府の政策決定に大きな影響力を持つ「軍産複合体」が生まれたが、日本もまたこうした腐敗し、反動的な道を進むことになりかねないだろう。

 提言は「サイバー空間において、平時・有事・軍事・非軍事の区別に意味はない。サイバー対処能力強化法・整備法を着実に実施する必要がある」として、「必要な情報保全・秘密保全措置」を講じる必要を謳っている。高市政権は、「国家情報会議」設置法を成立させたのに続きスパイ防止関連法の策定など一連の情報強化を狙っている。これらの反動策動は、本格的な戦争をにらんだ軍備増強と一体である。

◇腐敗し、反動性強める資本との闘いを

 共産党は、軍事力強化や軍事費増額を訴える提言について、トランプ米政権の圧力によるものであり、「同政権の要求に応じなければ見放されてしまうという、対米従属を告白したものに他なりません」(「赤旗主張」、6・1)と言う。

 しかし、「防衛力の変革」を訴える提言の立場は、帝国主義国として国家及び資本の利益を追求する日本の大資本の意思の表れである。

 提言は中国に対して「日本の西南諸島周辺における活動を恒常化させ『第2列島線』に至る西太平洋の広大な海域における運用能力を向上させている。他国の対中経済依存を利用し、輸出規制などの貿易措置を通じながら『経済の武器化』を一層先鋭化させている」と批判している。そして北朝鮮に対しては核兵器とミサイル開発に力を注いでいると非難し、ロシアに対しても――中国と共同の軍事活動を日本周辺で実施しており、日本海での海軍の共同演習などを通じて戦略的連携を強化している――と危機意識を煽っている。そして、中国やロシアらに対抗して、軍事力を強め、米国、韓国、オーストラリア、フィリピン、EU諸国などと連携を強めるべきと言う。日本は中国やロシアと勢力を争っているのだ。

 米国の圧力に屈するなと言う共産党の主張は、資本の支配に反対する労働者の闘いを日本の米国従属からの自立という民族主義運動にゆがめ、解体するものである。

 世界の労働者の団結と連帯という国際的な立場を堅持し、腐敗し、反動化強める資本の支配に反対し、その根絶に向けて闘いを発展させていこう。 (T)


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