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労働の解放をめざす労働者党機関紙『海つばめ』

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アベノミクス」を撃つ
カネをバラまくことで国も経済も救えない。


著者・林 紘義
全国社研社刊
定価=2000円(+税)
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「アベノミクス」を徹底批判

崩れゆく資本主義、「賃金奴隷制」の廃絶を
資本の無政府主義の横行闊歩そして蔓延する国家の無政府主義


著者・林 紘義
全国社研社刊
定価=3000円(+税)
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序 章=世界恐慌の勃発とその必然性 第一章=“株式”資本主義の横行とその「論理」 第二章=“株式”資本主義の“暴走”と堀江、村上“現象” 第三章=日本版“新”自由主義とその結末 第四章=“金融重視”政策のとどのつまり 第五章=銀行救済と「公的資金の投入」 第六章=歯止めなき財政膨張と近づく国家破産 第七章=“グローバリズム”と労働者階級 第八章=階級的闘いを貫徹し資本の支配の一掃を 

『「資本」の基礎としての「商品」とは何か』


著者・林 紘義
全国社研社刊
定価=1600円(+税)
●お申し込みは全国社研社または各支部・党員まで。

《全九回の報告及び講義のテーマ》
第一回 「資本」とは何か?
第二回 「冒頭の商品」の性格について
第三回 「労働価値説」の論証
第四回 「交換価値」の“質的”側面と貨幣の必然性
第五回 商品の「物神的性格」(“呪物的”性格)
第六回 貨幣の諸機能と“価格”(貨幣の「価値尺度」機能)
第七回 紙幣(もしくは“紙幣化”した――して行く――銀行券)とインフレーション
第八回 特殊な商品――労働力、資本、土地等
第九回 『資本論』(「商品」)と社会主義

林 紘義著作集 全六巻


著者・林 紘義
全国社研社刊
定価=各巻2000円(+税)
●お申し込みは全国社研社または各支部・党員まで。

第一巻=「労働価値説」擁護のために
第二巻=幻想の社会主義(国家資本主義の理論)
第三巻=腐りゆく資本主義
第四巻=観念的、宗教的迷妄との闘い
第五巻=女性解放と教育改革
第六巻=民族主義、国家主義に抗して


●1515号 2026年1月25日
【一面トップ】解散は権力強化のためだ!
        ――周到に準備進める軍事強国化
【一面サブ】 「中道」では闘えない
        ――立、公が「中道改革連合」を結成
【コラム】   飛耳長目
【二面トップ】 維新の悪あがき大阪ダブル選
        ――反動高市の尻馬に乗る「大阪都構想」
【二面サブ】  独〝欧州最強の通常軍〟宣言
        ――〝武装〟するヨーロッパ
       ※『海つばめ』PDF版見本

【1面トップ】

解散は権力強化のためだ!

周到に準備進める軍事強国化

 高市は23日召集の通常国会冒頭での衆院解散を決めた。国会冒頭解散となれば、通常国会の日程が短くなり予算成立が遅くなる。また、連立を組む維新の看板政策の一つである「議員定数削減」は廃案になるかも知れない。それなのに、なぜ、高市はこうした策略を練ったのか?

◇渦巻く高市の策略

 高市は自分の取り巻き=側近だけで協議を進め、衆院抜き打ち解散を練ってきた。その答えが国会冒頭での解散だ。

 「積極財政」や目先の「物価対策」で「高市人気」が陽炎のように生まれ、とりわけ、高市の本性を知らない20~30歳代では、実に7割が「高市人気」を支えている。人気が冷めないうちに国会を解散するなら、自民党や維新が大勝し、高市政権は強い国家権力を握ることができる――この取り巻きによる「調査予測」に高市は飛びついた。

 「調査予測」のようになるなら、高市政権発足後に、次々と出てきた内外の高市批判を和らげ、逸らし、また無視することが可能になると算盤を弾いた。そして、算盤勘定の先に高市は、「新安保3文書」を閣議で決定し、「殺傷能力のある武器輸出」や「非核三原則の見直し」また「原子力潜水艦保有」などの軍事強国化を見据え策動している。

◇高市批判や疑惑を封じる

 高市は「高市人気」がずっと続くとは考えていない。物価高騰が治まらず、労働者の実質賃金が今後も減少するなら、高市の「物価対策」に対する批判が高まり、高支持率が陰るのは必至だ。高市は支持率が下がってから国会を解散したくなかった。 さらに、高市への批判や疑惑がいくつも生まれ、高市はこれらをかわすことに迫られているのだ。

 その一つは、国会答弁の中での台湾有事=戦争開始発言で、日中間がギクシャクしだしたことである。反発した中国は渡航自粛をはじめ、魚類の輸入禁止や日本へのレアアース輸出を制限する方針を次々に打ち出し、その上に日本から中国に輸出した酒類や食品の関税手続きを遅延させ始めた。

 こうした事態に危機感を抱いた財界は、不用意な発言だったと高市を辛辣に批判し始めている。だが、自らの発言を撤回する意思など毛頭無く、財界や野党また自民党内部からの批判を抑えるためには、選挙で大勝することが一番の対処方法だと考えた。もちろん、与党の議席が大幅に増えたとしても、日中間の対立が消える訳ではないが、批判の矛先を鈍らせられると高市はもくろむ。

 加えて、週刊誌が高市の旧統一教会との深い関わりを報道し、「現代ビジネス」も昨年12月、奈良市を拠点とする宗教法人の女性教祖が高市に3千万円もの高額献金を行っていることを配信した。

 「高市総理が代表を務める政党支部『自由民主党奈良県第二選挙区支部』の収支報告書によれば、川井氏は24年7月2日に個人として1000万円を献金。さらに特筆すべきは、川井氏が代表を務める宗教法人『神奈我良』(かむながら)も同年12月13日に3000万円という巨額の献金をしているのだ」(25・12・3現代ビジネス)。

 日中関係のあつれきに加えて、旧統一教会との深い関係が暴露され、奈良の宗教法人からの巨額献金に対する追及が始まるなら、国会審議も滞ることは避けらず、高市はこれら火の粉を振り払うために、多額の税金(6百億円以上の選挙費用)を私物化し選挙で勝利しようとしている。高市は安倍同様に自己中であり、ご都合主義者である!

◇「国家経営」を任せろと高市

 19日、高市は記者会見を行い、国会を解散する理由を述べた。

 「連立の枠組みが変わった」等を挙げたが、高市が最も強調したのは高市自身に「国家経営を託して頂きたい」というものであった。これは、首相が強力な主導権をとる「大統領的な内閣(首相)」で「国家経営」を行うという宣言であり、かねてからの高市の考えを公然化したものである。

 だから、「高市人気」という幻想が冷めない今こそが最大のチャンスであり、勝利して軍事強国化(スパイ防止法制定や改憲も含む)を断行したいのである!

◇労働者の未来を展望して闘おう!

 「西半球」を米国の庭とするトランプの「新安全保障戦略」への転換も相まって、政府の取り巻きから「核武装」発言が飛び出したが、高市が「非核三原則見直し」を断行したいことから出たのであり、一層の軍事強国化を暗示している。

 実際、26年中に「新安保3文書」を閣議決定するために、この春に「有識者会議」を設置する。高市政権はこの文書の中に、新たに「殺傷能力のある武器の輸出や供与」、「非核三原則見直し」、「原子力潜水艦保有」などを盛り込むつもりだ。

 さらに「新安保3文書」の柱の一つとして、「太平洋の防衛強化」を掲げる方針を固めた(この4月に検討会議を設置)。これは、中国と帝国主義的な(経済的軍事的な)覇権争いの激化に備えて、台湾海峡・沖縄諸島海域から太平洋に至る広い範囲で軍事活動ができるようにするためである。

 高市と習近平の対立は、日本と中国によるアジアの経済的軍事的な覇権争いの反映であり、台湾のみならず、東南アジアや太平洋をも含むつばぜり合いに発展している。

 既に、日本と中国の資本主義は「帝国主義」に転化しており、軍事強国化は戦争抑止ではなく、第一次、第二次大戦がそうであったように、帝国主義戦争に行き着く。

 労働者がなすべきことは、高市政権の「積極財政」はカネのバラ撒き策であり、労働者の生活を抜本的に改善しないことを見抜き、合わせて、30年間も続く「実質賃金低下」は「資本主義の限界」を示していることを確認することである。さらに、立憲はもちろんのこと、共産や社民らも皆、憲法が認める範囲で自衛隊を容認しているが、自衛隊は「資本の国家の軍隊」であり、高次共同体社会=共産主義社会に向けて闘う労働者に敵対するものだ。今必要なことは、高市らと闘うと共に、資本主義の改良や利潤の再分配を目指す共産らではなく、労働の解放を掲げて闘う労働者党に結集することである! (W)


【1面サブ】

「中道」では闘えない

立、公が「中道改革連合」を結成

 内閣の高支持率に乗じて高市によって抜き打ち的に決められた衆院選に対応して、立憲と公明両党は、新党「中道改革連合」を結成して選挙戦に臨むことになった。二つの党が合流して、右翼反動高市政権に対抗するという。新党は反動勢力と闘い、労働者働く者に未来を切り開くことができるのか、それが問題だ。

◇中道政党とは

 立憲の野田代表は、「『中道』は、右にも左にも傾かず、熟議を通して解を見出していくという基本的姿勢、『改革』は生活者ファーストの視点で現実的な政策を打ち出していくことだ」と言う。「右」でも「左」でもない「中道」の立場などというのは、曖昧で動揺的な立場でしかない。

 もともと「中道」の立場を吹聴してきたのは公明だ。自民のような資本の立場でもなく、資本の支配に反対する労働者の政党でもなく、いずれの立場にも偏しない「中道」の立場=「国民」のための政党だと名乗ってきた。公明の斉藤代表は、「中道」について、「右と左の中間」という意味ではなく、「人間中心」の立場だとして次のように言う。「人間の幸せ第一、人間の幸せよりほかにもっと大切なものがあるという考え方ではない、人間中心主義です。また別の言い方をすれば人間の生命、生活、生存を最大限尊重する考えだと思います。また分断と対立をエネルギーにする、そういう政治手法ではなく、異なる意見を聞きそして合意形成を図っていく、粘り強い対話で合意形成を図っていく、そういう政治手法、これを私どもは中道主義、共生社会を目指していくことを中道主義の一つの側面だと思います」(ABEMA NEWS1・15)。

「人間の生活第一」などと叫びつつ、公明党は26年間も自民党と連立政権を組んできた。その間ざっと挙げただけでも、原発容認、アフガン駐留米軍への給油支援活動容認、特定秘密保護法賛成、沖縄辺野古基地建設賛成、軍備増強の安保関連3法賛成、企業献金廃止ではなく、ごまかしの「資金透明化」案に賛成など数々の悪政に加担してきた。自民との協調に終始してきた公明への不信、反発は広がり、一昨年の衆院選に続き昨年の参院選でも惨敗し、このままではじり貧と、彼らは連立から降りることになった。

◇立憲民主の堕落の深化

 立憲の野田は、公明と一緒になって「中道改革連合」という新党を結成して、高市政権に挑むと言う。まず、今度の衆院選では、参議院は現在のままにして、小選挙区では立憲の候補者だけにして、公明は比例区に立候補する。その代わりに比例区の候補の当選順位は公明を優位にするという計画である。

 19日、新党の綱領が発表され、それによれば、「生活者ファーストの政策を進める中道主義」が求められている、「生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義」を理念として、次の5つの「政策の柱」を掲げている。

 「国民の利益と幸福に奉仕する国民政党」、「一人一人の幸福を実現する、持続的経済成長への政策転換」、「現役世代も安心できる社会保障モデルの構築」、「選択肢と可能性を広げる包括社会の実現」、「現実的な外交、防衛政策・憲法改正論議、日米同盟と平和外交を軸とした現実外交・防衛政策」、「不断の政治改革と選挙制度改革─政治資金の透明化、民意が正しく反映される選挙制度改革など」。これらはほとんど公明が言ってきたことと同じだ。

 野田立憲は、「中道改革連合」への結集次第で、高市政権に代わる新たな政権交代の可能性もあると言う。しかし、実現したとしても、何も現状は変わらない。公明党からは、「左(派の議員)の一部はしっかり切ってほしい」との声もある(朝日、1・17)。立憲はますます労働者から離れ、ブルジョア政党に堕落を深めている。「中道改革連合」では、右翼反動や資本と闘い、労働者の未来を切り開いていくことはできない。 (T)


    

【飛耳長目】

★〝日本へのレアアース輸出、中国が規制〟――それを受けて高市や大資本はおののいている。それもそのはず、日本のそれは中国産が全体の6割にも及び、電気自動車(EV)に至っては10割だ★レアアース(希土類17種)は、電子機器・情報通信、自動車・エネルギー、医療、航空宇宙・軍事防衛等々ハイテク産業から次世代エネルギーに至るまでなくてはならないものだ。予想埋蔵量は、中国4400、ブラジル2100、インド600、オーストラリア570、ロシア380、ベトナム350(いずれも万t)で、〝安価な中国産〟(オーストラリアはその5倍)は生産全体の9割を占める★中国はこれを〝対外的武器〟として利用し、例えば米国関税に対する報復として規制をちらつかせ、トランプをぎゃふんとさせた。今度は、日本への報復だ★13日、探査船「ちきゅう」が清水港を出発し、南鳥島沖へ向かった。海底6千mにリアアース泥があるとされるからだ(推定埋蔵量1600万t)。レアアースを巡る争奪は、国家間の競争と対立で生み出され、いよいよ激しさを強めた★暴君トランプはベネズエラの石油を押し込み強盗し、今度はグリーンランドを狙っているが、そこにも氷河の下にウランや石油と共にレアアースがたっぷり眠っていることを付け加えておこう。 (義)


【2面トップ】

維新の悪あがき大阪ダブル選

反動高市の尻馬に乗る「大阪都構想」

 27日公示、2月8日投開票とする衆院選が始まる。維新は16日吉村大阪府知事と横山大阪市長が辞職、大阪都構想への再挑戦の是非を問う出直しダブル選が同時に行なわれる。維新は去年10月の連立政権合意文書に、「都構想」への布石ともなる「副首都構想」の実現を盛り込ませている。このダブル選は、維新の党利党略によるものだ。

◇維新の看板政策「身を切る改革」とは

 維新が「身を切る改革」の象徴としたのが、公務員の人員削減、給与削減であり、その一環が議員の定数削減だ。

 維新はこれらの「身を切る改革」で生み出した財源で、大阪府下で教育無償化などの政策を実施している。それらの政策は確かに生活苦に喘ぐ若い労働者にとっては一助となるが、それを所得制限撤廃で行なっている。「教育無償化」の私立学校授業料無償化、塾代助成、大学授業料無償化などは、所得の多くを教育費に向けることができる中高所得世帯が対象になるので、利益を多く受けるのは中高所得世帯だ。これは所得格差を是正するものではなく、むしろ、格差を助長する。それは中高所得世帯層にも支持を広げるためのもので、大衆受けを狙う維新のポピュリズム政治の本質が現れたものだ。

 議員の定数削減は、少数政党には不利で、多数派の与党に有利になる。すでに大阪府市で実施され、府議会の定数は2011年に88に削減し、22年に79にまで削減した。大阪市議会では23年に81から70に削減した。「身を切る改革」を錦の御旗にするが、維新に有利な定数削減である。これによって維新は23年の統一地方選で、府議会では23%の得票で議席を7割、市議会でも25%の得票で6割を占有した。府知事、大阪市長も維新であり、維新は大阪府下の権力基盤の強化を図ったのだ。

◇「身を切る改革」の破綻

 自維の連立政権合意文書では、「教育政策」として「高校無償化を26年4月から実施」などとし、「政治改革」として「1割を目標に衆院議員定数を削減するため、25年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指す」とするが、一方、維新が主張してきた「企業団体献金」の廃止に関しては、「禁止より公開」にとどめたい自民におもねり、「政党の資金調達の在り方について議論する協議体を25年臨時国会中に設置する」とした。

 合意文書は、25年7月参院選と24年10月衆院選で労働者大衆からNOを突きつけられ支持を減らした自民と維新が、反動的政権の存続を図るものに他ならない。それに合意した高市反動政権と維新は、ともに多くの労働者働く者に敵対する政党であることを示した。

 維新はこの合意文書に関し、「政治改革のセンターピンは議員定数の削減」(10月17日)と述べ、自維与党は12月5日に「衆院議員定数(465人)の1割削減」を実現するための法案を衆院に提出した。この法案には、具体的な削減方法を与野党で協議するとし、1年以内に合意できなければ、自動的に「小選挙区25、比例区20」を削減することを盛り込んだ。功を焦る維新の反民主主義的な本性が現れた。これに野党は猛反発、自維は結局、臨時国会での関連法案の審議入りもかなわなかったのだ。

 我々労働者は、現在の選挙制度を民主主義的に改革し、「小選挙区制の廃止と全国単一比例代表制の実施」、「不当不正の供託金制度、政党助成金制度の即時廃止」など「労働者、勤労者の意思が正確に表現される選挙制度実現」(『労働の解放をめざす労働者党綱領・規約』34頁)を求める。

◇「都構想」のために仕掛けたダブル選

 高市首相は、通常国会冒頭で衆院を解散する暴挙に出た。維新は、維新との合意の政策を放置したままの解散を許していいのであろうか。維新はすぐさま合意した政策の国会審議に入り、「議員定数削減」、「副首都構想」などの政策実現を進めるべきではなかったか。しかし維新は高市の衆議院解散に賛同し、吉村大阪府知事と横山大阪市長が辞職し、同じポストで立候補するダブル選を衆院選と同時に行ない、「都構想再挑戦への民意の確認」をするとした。

 維新は、自民との連立政権合意文書に「副首都構想」を「絶対条件」として盛り込ませていた。維新作成法案の「副首都法案骨子素案」では、副首都の要件として「特別区の設置」が持ち込まれた。特別区に合致するのは大阪市だけで、大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」の実現を前提とするのである。維新は「副首都構想」承認によって、これまで住民投票で二度も否決された「大阪都構想」の実現を狙おうとしている。

 今回総選挙で自維連立政権が多数を獲得し、合意書の政策が信任されたとするなら、そこから「副首都構想」を進め、その過程で「大阪都構想」の実現を図るのが筋だろう。

 しかし維新は、衆院選と同時に行なわれるダブル選を仕掛け、この衆院選の争点に「大阪都構想」を合わせたのである。

 合意文書の「副首都構想」では、「副首都」は必ずしも大阪に限られておらず、大阪以外の都市が候補に挙がる可能性もある。維新はダブル選で勝利を得られると見込んでおり、総選挙での与党の信任と同時に「大阪都構想」への住民投票実施の信任も得たとする目論見があるのだ。

◇金権腐敗の連立政権を倒そう

 維新は「身を切る改革」が信条だが、〝身を肥やす〟数多くのカネをめぐる不正等は枚挙のいとまがない。最近では、党所属の県議や市議が、国民健康保険の高額な保険料の支払いを回避するため、一般社団法人の理事に就任することで社会保険に加入し、保険料負担を軽減する「国保逃れ」が露見した。また藤田共同代表が、公設第一秘書の会社に約2千万円の公金を支出していた問題が発覚している。

 これらは腐敗した自民党の裏金問題と同根だ。自維連立政権は、その反動的な政治手法においても、また、不正腐敗の金権体質も同じである。労働者はこの衆院選とダブル選で、自維政権の腐敗した反動政治に断固反対し、彼らを追い詰める闘いをしよう。 (佐)


【2面サブ】

独〝欧州最強の通常軍〟宣言

〝武装〟するヨーロッパ

◇4年目を迎えるウクライナ侵攻

 プーチンのウクライナ侵攻は4年目に突入しようとしている。国連ウクライナ人権監視団は12日、25年のウクライナの民間人死亡者が2514人、負傷者が1万2142人、ロシアによる全面侵攻が始まった22年以降で最多になったと発表した。

 ロシア側も兵士の死傷者は100万を超え、北朝鮮から砲弾や大砲、ミサイルを輸入し、北朝鮮や各共和国から徴用した兵士、囚人を最前線に投入するほどに兵員がひっ迫している。

 ロシアの攻撃で、ウクライナの電力などインフラ施設の破壊が進み、極寒の中で暖房が止まり、断水などで困難な生活が強いられている。ロシアは厭戦気分を高めさせてウクライナの抵抗力をそごうとしているが、ウクライナの世論調査では63%の国民が「必要なだけ耐える」と回答している。

 一方では若者がウクライナを離れ、20万人が軍から脱走し2百万が徴兵逃れで指名手配されている。ロシアにおいても百万人を超える若者などの流出が続いている。

 ウクライナの苦境は、26年国家予算からも明らかである。歳入(借入金含む)は2兆9千億フリブニャ(約10兆75百億円、1フリブニャ=約3・7円)、歳出は4兆8千億、軍事費は2兆8千億で、GDP比27・2%。歳入のほぼすべては軍事費に充てられる。海外からの資金提供は2兆8百億を見込んでいる(ビジネス短信12・15)。

 社会保障費、教育費、医療費などの費用は外国からの資金に依存し、戦時財政の持続可能性はゼロに近い。ゼレンスキー腹心の高官が巨額汚職で摘発されるなど、ウクライナ政治の腐敗と退廃は依然深刻だ。

 停戦交渉は錯綜としている。12月21日にウクライナ側から提案された20項目の和平案に対してロシア側からは、「大半は絶対に受け入れられない」と進展していない。領土問題に対して米国は、和平案として東部からウクライナ軍を撤収させる「自由経済圏構想」を発表したが、これはウクライナに領土の割譲をせまり、鉱物資源を収奪し、これまでの軍事支援を回収するトランプ・ビジネスである。

 ウクライナも自国に埋蔵するレアアースを利用している。ウクライナ中部にあるドブラ鉱山のリチウム鉱床採掘権を米国の資源開発企業(米政府が最大の株主)が落札したのは、トランプの調略を狙ったウクライナ側からのディールに他ならない。開発にはトランプの友人も関与しトランプ一族が懐を肥やすお決まりのトランプ錬金術である。

◇武装強化するドイツ・EU

 ウクライナ侵攻とEU内で台頭する極右ポピュリズム政党への支持を公然と掲げながら登場したトランプ2・0は、プーチンとの親密な関係を見せ、ウクライナを恫喝しEU各国に軍事費のGDP5%を要求した。

 プーチンとトランプに衝撃を受けたEUは、25年3月に「準備連合戦略」を発表し、それは、「欧州再軍備計画」(8千億ユーロの軍事費を調達)、EU初の「欧州防衛白書(準備2030)」(欧州の防衛産業の強化など)と「欧州準備連合戦略」(危機に対し協調して対処)の3文書で構成され、EUは一気に再軍備に舵を切った。

 10月には準備2030の具体的な工程表が発表され、ロシアのドローンによるEU各国への領空侵犯に対する「欧州ドローン防衛イニシアチブ」と「東側防衛監視体制」を28年末までに整備すると発表された。準備2030の実現には35年までに6兆8千億ユーロの巨費(約1240兆円)が必要である。

 EUで軍事力増強の先頭に躍り出たのは独である。メルツ独首相は7月16日、BBCの番組で、29年までに「対ロ戦争への再軍備」「欧州最強の通常軍」を完了させると発言した。トランプの〝EUは安全保障に十分な資金を出していない〟という非難を受けての発言ではあるが、それにとどまらない転換した独の立場を明らかにしている。それは独もヨーロッパ大陸において独の国益・権益を擁護し拡大する帝国主義国家間の競争に公然と参入することの表明に他ならないのである。

 25年に国防費を「債務のブレーキ」の対象から除外する法改正を行い、26年度の国防費は前年比32%増の827億ユーロ(約14兆7百億円)GDP比3・5%、NATO目標を予定より6年早く達成する。軍事力増強の背景は、ロシアの軍事的脅威に対抗すると同時に、独経済の深刻な状況がある。23、24年とマイナス成長が続き25年のGDPは前年比0・2%増とプラスを記録したが、天然ガスの供給削減や自動車産業の停滞、トランプ関税や中国との競争激化で経済は停滞している。

 国家財政の軍事費急増で、軍事産業への投資拡大と兵器生産によって経済発展をもたらすと、独の資本は期待する。ある試算によれば、防衛費がGDP3%になった場合の独のGDP付加価値変化率では「その他輸送機械」が12・3と桁違いに大きい。「その他」には、航空宇宙・軍用車両・造船などの軍需産業が含まれている。

 しかし急増する軍事費は29年までに1400億ユーロの財政赤字の拡大をもたらす。まして軍需産業の拡大による経済拡大は労働者が生産した富をどぶに捨てることであり経済発展は幻想である。

 EU27加盟国で徴兵制を導入しているのは、ロシアと国境を接し対峙する北欧など9カ国あるが、EU内で圧倒的な経済力と人口、信用力(独国債の格付けは最高位)を誇る独も27年から徴兵制復活を検討している。

 独における徴兵制復活は「欧州最強の通常軍」をめざす独の象徴になり、過去のいきさつもあってEU内の主導権をめぐって、仏との軋轢を深める可能性もある。

 資本の国家の軍備増強策動に反対し、労働者階級は連帯し自国政府打倒のために闘おう! (古)


《前号の訂正》

 1513号2面サブ「不都合な高市発言」記事の1段目の本文2パラと3パラの「釜山G20サミット」や「G20」は「釜山APEC首脳会議」の間違いでした。

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