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●1516号 2026年2月8日 【一面トップ】帝国主義のための投資戦略 ――安全保障投資で経済発展というペテン 【一面サブ】 反動政策を強める維新 ――高市を当てに党勢復活を目論む 【コラム】 飛耳長目 【二面トップ】 「原発回帰」は即刻中止せよ! ――捏造する中電・警報鳴り響く東電 【二面サブ】 まやかしの「新財源」づくり策 ――中道の「政府ファンド」構想 【二面サブ2】 【読者からの投稿】 ※『海つばめ』PDF版見本 【1面トップ】帝国主義のための投資戦略安全保障投資で経済発展というペテン「高市の積極財政」は「アベノミクス」の二番煎じであり、従って財政のバラ撒きに帰着することを論じてきた。その中でも最悪なのは、新年度予算案に過去最大の軍事費9兆円(軍事ローンは18兆円)を盛り込み、安全保障への投資が「経済発展」に繋がるという幻想を若者たちに振り撒いていることである。 ◇軍需産業の労働は非生産的高市が振りまく幻想とは次のようなことである。 最近、安全保障に対する投資の必要性が高まり、この分野に対する「供給力を高める政策」が求められている。政府が積極的にこの分野に投資することは、軍需産業のみならず関連する産業が潤い、日本の経済発展につながる。その結果、GDPは上がり、「国債残高の対GDP比」は減少し財政不安は減る云々。 しかし、武器を生産する部門への投資が「経済発展」に繋がると言うのは、実に馬鹿げている。 政府が軍需産業にカネを出して生産された武器(戦車やミサイルのみならず軍用通信設備や管理システムなども含む)は生活手段にはならない。武器を生産するための原材料や工場も同様である。この武器製造に支出した労働は生活手段を作るという生産的労働ではなく、従って、武器製造に支出した労働は人々の生活と福祉のためにならない〝無駄な労働〟である。 衣食住に必要な生活手段を生産する場合には、工場や機械などの生産設備や原材料を作る労働が必要だ。それらが生産手段となり、労働者の新たな労働を加えて生活手段を作る。農業部門においても、種子・肥料と改良農地や農機具などが生産手段になり、穀物や野菜や果物を作るために労働が追加支出される。これらの労働は全て本質的に生産的だ。 反対に、人殺しと破壊を目的とする武器生産のための労働は非生産的労働である。 高市のような高慢で退廃したブルジョアには、非生産的労働を投入して軍事国家をつくることが〝善〟に見え、さらに軍需産業部門が儲かるなら「経済発展」に繋がるように映る。これは、世界の人々の生活と経済を破壊することを厭わない軍国主義者の姿である。 ◇生産的労働者の負担は増大「安全保障による経済発展」という高市幻想が現実になるなら、生産的労働者は一層の負担を強いられる。 仮に、軍需部門が無い場合の社会全体の総労働は、100労働単位であるとする。軍需部門ができて、ここに30労働単位を注ぎ込むなら、生産的労働は減った上に、軍需部門のために生活手段を作らなければならない。生産的労働者は相当な負担を強いられる(搾取が強化される)。 加えて、武器が完成しても、武器は生産手段でも生活手段でもないために、生産的労働の部門では全く買われない。武器は軍事的に浪費され、無駄遣いされるに過ぎない。 結局、武器に支払う費用は国家から支出することになる。この国家支出の元手は税金であり、この税金を負担するのは、労働者であり、生産的労働者が生み出す剰余労働(搾取労働)によってである。この負担について、税金ではなく国債発行で行うなら、将来の若者たちが背負うことになる。 従って、軍需部門が利潤を上げるとしても、形式に過ぎず、実体は、生産的労働者の剰余価値を分割し、国家を媒介して分捕ったものだ。だから、軍需産業が増大すればするほど、生産的労働者と若者への負担は増大する! ところが、高市らは、安全保障への投資によって「強い日本」と「経済発展」に繋がるという幻想を振りまき、多くの若者たちを虜にしている。 しかし、天皇制軍国主義の時代には、軍事経済体制で疲弊した経済の下、学徒を工場に動員し、多大な犠牲を押しつけ、戦争に協力させた。 また、軍事拡大と戦争維持のために借金を積み重ね、GDPの2倍に上る国債を発行し、「インフレ」(貨幣価値の下落)を巻き起こし、激しい物価高騰が発生し、生活の困窮を極めた。 これらの歴史的事実を学ぶなら、この非生産的な労働に依拠した経済の犯罪的役割は明らかになる。高市らの犯罪的策動も明らかにされ、徹底して糾弾されなければならない。 ところが、高市の腰巾着となった永浜利広(リフレ派の評論家)は、低金利と財政出動を重視し、「供給力を高めて成長をめざす」とか、「供給力不足の解消によって、行き過ぎたインフレを抑える」などと言っているが、とっくに破綻した理屈を高市に奉じている――「セイの法則」で有名なセイは、貨幣数量説を基に「供給はそれ自身の需要を(自動的に)創造する」と唱えた。安倍政権をリードした黒田・日銀総裁や高橋洋一らのリフレ派学者もまた、セイと同じ貨幣数量説で、金利を下げれば貨幣が市場に流れ、貨幣がモノより多くなり、モノは「希少性」となって物価が上がるという「希少性理論」を主張した。だが、安倍らの理屈は直ぐに破綻した。 ◇高市の愛国主義を打ち破ろう!帝国主義戦争ともなれば、武器は大量に作られ、「防衛」を隠れ蓑にして他国を攻撃し、人々を殺戮するために使用される。高市や習近平にとって、武器はアジアの覇権を争うためのものでしかない。 高市は盛んに「強い日本」とか「豊かな日本」を強調し愛国主義を煽っている。しかし、世界中の労働者も日本の労働者と同様に、資本に雇われ剰余価値を収奪される仲間であり階級的な同胞だ。 高市が今度の選挙で「安全保障による経済発展」と共に「日本」を強調するのは、経済的側面だけでなく、労働者を愛国主義に染め上げ、帝国主義戦争に備えるためである。 つまり、日本の労働者を、他国(中国など)の労働者と闘う愛国主義の人材(=高市にとっての〝武器〟)に作り変えて、利用するためである。 労働者よ、若者よ、高市の扇動と策動に注意せよ。労働者の観点に立とう。高市らを倒すために、そして無力な野党や野党に迎合する新左翼諸派を乗り越え、働く者の共同体社会を目指して共に闘おう! (W) 【1面サブ】反動政策を強める維新高市を当てに党勢復活を目論む8日投開票の衆院選(定数465)では、自維で300を超える予測(朝日2月2日)が出ており、本紙が読者の手に届く頃にはその結果と、同時に行なわれた大阪府知事、大阪市長選の結果も出ているであろう。衆院選をめぐる維新の反動政治を確認しよう。 ◇反動的維新の政策維新は去年9月18日、提言「21世紀の国防構想と憲法改正」を公表した。「戦力不保持」を定めた憲法9条2項の削除や集団的自衛権行使の全面的容認、憲法への「国防軍」明記などを打ち出した。「わが国の抑止力の増強および日米同盟の深化が喫緊の課題」などとし、日本の軍国主義化を進めるのが目的だ。自民との連携を見据えたものだ。 自民と維新が去年10月20日結んだ連立政権合意書によって高市政権が発足した。維新は高市自民との連立政権合意書にもこの提言を反映させた。 合意文書には、高市が政策の肝とする「積極財政」が掲げられ、飲食料について2年間消費税減税の検討、「衆院議員定数の1割削減」、「副首都構想の実現」など維新の要求が入っているが、社会保障削減、憲法改正、安保3文書の前倒し改定、国家情報局の創設、外国人政策強化などは、自民と維新に共通する国家主義的反動政策だ。そして、「高校無償化」など、維新が大阪で進めてきたポピュリズム政策、さらに原発再稼働などが盛り込まれた。 政治改革では、企業団体献金の取り扱いについて自民は「禁止より公開」、維新は「完全廃止」としていたが、交渉の過程で維新はこれを下げ、「改革のセンターピンは議員定数の削減」と言い課題をすり替え、自民にも受け入れられる内容に後退。また裏金議員を公認した自民の金権政治を不問とし自民を助けている。 自民の政治支配に打撃を与える「企業団体献金の禁止」を、労働者の代表が国会に進出しにくくなる「議員定数の削減」に変えるなどは、維新の反労働者性を示すものだ。労働者は、「供託金の廃止」や「全国単一比例代表制」など、より民主的な選挙制度を求める。 ◇危険な高市政権に加担する維新高市は11月7日の国会答弁で中国による台湾侵攻に関し、「(中国による)武力攻撃が発生したら存立危機事態に当たる可能性が高い」と発言し、日中間の対立を深め、現在も収拾していない。高市は「台湾有事は日本有事」だとして、日本の更なる軍拡を推進し、日米軍事同盟を強化しようとしている。高市の政治は中国を挑発し、両国の対立、反目を激化させる。 しかし維新は高市発言を「撤回する必要はない」(11月18日)と高市を支持し、その国家主義的態度を露わにした。 高市は衆院選で何を問うかについて、発足した新しい自維連立の枠組みと、「責任ある積極財政」や安保3文書の見直しなどの政策転換の判断をあげたが、前面に出したのは「高市早苗に国家運営を託して頂けるのか」だった。高市は与野党とも大差はない「消費税減税」や、「責任ある積極財政」を掲げ、政策の主張より高市人気に寄りかかり支持を得ようとした。 維新吉村は高市を持ち上げ、「政権のアクセル役」となって、高市がめざす国家の安全保障、経済成長を一緒に進めると訴え、高市の「人気」戦略に加担した。維新は公約に「核共有」の議論の開始、武器輸出規制の撤廃などを明記している。これらの政策は高市反動政治の先駆けの役割を担うものだ。 高市の掲げる積極財政は、長期金利上昇や円安など、財政破綻の兆候として現れ始めている。しかし高市は今の人気にあやかり衆院選を勝ち抜き、安定政権を築こうと企む。 労働者は、高市自維政権が強める反動政策を暴露し、階級的反撃を強めて行こう。 (佐) 【飛耳長目】 ★在日朝鮮人家族に北朝鮮が「地上の楽園」などの虚偽の情報で渡航させた「帰還事業」を巡り、北朝鮮政府に損害賠償を求めた脱北者らの東京地裁裁判で8800万円の賠償命令が下された(北朝鮮側は一度も出廷せず)★戦後すぐの50年代から84年にかけて行われた同事業で在日朝鮮人50万人弱のうち約9万3千人が永住帰国した。筆者の名古屋の小中学校時代の同級生のN君家族も含まれている★小学校時代から新聞配達のアルバイトをしていたN君は高校2年在学中だったが、通学の電車で会った際に「北朝鮮に行く」と打ち明けられた。「元気でな」と言うのが精一杯だった。67年のことだ★学校のクラスには、何人かの朝鮮籍の同級生がいた。皆、日本名を使い、幸い差別するようなことはなかった。だが、市有地に無断で建てた小屋に住み、N君のアルバイトと両親の廃品回収の収入、そして生活保護を受けていたこの家族への「世間」の偏見と差別は耐え難く、N君も明るい将来を描けず、「帰還」に期待したに違いない★当時の社会党や共産党は、北朝鮮の専制支配体制の〝胡散臭さ〟を知りつつも、〝腐っても鯛〔=社会主義〕〟だと無批判的に追従し、擁護さえしてきた(かもがわ出版HP「編集長の冒険」など参照)。彼らの責任も追及されるべきだろう。 (Y) 【2面トップ】「原発回帰」は即刻中止せよ!捏造する中電・警報鳴り響く東電東日本大震災で福島第一原発(F1)が、電源喪失・水素爆発で放射能をまき散らした〝事故〟から15年目の1月22日未明、東電の柏崎苅羽原発6号機(135・6万kW)の営業運転に向けた再稼働中に制御棒の引き抜きで警報が鳴り響き、原発を停止した。東電は原因を調査中と発表したが、6号機が完成したのは96年11月で7号機より1年早く稼働を開始した原発である。東電が原発稼働を急ぐのは、F1の賠償・廃炉負担が17兆円(東電・政府の願望であって、どれほどになるか不明)にものぼり、6号機の稼働で年1千億円の収支改善が見込まれるからである。首都圏で急増するデータセンターの電力需要を支え、高市の成長戦略に応える。原発再稼働は東電にとどまらず総資本の意向でもある。 ◇浜岡原発の廃炉を要求する!東電の陰に隠れていたが、中電は審査で最も重要な地震データの改ざん、捏造を行っていたことが〝内部通報〟で明らかになった。中電浜岡原発の3、4号機の安全審査に必要な地震データを、18年から都合の良い地震波データを組み合わせて審査に合格するように改ざんしたというものである。 浜岡は、想定される南海トラフ巨大地震の想定震源域の上にある「世界一危険な原発」と言われ、11年5月に民主党政権菅首相の要請で浜岡は停止した。中電は浜岡の再稼働を急ぎ、11年から自主対策として18mの防波壁を設置。この工事の過程で12年に「原子力規制委員会」が発足し、再稼働の「新規制基準」が決められた。中電は安全対策費用として4千億の費用を見積もったが、工事費の未払いが明らかになり、中電の対応に注目が集まる中で、今回の地震データ捏造が暴露された。26日に「原子力規制委員会」の委員が名古屋の中電本社に調査に入り、浜岡の安全審査はストップ。 「これまでの検査についても白紙になる」と規制委が発言しているが、当然である。巨大地震の震源域に設置する浜岡原発は直ちに廃炉にすべきである。再稼働に向けた作業や調査は、無意味な支出にほかならず、労働者は反対する。 中電の調査資料の信ぴょう性が否定された以上、中電のとるべき道は「廃炉」しかない。中電が浜岡の再稼働を急ぐのは、東電が2か所8基の原発、関電は3か所で稼働7基に比較して中電は浜岡1か所で「審査中」の2基(他1基)しか原発はなく、原発の稼働が進む関電と比較して電気代は高く(約7%)、燃料高が続き中電の業績も関電に対して純利益は半分の2020億円(25年3月期)にとどまっている。GX推進法に基づく化石燃料賦課金(炭素税)も28年度から実施(段階的に)される。化石燃料を輸入する電力会社の炭素税も、現在のCO2排出1トン当たり289円より大幅に上がるといわれている。 中電が電力を供給する東海地区(愛知・岐阜・三重・静岡)は、日本の製造品出荷額の25%を占める大工業地帯である。ここから世界市場に輸出する工業製品には脱炭素(原材料調達から生産過程と廃棄まで各工程「SCOPE1」「SCOPE2」「SCOPE3」で排出される温室効果ガス量)が求められ、安定し安価で脱炭素の電力供給はトヨタをはじめとする産業資本の要求である。「原発回帰」による脱炭素は、利潤の獲得を第一義的目的とし世界の資本と競争する日本資本主義にとっては当然の選択であった。 中電のデータ捏造の根本は、トヨタグループで相次いで明らかとなった認証不正・不正検査とその隠蔽、それを生み出した背景も同じである。スケジュールに追われ、閉鎖的な環境の中で限られたメンバーの責任で「世界一危険な原発」の再稼働に必要なデータを揃えろと言う経営側にすべての責任がある。 ◇破綻する「原発回帰」政策25年2月に改訂された第7次エネルギー基本計画で、再生可能エネルギーの導入促進から原子力の「最大限活用」に方針を転換した。50年CO2排出ゼロの国際公約は、再生可能エネルギーの〝不都合な真実〟が明らかになる中で、産業資本が望む「原発」に託された。 再生可能エネルギーの本命と言われた「太陽光発電」が、急速に普及(11年48億kWhの発電量は22年に926億kWhと20倍)したのは、12年度から40円/kWhという高い価格で20年間固定買取を約束したからである。 メガソーラー(出力1MW以上の太陽光発電)を設置できる平地が少ない日本では、原野山間部への設置が広がり、怪しげな業者による違法開発や自然破壊が横行し大きな問題になっているし、27年度からは新規のメガソーラーに対する助成が打ち切られる。洋上風力発電も21年12月に三菱商事など(中電も参画)が、落札した大規模洋上発電事業から採算が取れないとの理由で、撤退を昨年11月に発表した。 世界と産業界の顔色を見ながら脱炭素の政策を出す日本政府の政策は、アリバイ的で不真面目だ。原発に〝抜け道〟を残した日本の脱炭素政策は、原発の危険性が根本的に解決されていないのに、脱炭素の切り札として原発に回帰した。「世界一危険な原発」再稼働のデータ捏造を現場技術者に強い、福島原発避難民は〝棄民〟として存在を忘れ去られようとしている。 資本の無責任な原発回帰に反対する! 利潤を目的とする社会を変革し無駄な産業、職業を廃止し、エネルギーの有効活用と新技術を積極的に活用しよう! (古) 【2面サブ】まやかしの「新財源」づくり策中道の「政府ファンド」構想衆院選では与野党いずれもが物価対策として「食料品の消費税ゼロ」を謳っているが、そのための財源をどうするか。高市は、財源について口を閉ざしたまま、大衆受け狙いの無責任さを決め込んでいるのに対して、「中道改革連合」(以下、中道)は「増税に頼らない財源づくり」として「政府ファンド」づくりを訴えた。だが、これは信頼できるものなのか、それが問題である。 ◇中道の「政府ファンド」とは中道は、「食料品の消費税(8%)を2年間ゼロ」を公約に掲げた。これに要する財源は年約5兆円。このためのカネを国が持っている「資産」を「政府ファンド」としてひとまとめにして運用し、その利益を充てる計画である。 具体的には、年金積立金約260兆円、外国為替特別会計約195兆円、日銀保有のETF(上場投資信託)約85兆円、これら3つを「政府ファンド」としてまとめ、効率的に運用することによって、食料品の消費税をゼロとするための年間5兆円ほどの財源を生み出すことができると言う。 運用収益の裏付けとしているのが、年金基金の運用実績である。年金基金を管理運用しているのは資金運用のプロ集団=独立法人(GPIF)であるが、2001年の運用開始以来、運用益の累積収益は約155兆円(25年第1四半期)、年平均約4%余の利益を上げてきた、この運用技術を生かせば、「政府ファンド」に期待される運用収益は年約20兆円上げることが可能で、食料品の消費税ゼロを実現することができると言うのだ。 ◇安易なファンド統合策しかし中道は、年金基金ら3つが各々異なった目的をもっていることを無視している。 年金積立基金は将来の年金給付のためのものであり、その運用で得た収益は年金給付に充てられるべきものである。少子高齢化でますます高齢者の割合が増加するような状況の下にあって、年金積立基金を他のファンドと合体されてその運用収益が消費税減税のために利用されるとするなら、そのしわ寄せは年金財政の悪化となって現れることは明らかである。 外国為替特別会計は、外国為替取引の安定のため設けられている会計であり、円売り・外貨買い介入によって取得した外貨を資産とし、円を調達するために発行した政府短期証券を負債としている。保有外貨資産の利子等の歳入と、政府短期証券の利子の歳出の差が各年度の利益(剰余金)だ。剰余金の一部は特別会計の運用資金である外国為替資金に繰り入れ、残りは一般会計や翌年の特別会計の歳入に繰り入れられることになっている。 外貨準備のほとんどは米国国債で、これを「政府ファンド」に移すとすれば、米国国債を大量に市場で売却することになり、それは、ドルの為替相場に大きな影響を与え、日本は恣意的に為替操作をしている国とみなされることは避けられない。 第3に日銀保有のETFについてである。政府の株価維持政策の一環として、2010年以降、日銀は中央銀行として異例のETF買い入れを行ってきた。現在ではこれまでの超低金利是正策からの転換と共に僅かずつではあるが保有ETFを減らすほうに向かいつつある。 しかし、長期金利の上昇(長期国債価格の低下)という状況は、日銀の資産が減少することを意味している。一方これまで買い入れできたETFの含み益が資産の悪化を緩和する関係にある。こうした状況の下で、日銀保有のETFをファンドに組み入れることは、日銀の信用低下をもたらすことになる。 ◇「政府ファンド」の幻想「政策ファンド」構想は、公明がこれまで提案してきたものの焼き直しである。もっと正確に言えば、昨年6月に閣議決定した政府の経済財政会運営と改革の基本方針(「骨太の方針」)にも書き込まれ、「政策ファンド」構想について、高市は「運用しないことの機会損失を考えるべき」と共感、片山財務相も「運用で稼げる日本と言う発想はとても重要」と言い、国民民主、参政党からも賛同の声が上がったとのことである。 中道の野田代表は食料消費税をゼロにすることは「借金や増税に頼らなくても可能」として得意になって「政府ファンド」の効能を訴えた。 しかし、その根拠は年金基金の運用で年4%余の収益を上げたことである。公明は「GPIFは高度な運用技術を確立しており、運用を『技術』や『科学』として体系化してきた」と言ってきた。だが、株式の売買はゼロサムゲームと同じである。一方の利益は他方の損失であり、勝ち続けることは不可能である。 年金基金が株の配当以上の高収益を上げることができたとしたら、たまたまであり、それを一般化することなどできない。さらに国家対立やインフレ、貧富の格差の拡大など無政府的な資本主義経済の矛盾が深まる中で、安定した配当=利益も期待できないし、世界が深刻な不況に陥れば証券が紙切れ同然になることだってあるのだ。 にもかかわらず、基金運営による利益確保は確実だなど言うことは、詐欺に等しい。いつから中道は証券会社の手先になったのか。 彼らは、労働者、働く者の困苦をはじめあらゆる災厄の原因である自民、資本の支配と闘い、その体制の根本的な変革のための闘いから目をそらさせて、「政府ファンド」を「第4の財源」などと言って、幻想を振りまいているのだ。 (T) 【2面サブ2】【読者からの投稿】私は田舎の中小企業で働く労働者だ。給料も休みも少ない典型的なブラック企業で、経営陣は会長から管理職まで全員が自民党員。毎年献金し、選挙時には社内に自民党候補のポスターが貼られる。 先日、その自民党候補が社内で集会を開いたが、参加者は200人以上いる社員のうち20数名に過ぎなかった。業界団体から配られた自民党組織内議員への支援署名もほとんど集まらず、短期間で3度も配布された。上司曰く、こんなことは初めてらしい。 忙しさや面倒くささもあったのだろうが、それ以上に自民党政治への不信が職場で広がっているからではないかと私は思う。現にこれまで政治に無関心だった同僚まで自民批判を口にしている。一方で、自民に代わる期待が右派政党に向かっている現実もある。私の部署には国民民主党の支持者がおり、他部署には参政党の支持者もいる。 労働者が反動政党に取り込まれてしまっている。だからこそ、職場や地域でマルクス主義に基づき労働者を組織する闘いが必要だ。我々には『海つばめ』、『プロメテウス』そして、HP、ブログ、Xという強力な武器がある。私もさっそく労働者党HPを同僚に見せようと思っている。 勝利の日まで共にがんばろう! (一読者H) | |||||||||||